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第2章 北楊村編
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晏寿は男の子に意識を向ける。
「ねえねえ、お酒って温かくないとできないの?」
「そうよ。これから冬になるから寒いでしょう。お酒も寒いのが嫌いなの」
「僕が寒いときは父ちゃんと母ちゃんがぎゅって温めてくれるよ!
あと、外に出るときは藁を編んだのを着せられるんだ」
「あれ、ちくちくするんだよなー」
藁に反応して、他の子達も藁の思い出を話しだす。
そして秀英は「藁…か」とつぶやいで更に考えを巡らした。
「できるかもしれない」
「え?」
「は?」
いきなり秀英が脈絡のないことを言うので、景雲と晏寿は呆気にとられる。
しかし秀英はいたって真面目に二人に自分の考えを述べた。
「世間一般には寒いと酒はできないと思っているが、もしこれを成功することができたなら?
十分な村の特産になるし、卑下して見ていた者達の度肝を抜くことができる」
「逆転の発想ってやつか?」
「ああ」
秀英は確実なことしか行わない。
それは出会って半年、晏寿が彼と一緒にいて感じたことだった。
今回の酒作りは容易なことではないことは周知の上。“絶対”はない。
けれど、秀英はそれを行おうと言っている。
彼の中で何かが変化していると晏寿は感じた。
それから三人は空いた時間に酒を醸造するために奔走した。
調べれば、知らないことも多くやはり苦戦を強いられた。
しかし、官吏試験を合格した上位三人であったのでどんどん情報を集めていった。
そして、だいぶ情報が集まり試作品を作ることとなった。
外は既に雪が降りそうな勢いの寒さだった。
藁を使って酒の温度を下げないようにして、細心の注意を払って試作品一号ができあがった。
「香りは…酒だな」
「しかもかなりきつめのね」
においを嗅いだら鼻につんときたので晏寿は鼻と口を手で押さえる。
景雲が指を酒に浸けてそれを一舐めした。
とたんに顔をしかめる。
「…どうだ」
「かなりきつい。
しかも粗くて舌触りが最悪だ」
それを聞いたあとに秀英も指に浸けて舐めた。
そしてすぐに顔を横に振った。
二人の様子を見ていて、晏寿は再び酒へと目を向けた。
「水と米は十分にいいものだから、代えようがないし…
やっぱり作り方の工程かなぁ」
「しかし寒くても酒ができることは実証できた」
「ああ」
試作品一号は失敗に終わったが、課題をしっかり見据えて次へ繋げることができたのだった。
次は発酵の時間や、米・麹の量などを厳しく計った。また三種類用意し、時間に差をつけて発酵させた。
まず、一番目のものを試飲することになった。
「前回のよりはにおいがきつくなくなったかも」
椀に注いだ酒のにおいを嗅ぎながら、晏寿が言う。
確かに顔をしかめるとこはなくなった。
景雲がにおいから直に飲んでも大丈夫だろうと、今回は指を浸けることなく直接椀から一口飲んだ。
口の中で確かめる景雲を晏寿と秀英は見つめた。
「…うっすい」
それを聞いて秀英も確かめる。
「薄いし、だいぶ水に近いな。
だからにおいもきつくなかったんだろう」
「まだ、発酵が進んでなかったのかしら」
「ひとまず、まだあと二つある。
それの様子を見て、時間を判断しよう」
秀英の言葉に頷いた二人だった。
「ねえねえ、お酒って温かくないとできないの?」
「そうよ。これから冬になるから寒いでしょう。お酒も寒いのが嫌いなの」
「僕が寒いときは父ちゃんと母ちゃんがぎゅって温めてくれるよ!
あと、外に出るときは藁を編んだのを着せられるんだ」
「あれ、ちくちくするんだよなー」
藁に反応して、他の子達も藁の思い出を話しだす。
そして秀英は「藁…か」とつぶやいで更に考えを巡らした。
「できるかもしれない」
「え?」
「は?」
いきなり秀英が脈絡のないことを言うので、景雲と晏寿は呆気にとられる。
しかし秀英はいたって真面目に二人に自分の考えを述べた。
「世間一般には寒いと酒はできないと思っているが、もしこれを成功することができたなら?
十分な村の特産になるし、卑下して見ていた者達の度肝を抜くことができる」
「逆転の発想ってやつか?」
「ああ」
秀英は確実なことしか行わない。
それは出会って半年、晏寿が彼と一緒にいて感じたことだった。
今回の酒作りは容易なことではないことは周知の上。“絶対”はない。
けれど、秀英はそれを行おうと言っている。
彼の中で何かが変化していると晏寿は感じた。
それから三人は空いた時間に酒を醸造するために奔走した。
調べれば、知らないことも多くやはり苦戦を強いられた。
しかし、官吏試験を合格した上位三人であったのでどんどん情報を集めていった。
そして、だいぶ情報が集まり試作品を作ることとなった。
外は既に雪が降りそうな勢いの寒さだった。
藁を使って酒の温度を下げないようにして、細心の注意を払って試作品一号ができあがった。
「香りは…酒だな」
「しかもかなりきつめのね」
においを嗅いだら鼻につんときたので晏寿は鼻と口を手で押さえる。
景雲が指を酒に浸けてそれを一舐めした。
とたんに顔をしかめる。
「…どうだ」
「かなりきつい。
しかも粗くて舌触りが最悪だ」
それを聞いたあとに秀英も指に浸けて舐めた。
そしてすぐに顔を横に振った。
二人の様子を見ていて、晏寿は再び酒へと目を向けた。
「水と米は十分にいいものだから、代えようがないし…
やっぱり作り方の工程かなぁ」
「しかし寒くても酒ができることは実証できた」
「ああ」
試作品一号は失敗に終わったが、課題をしっかり見据えて次へ繋げることができたのだった。
次は発酵の時間や、米・麹の量などを厳しく計った。また三種類用意し、時間に差をつけて発酵させた。
まず、一番目のものを試飲することになった。
「前回のよりはにおいがきつくなくなったかも」
椀に注いだ酒のにおいを嗅ぎながら、晏寿が言う。
確かに顔をしかめるとこはなくなった。
景雲がにおいから直に飲んでも大丈夫だろうと、今回は指を浸けることなく直接椀から一口飲んだ。
口の中で確かめる景雲を晏寿と秀英は見つめた。
「…うっすい」
それを聞いて秀英も確かめる。
「薄いし、だいぶ水に近いな。
だからにおいもきつくなかったんだろう」
「まだ、発酵が進んでなかったのかしら」
「ひとまず、まだあと二つある。
それの様子を見て、時間を判断しよう」
秀英の言葉に頷いた二人だった。
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