初恋は清らかに、嫉妬は淫らに

琴奈

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3.強引な彼

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 真夜中の部屋には私以外に彼もいる。正直、お互いの知人が部屋にいるなら大丈夫だろうと思って安心していたけど、それは間違っていたようだわ。それよりなぜ手を出してきたのか、彼に問わなければならない。私は身体を起こして彼の方へ向いた。

「寝ぼけているのか…それとも誘っている?」
「そんなわけないでしょう、長野君!」

そう、元彼もいるこの家にて、大胆にもキスをしてきたのは彼の親友の長野君だった。

「しっ、大声出すと小野も起きるよ」

彼は小声で声をかけると同時に、私の口は彼の右手で封じられた。
 正直、どうして私が注意される立場なのか全くわからない。帰宅することを止められ、休めと言われるがまま休み、同意もなく手を出してきたから声を出したのに不条理だわ。それよりこの状況は非常に危険だと感じる。アルコールを楽しんだ男女が真夜中に寝室のベッドの上にいて、何も起きないはずがない。ここはすぐにでも去るしかないわ。
 私は長野君の右手を強引に離し、小野君を起こさないよう声を出した。

「そうね。私がここにいたら、二人とも寝れないよね。今度こそ帰るね、お布団ありがとう」

立ち上がりベッドと長野君から離れ、リビングへと向かう扉に向かったが、私の背後から手が伸ばされ開くことができない。そして、彼が私の背中に密着して止めていることだけは容易にわかった。

「ちょっと、長野君。出たいから退い…んん」

振り向いたのが失敗だった。私の唇と彼の唇がまた重なってしまった。そして私を抱き寄せると貪るかのように、彼の動きは激しさを増している。【チュッ】【クチュ】とキスの音が口から漏れる。彼の肩を押して抵抗しても、逃げることが出来ない動けない。その力もこのままだと果ててしまうわ。

「お願い…もう、止めてっ…んん」

まだキスは終わらせてくれない。そして、何気に彼はワンピースの背中のファスナーをゆっくり下ろした。

「ちょっ、ちょっと駄目!」

キスさえ終わらせてくれない長野君には、抵抗する言葉なんて聞き入れてくれるはずがない。着ていたワンピースが落下し、下着とストッキングが露わになってしまったので、私も座って隠すしかなかった。
 こんな肌が丸見えになった姿なんて、元彼にも見せたことがないから恥ずかしくて泣きそう。長野君の顔を見上げると、私とは対称的に不敵な笑みを浮かべていた。何考えているか、さっぱりわからない。

「隠すと楽しめないから」
「何を…楽しむつもりなの」
「何って、アレしかないだろ」

彼が耳元に囁いた言葉はダイレクトな表現すぎてて、頭の血の気がサッと引いた。そして私の腕は持ち上げられ、一瞬にしてベッドに身体ごと倒された。長野君が私の上に覆い被さり、また身動きが取れない。絶対にキスされると思って顔を横に向けたけど、その予想は見事に外れてしまった。
 ブラを無理矢理捲り上げ、私の胸は彼の目線の先にあった。恥ずかしい、無理、早く隠したい。
 しかし、その思いとは裏腹に彼は両手で下から揉み始めた。最初はゆっくり優しく動かしていたけど、少しずつ力を入れ動きが早くなる。その動きで声が漏れそうだったけど、私は必死に抑えるしかなかった。

「すごいな、高山さんの胸。触わり心地最高」

彼は気持ち良さそうにしているが、それは私もだった。本音では彼に触られている手はとても気持ちがいい。そして彼は指先で、胸の尖端部分をなぞり始めた。これは、とても擽ったい。

「あっ、いやっ」

感じていることを誤魔化すために、咄嗟に声を出してしまった。私が思わず発した声を彼は聞き逃がさない。

「ここが良いんだな」

彼は躊躇することなく、私の胸の弱い部分を口に含めた。

「お願い、あっ、いやぁ、ふううん」

口に含み舌で転がしていることは感覚でわかる。これは声を抑えるのも難しいほど気持ち良い。彼は左胸の尖端を口に咥え、遊ぶように空いた右胸を手で揉み始めた。今までに体験したことがない感覚が私を襲う。

「うそっ、ああん、私…これ以上は」

 駄目と言う前に聞き入れたのか、長野君は自分の口を胸から離した。ただ、右胸は動かしたままだけど。

「何、どうしたの?」
「こ、これ以上は駄目。長野君、酔っていて興奮しているだけでしょう?今なら止められるわ」

必死に説得するしかない。感じていた自分もいて恥ずかしいけど、それより、リビングには元彼の小野君がいる。そんな状況下で男女の営みをするほど、私は狂った女ではないわ。
 無言のまま長野君は私の顔を見つめる。何を考えているか正直わからない。だけど、少しだけ怒りの表現が見て捉えた。

「ねえ、今更止められると思う?」
「えっ、ええ」
「高山さんのここも立っているのに?」

指先で胸の尖端を弄り続けている。まだ擽ったいが、声は抑えられる。

「それは…長野君が触るから」
「じゃあ、これは何?」
「えっ…きゃあ、ちょっと止めて!」

彼の右手は胸での遊びを止めて、いきなり私のショーツの中へと指を入れた。そして、滑りを帯びた透明の液体を拭うと、わざわざ私の目の前に見せつけた。

「すごいね。高山さん、感じてるんだよ。これでも止めるの?」
「そんな…」

感じていたのは図星。反論が出来ない。言葉に詰まっていると、長野君はまた唇を重ねてきた。今日だけで彼と何度キスをしているのだろうか。もう小野君との数を超えてしまっている。あの時のときめきは無い。
 そんなことを考えていたからだろうか、反応が遅れてしまった。彼の指が再び下着の中に入って、何かを探し始めた。これには声を出したいが、口を塞がれて声が上手く出ない。

「んんー」

指が陰口をなぞり、開かせ探し続けている。もう恥ずかしさでキスどころではない。彼の指が尿道より上の部分で止まった。そして指で器用に開くと、人差し指で円を描きがら触り続けている。私には何をしているのかさっぱりわからない行動。彼も戸惑いキスを止め、言葉を発した。

「あれ?ここじゃないのかな」
「ここって…それより何してるの!指を出して」
「それは無理。うーん、指だけで当てるのは難しいか」
「一体、何を…」

私の質問にも答えてくれるどころか、私の下着とストッキングをいきなり下ろした。私の秘部が彼から丸見え。そして手際よく私の腰を枕で上げると、まじまじと真剣に何かを探す。手で隠そうと置いたのだが、掴まれて隠すことを止められた。そんなところ、誰にも見せたことがないから泣きたい。それでもお構いなしの彼は何なんだろうか。

「やっぱり、ここだよな」
「一体…何なの!」
「何ってこれ」

彼は自分の指を舐めると、先ほどと同じ場所を再び触り始めた。ただ、未だ私には彼が何をしたいのかわからない。
 お互いに戸惑っていたその時だった。私の身体が何かおかしい。先ほどとは全く違う、痺れのような不思議な感覚が下腹部に襲ってきた。

「ああああ、いやぁあ、何か変なのぉ」
「やっと来たか」
「ううう、いやぁああああ」

彼の指はずっと秘部にある突起を触れていたようだが、私の反応が遅かっただけのようだ。一度反応すると、彼の指が止まるまで私の身体は自由に動くことができない。勝手に身体は海老反りになり、シーツを掴むことも難しい。

「いやぁ、だめえええ、ゆっゆび止めてええ」
「無理。そのままイケばいい」
「あああああ、いやぁああ」

 果てたと言うべきか、これが達したという感覚なのかわからないけど、私はそのままベッドの上で荒くなった呼吸を整えていた。まだ下腹部に痺れも残っていて自由に身体が動かない。ただその間に長野君も下着を下ろし、私の足の前に来た。これはマズイ。

「ま、待って…はぁはぁ」
「心配?ゴムなら付けた」
「違っ、いっ今ので…お、終わらない…の」

呼吸が整え終えていないから、彼に上手く話すことが出来ない。

「終わらないよ、ここからが本番だろう?」

言いたいことは彼には伝わったようけど、止める気は全く無いようだ。
 私の秘部に長野君の固くなったモノが擦りつけられている。彼の固いモノが動きを止め、ある位置に止まった。そこは男性器を受け入れられる所であり、子づくりには必要な所でもある。私と彼が一つに繋がってしまう。

「いくぞ」

ミシミシと入っていく感覚は初めてのことで、とても怖い。また長野君のモノは昔みた父親と比べても、小さいとは言えない大きさ。私の身体は先ほどとは違う意味で悲鳴を上げている。

「何だ、これ。すっごく狭いな」
「痛っ、痛い!痛い!!長野君、止めて」
「は?何で痛いんだ…っておい!」

長野君は何かに驚いて、私の身体から離れた。何に驚いたのか、また私にはわからない。彼の目線は先ほど繋がっていたであろう場所に向けられているから。

「まさか…高山さん」
「え?」
「小野とは最後までやってないのか!?」
「やるって…キス以上のこと?」

長野君は私と小野君の関係をどこまで知っていたのだろうか。それより、今更聞くのも遅い気がする。でも正直に答えるしかない。

「ファーストキスしか思い出がないわ」
「うそだろ。ずっと…処女、だったのか」

 処女の証拠でもある膜からの鮮血が、私の太腿にも伝わりシーツを赤く染めていた。
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