聖女の証を持っていますが、転生前に聖女は断っていたようなので、国を救う事は出来ません

花見 有

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 それからマデリーナは討伐隊と共に王宮へと戻ってきた。王宮に戻ったマデリーナはすぐに国王の元に向かった。 

「マデリーナ様、魔獣討伐ご苦労でした。疲れを癒やした後はまたこれまで通り聖女としての鍛錬を……」

「国王様、その事でお話があります」

 話を遮られた国王は面食らった顔になった。

「ん?な、何ですかな?」

「私はこの魔獣討伐の間に神と思われる者と話をしました」

「おお!さすが聖女様。して、神は何と言いなさったのですか?もうすぐ聖女の力に目覚めると仰ったのですか?」

 期待に満ちた国王様の顔は次の瞬間蒼白になった。

「私は聖女ではないと言われました」

「は?ど、どういう事ですか!?」

 同席していたオクージュ先生とルーベルトも目を丸くして言葉を失っていた。

「し、しかし聖女の証があるではないですか!?」

 国王は信じられないというように前のめりになる。
 私は首を振ると聖女の証から変わってしまった紋様を見せた。

「ど、どういう事ですか!?私は何度もあなたの手首に聖女の証があるのを見ておりますよ!!」

 オクージュはマデリーナの手首の紋様を食い入るように見ていった。

「これは、聖女ではないのに聖女の証があるのはおかしいので神に消してほしいと願いましたが、叶わず違う紋様になりました」

「そ、そんな……」

 オクージュは腰を抜かしてその場にヘタりこんだ。
 国王は頭を抱えて何度も首を振っていた。

 分かっていた事だけれど、皆の期待を裏切る事になるのは辛い……。

 マデリーナは恐る恐るルーベルトの方を見た。

 ルーベルトは真っ直ぐに私を見つめていて、それが何だか責められているようで耐えられず、すぐに視線を逸してしまった。

 それからの王宮は大混乱に陥った。私が聖女ではないと知った大臣達は絶望する者や騙していたのかと怒る者もいた。その場は国王が新たな聖女を探す事を明言し一応収まったが、知らなかったとはいえ今まで聖女として過ごしていた私に対し、処罰を与えるべきだという者もいた。国王やオクージュ先生は私の事を庇ってくれ、討伐隊の皆も魔獣討伐での私の働きを伝えてくれ、罪にはならずにすんだのだった。

 しかし庇ってくれる国王やオクージュ先生への批難も出てくる中、マデリーナはある決意をするのであった。
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