聖女の証を持っていますが、転生前に聖女は断っていたようなので、国を救う事は出来ません

花見 有

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 その決意を話す為、マデリーナは国王の元へ向かった。

「マデリーナ様、大臣らがすまなかったな」

「いいえ、皆が怒るのは仕方がない事ですから」

 マデリーナは申し訳なさそうにする国王に気丈な笑みを浮かべた。

「マデリーナ様はいつまでもここに住んでいて構わないよ」

 国王はニッコリと笑ってそういった。

「国王様や騎士団長とも相談したのですが、騎士団の魔術講師となるのはどうでしょう?誰も文句はないでしょう」

 オクージュ先生も頷きながらそう言った。

「有り難い申し出ですが、お断りさせて頂きます。私は王宮を出て行くつもりです」

「え!?ど、どう言う事ですか?」

「私はこのまま王宮に住み続ける事は出来ません」

「批判する者の事は気にする事はない。新しい聖女様がきっとすぐに見つかるから、そうすればきっとこの混乱も収まるだろう」

 国王はそう言ってくれたが

「ごめんなさい。私が聖女ではないのにここにいる事が辛いんです」

「マデリーナ様……」

 それ以上は国王もオクージュ先生も何も言わなかった。ちらりと見たルーベルトの表情はやはり私を真っ直ぐに見つめるだけでその表情からは何を考えているのか分からなかった。

 それから3日もせずに旅立ちの準備を整えた私は国王とオクージュ先生に別れの挨拶をしにきていた。

「本当に旅立ってしまうのか?聖女ではないとはいえ、この国のために努力し続けてくれた事、感謝しているのだ。いつまでもここに居てくれていいのに」

「良いんです。元々静かにのんびり暮らしたいと思っていたので、どこか田舎の村でのんびり暮らします。それに馬や当面の食料を頂けただけでも十分です」

「それくらい当然だ。本当は新しい屋敷の手配もしてやりたい所だったが……」

 と国王は悔しそうに口をつぐんだ。

 罪には問われなかったが、やはり私の事をよく思わない者も多く、私の味方をする国王の事を不審がる人が増えてるからだろう。

 国王の思いを代弁するように今度はオクージュ先生が話しだした。

「騎士団の魔術講師が嫌なら今しばらく、私の弟子としてここに留まり我らと共に新たな聖女が現れるまで魔獣を避ける方法を考えないか?」

「聖女でもない私がこれ以上王宮で特別な暮らしをするわけにはいきませんから」

「そうか……」

 私は国王やベッテ、オクージュ先生に礼をするとひっそりと王宮を後にした。

 目指すは魔界との境界。田舎でのんびり暮らすのはもう少し後になりそうだけど、今の私にこの国の為に出来ることをするんだ――
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