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第1章
4.アルハイムの遺跡は
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アルハイムの遺跡は、かつて図書館だった。
スルアシェート王国という国がかつてあったのだ。王都の名をアルハイムといった。
アルハイムには、芸術の都として栄え王国一を誇る図書館があった。
その図書館は、都市の名前をとってアルハイム図書館と呼ばれていた。
スルアシェート王国は隣国からの侵略を受け、滅びてしまったのだ。
アルハイム図書館は、特級司書はおらず上級司書5人と下級及び見習いが在籍していた。
彼らは、図書館に保護魔法を展開したあとは、王国の守護をし、死んでいったのだ。
彼らの展開した保護魔法のおかげで図書館は朽ちることなく今に残っているのだ。
「こっちに来てくださいっ!」
アルハイム図書館のことを思い出せたので、“図書館に避難する”という選択肢が増える。
もちろん、図書館に避難する。
図書館は一番安全な場所なのだから当たり前であった。少なくとも私にとっては。
「アルハイムの遺跡が図書館ってどういうこと?」
アルマークが聞いてくる。
「後で説明しますので先に奥まで行きましょう」
「アルマークの遺跡には奥はなかったと思いますが?」
いぶかしげな顔で、フレデリックが聞いてくる。
「保護魔法が展開されているから奥まで行けなかったのだと思います」
「どうして知ってるんだ?」
アルマークの言葉は正しい。
「昔、報告で聞いたことがあったんです」
答えながら、私は奥へと進んでいく。
そして、一番奥までいくと、アルハイム図書館の紋章の上に右手をかざす。
「特級司書が一人ラウ・ツェーイが告げる。長きにわたる眠りから、目覚めよっ!」
図書館が目を覚ます。
正しい姿にかつての姿に戻っていく。低級の魔物など寄せ付けはしない。だって図書館なのだから。
「ラウ・ツェーイ?これはいったいどういうことなのですか?」
「君は、誰?いや、何?やっぱ君、絶対一般人じゃないでしょ」
「それとも、ファーナ嬢ではないのかな?」
フレデリック、アルマーク、王子がそろって聞いてくる。
特級司書は、特級司書として一度登録すると、よほどのことがない限り登録を変更することができないのだ。
それは、たとえ死んでも変わることはない。
なのだから私は、ラウ・ツェーイという名前で登録をしてあるため、特級司書として名乗るにはラウ・ツェーイと言うしかないのだ。
「私は、ライ・ファーナであると同時に、ラウ・ツェーイでもあるのです。ただそれだけです」
「…それだけって…いったい…」
「基準、絶対おかしいでしょ、コレ」
「もう、わけがわかりません」
3人は納得してはいないようだがこれ以上聞いてくる気もないらしい。
というよりか、聞くだけの気力もなさそうだった。
なんでこんなに疲れた顔をしているのだろう…?
意味が分からない。
ああ。そうだ、大切なことを忘れていた。
「忘れていました。……ようこそ。アルハイム図書館へ。何かお探しの書物はございますか?お探しいたします。なお、この場所には、魔物は侵入してこれませんのでご安心ください。だって、ここは図書館なのですからっ!」
スルアシェート王国という国がかつてあったのだ。王都の名をアルハイムといった。
アルハイムには、芸術の都として栄え王国一を誇る図書館があった。
その図書館は、都市の名前をとってアルハイム図書館と呼ばれていた。
スルアシェート王国は隣国からの侵略を受け、滅びてしまったのだ。
アルハイム図書館は、特級司書はおらず上級司書5人と下級及び見習いが在籍していた。
彼らは、図書館に保護魔法を展開したあとは、王国の守護をし、死んでいったのだ。
彼らの展開した保護魔法のおかげで図書館は朽ちることなく今に残っているのだ。
「こっちに来てくださいっ!」
アルハイム図書館のことを思い出せたので、“図書館に避難する”という選択肢が増える。
もちろん、図書館に避難する。
図書館は一番安全な場所なのだから当たり前であった。少なくとも私にとっては。
「アルハイムの遺跡が図書館ってどういうこと?」
アルマークが聞いてくる。
「後で説明しますので先に奥まで行きましょう」
「アルマークの遺跡には奥はなかったと思いますが?」
いぶかしげな顔で、フレデリックが聞いてくる。
「保護魔法が展開されているから奥まで行けなかったのだと思います」
「どうして知ってるんだ?」
アルマークの言葉は正しい。
「昔、報告で聞いたことがあったんです」
答えながら、私は奥へと進んでいく。
そして、一番奥までいくと、アルハイム図書館の紋章の上に右手をかざす。
「特級司書が一人ラウ・ツェーイが告げる。長きにわたる眠りから、目覚めよっ!」
図書館が目を覚ます。
正しい姿にかつての姿に戻っていく。低級の魔物など寄せ付けはしない。だって図書館なのだから。
「ラウ・ツェーイ?これはいったいどういうことなのですか?」
「君は、誰?いや、何?やっぱ君、絶対一般人じゃないでしょ」
「それとも、ファーナ嬢ではないのかな?」
フレデリック、アルマーク、王子がそろって聞いてくる。
特級司書は、特級司書として一度登録すると、よほどのことがない限り登録を変更することができないのだ。
それは、たとえ死んでも変わることはない。
なのだから私は、ラウ・ツェーイという名前で登録をしてあるため、特級司書として名乗るにはラウ・ツェーイと言うしかないのだ。
「私は、ライ・ファーナであると同時に、ラウ・ツェーイでもあるのです。ただそれだけです」
「…それだけって…いったい…」
「基準、絶対おかしいでしょ、コレ」
「もう、わけがわかりません」
3人は納得してはいないようだがこれ以上聞いてくる気もないらしい。
というよりか、聞くだけの気力もなさそうだった。
なんでこんなに疲れた顔をしているのだろう…?
意味が分からない。
ああ。そうだ、大切なことを忘れていた。
「忘れていました。……ようこそ。アルハイム図書館へ。何かお探しの書物はございますか?お探しいたします。なお、この場所には、魔物は侵入してこれませんのでご安心ください。だって、ここは図書館なのですからっ!」
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