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第8話 酒場で噂の聖女様
しおりを挟む「オルランド!今日も愛しの聖女様の所に行ってたのか?」
騎士の訓練所でオルランドは同僚の騎士フランクにからかわれていた。
「面白がるな!俺は本気なんだ!彼女が聖女様かどうかなんて関係ない!」
「ハハッ悪い悪い。そう怒るなよ。それより、ちょっと面白い話を聞いたんだ。最近、聖女神殿近くの酒場で酒を奢ってくれる女がいるらしいんだが……、なんとその女、自分の事を聖女様だと言っているらしいぞ。もしかしてお前の愛しの聖女様だったりしてな?ちょっと見に行ってみないか?」
その話を聞いてオルランドはギロリとフランクを睨んだ。
「アメリア様がそんな事しているわけないだろう!しかし、自分を聖女だなどとは、なんという無礼な嘘を。一度、様子を見に行こうじゃないか!」
「そうこなくっちゃ!」
◇◆◇
そして、オルランドとフランクは聖女神殿の近くにある酒場にやってきた。
「最近、ここに聖女と名乗る女性がいると聞いたんだが」
オルランドは店のマスターにそう聞くと、マスターは慣れた様子で
「ああ、それならあそこにいるご令嬢だよ」
と指差した。
そこには男達を侍らせて酒を飲む女がいた。
「やはりアメリア様とは別人じゃないか」
オルランドはそう呟くとその女と目が合ってしまった。
「あら、良い男」
女は口角を上げて微笑むと
「ねえ、そこのあなた達。こっちへ来て一緒に飲まない?聖女様が奢ってあげるわよ?」
とオルランドとフランクを手招きした。
「あなたが聖女様だって?」
オルランドは女に冷たい視線を向ける。
「ええ、そうよ。私は聖女なの。フフッあなた、特に私の好みだし、聖女の男にしてあげてもいいわよ」
自信満々に微笑んだ女にオルランドは嘲笑した。
「フフッ。結構です。私には心に決めた女性がおりますから。それにあなたのような女性とお付き合いしたいとも思いませんし」
オルランドの態度に女は怒りを顕にする。
「まあ!私を馬鹿にして!私は聖女なのよ!そんな態度許されると思っているの!?」
「あー、出たよ出たよ。あの女気に入らない事があるとすぐ自分は聖女だっていって、怒るんだよ。本物の聖女様は今日も神殿で祈ってるって事ぐらいみんな分かってんのになぁ」
と店の客の一人が言った。それに同意するように他の者達も頷く。
「な、何ですって!?」
すると女はたちまち顔色が悪くなり、何故か苦しそうに胸を押さえ始めた。
「ちょっと……あなた達、信じてない、わね!今、本物の聖女の祈り……を……」
バタンッ!!
女はその場に突然倒れてしまった。
「おいおいどうした!?」
「酒の飲みすぎじゃねえのか!?」
「医者を呼ぶか!?」
すると女が息も絶え絶え言った。
「し、神殿に……。聖女神殿に連れていって……」
店の客達がオロオロしている中、オルランドとフランクは女を担ぐと聖女神殿へと急いだ。
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