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第5章 涙
第2話
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さっそく蔵へ行こうと
神社を後にすると
鳥居の向こうに見覚えのある人が立っていた。
「マリー?」
「おはよう!久しぶりね」
「なんでここにいるの?」
「散歩していたら偶然見つけてね。そしたら珠姫がいたから嬉しくなっちゃって」
偶然…?
別に
立入禁止になっているわけじゃないし
誰がいても不思議じゃない。
でもここは普通の神社と違う。
それに言われなきゃここに神社なんかあるなんて
思わないくらいに木々がうっそうと茂っている。
そんなところにある神社を
偶然見つけるなんてあるんだろうか。
「顔色悪いけど、大丈夫?」
マリーが心配そうな顔をして私に近づいてくる。
その行動に思わず一歩後ずさった。
「珠姫?」
「マリー…」
屋上で楽しく話をしていたいつものマリーのはずなのに
こんなところで出会ったせいなのか
違う人のようで怖い。
「お前、そこで何をしてるんだ?」
「蛍さん!」
マリーの後ろにいつの間にか蛍さんが立っていた。
私はマリーの横を通り過ぎて蛍さんの隣に立つ。
「誰だ?お前は」
蛍さんはマリーを睨みつける。
「怖い顔ね。せっかくの男前が台無しじゃない」
「話を逸らすな」
「せっかちな男は嫌われるわよ?」
「おい、馬鹿にしているのか?」
「そういうわけじゃないわよ。私は転入生のマリー。珠姫の友達よ」
「転入生…?」
「なんだかお邪魔みたいね。先に学校に行くわ。またね珠姫」
マリーは軽く手を振って
私と蛍さんの横を通り過ぎて神社を後にした。
マリーの背中が見えなくなって
私はようやくホッと息をつくことができた。
神社を後にすると
鳥居の向こうに見覚えのある人が立っていた。
「マリー?」
「おはよう!久しぶりね」
「なんでここにいるの?」
「散歩していたら偶然見つけてね。そしたら珠姫がいたから嬉しくなっちゃって」
偶然…?
別に
立入禁止になっているわけじゃないし
誰がいても不思議じゃない。
でもここは普通の神社と違う。
それに言われなきゃここに神社なんかあるなんて
思わないくらいに木々がうっそうと茂っている。
そんなところにある神社を
偶然見つけるなんてあるんだろうか。
「顔色悪いけど、大丈夫?」
マリーが心配そうな顔をして私に近づいてくる。
その行動に思わず一歩後ずさった。
「珠姫?」
「マリー…」
屋上で楽しく話をしていたいつものマリーのはずなのに
こんなところで出会ったせいなのか
違う人のようで怖い。
「お前、そこで何をしてるんだ?」
「蛍さん!」
マリーの後ろにいつの間にか蛍さんが立っていた。
私はマリーの横を通り過ぎて蛍さんの隣に立つ。
「誰だ?お前は」
蛍さんはマリーを睨みつける。
「怖い顔ね。せっかくの男前が台無しじゃない」
「話を逸らすな」
「せっかちな男は嫌われるわよ?」
「おい、馬鹿にしているのか?」
「そういうわけじゃないわよ。私は転入生のマリー。珠姫の友達よ」
「転入生…?」
「なんだかお邪魔みたいね。先に学校に行くわ。またね珠姫」
マリーは軽く手を振って
私と蛍さんの横を通り過ぎて神社を後にした。
マリーの背中が見えなくなって
私はようやくホッと息をつくことができた。
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