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それまでの囚人生活
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俺はあの政策が発表されるまでの三年間、模範囚として過ごしていた、と思う。
入りたての頃、よく聞かれたのが、
「お前は何をやってここに来たんだよ」
という質問だった。
俺は決まってこう答えた。
「悪いが俺は冤罪でな。お前らとは違う。犯罪というものはした事がないんだよ。」
そんな訳で、俺は他の囚人達と関わりを持とうとしなかった。
そんな俺のことを目をつけて来たのがこの刑務所を仕切っている囚人の山田、という男だった。
噂ではどうやらそいつは死ぬほど喧嘩が強く、このへんではよく名の知れたヤクザの組長らしい。
出所する時もそいつの部下が五万と迎えに来るそうだ。
流石にそれは嘘だと思うが。
部下が五万と来ること以外は本当らしい。
ある日 食堂で大してうまくないオムライスつついていたら、山田とその取り巻きに声をかけられた。
つーか絡まれた。
「おいお前、ムショに入ってまで冤罪だなんて嘘ついて何になるんじゃ?」
「仲間に聞いたんじゃが、わしらのことを随分見下してくれとるらしいのぉ?おぉ?」
やはりヤクザ者というのは本当らしい
「別に嘘はついていない。お前らの事を見下してはいないが、一緒にして欲しくないとは思ってるな。」
そう答えてやった。
山田の仲間の1人が
「それが見下してるってんだろうがぁ!!!」
怒鳴りながらいきなり殴りかかってきた。
所詮ど素人パンチだが、五十過ぎのおっさんを本気で殴ろうとするなんざ、正気とは思えねぇな。、
座っている俺に真っ直ぐ突き出されつつあった拳の手首をつかみ思い切り引いてやった。
前のめりにバランスを崩したそいつの頭を掴み、顔面をオムライスに叩きつけてやった。
「てべー!ばにすんばー!!!!」
てめーなにすんだ。
おそらくそう言ったんだろうが、なんせオムライスを食べながら怒鳴るもんだから何言ってるか、聞き取りずらかった。
全く、俺の息子が口にもの入れながら喋ったら怒鳴りつけてやるのに。こいつの親の顔が見てみたいわ。
正直喧嘩に自信はあった。
というか格闘で負ける気はしなかった。
実践で使えそうな格闘技は全てある程度のところまで習得してきた。
それというのも俺の職業、刑務所に入る前にしていた仕事は、国の要人などを守るガードマンだった。
おそらく、俺が誰かに罪を擦り付けられたのも、この仕事が少なからず関わっている、そんな気がした。
俺が刑務所に送られてから、数日後、俺が護衛していた前総理の側近が死んだ。
そのニュースを見て勘づいた。
何者かが、あの政治家を殺すために邪魔だった俺をはめたんだと。
そんなわけで、山田を含む刑務所を仕切っている奴らに絡まれる度に適当にあしらっていた。
そうやってるうちに山田達は俺のことを慕って来るようになった。
いつの間にか、俺が刑務所を仕切っていた。
入りたての頃、よく聞かれたのが、
「お前は何をやってここに来たんだよ」
という質問だった。
俺は決まってこう答えた。
「悪いが俺は冤罪でな。お前らとは違う。犯罪というものはした事がないんだよ。」
そんな訳で、俺は他の囚人達と関わりを持とうとしなかった。
そんな俺のことを目をつけて来たのがこの刑務所を仕切っている囚人の山田、という男だった。
噂ではどうやらそいつは死ぬほど喧嘩が強く、このへんではよく名の知れたヤクザの組長らしい。
出所する時もそいつの部下が五万と迎えに来るそうだ。
流石にそれは嘘だと思うが。
部下が五万と来ること以外は本当らしい。
ある日 食堂で大してうまくないオムライスつついていたら、山田とその取り巻きに声をかけられた。
つーか絡まれた。
「おいお前、ムショに入ってまで冤罪だなんて嘘ついて何になるんじゃ?」
「仲間に聞いたんじゃが、わしらのことを随分見下してくれとるらしいのぉ?おぉ?」
やはりヤクザ者というのは本当らしい
「別に嘘はついていない。お前らの事を見下してはいないが、一緒にして欲しくないとは思ってるな。」
そう答えてやった。
山田の仲間の1人が
「それが見下してるってんだろうがぁ!!!」
怒鳴りながらいきなり殴りかかってきた。
所詮ど素人パンチだが、五十過ぎのおっさんを本気で殴ろうとするなんざ、正気とは思えねぇな。、
座っている俺に真っ直ぐ突き出されつつあった拳の手首をつかみ思い切り引いてやった。
前のめりにバランスを崩したそいつの頭を掴み、顔面をオムライスに叩きつけてやった。
「てべー!ばにすんばー!!!!」
てめーなにすんだ。
おそらくそう言ったんだろうが、なんせオムライスを食べながら怒鳴るもんだから何言ってるか、聞き取りずらかった。
全く、俺の息子が口にもの入れながら喋ったら怒鳴りつけてやるのに。こいつの親の顔が見てみたいわ。
正直喧嘩に自信はあった。
というか格闘で負ける気はしなかった。
実践で使えそうな格闘技は全てある程度のところまで習得してきた。
それというのも俺の職業、刑務所に入る前にしていた仕事は、国の要人などを守るガードマンだった。
おそらく、俺が誰かに罪を擦り付けられたのも、この仕事が少なからず関わっている、そんな気がした。
俺が刑務所に送られてから、数日後、俺が護衛していた前総理の側近が死んだ。
そのニュースを見て勘づいた。
何者かが、あの政治家を殺すために邪魔だった俺をはめたんだと。
そんなわけで、山田を含む刑務所を仕切っている奴らに絡まれる度に適当にあしらっていた。
そうやってるうちに山田達は俺のことを慕って来るようになった。
いつの間にか、俺が刑務所を仕切っていた。
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