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第6章 景雲の姉襲来編
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一番状況がわかっていない玲峯に説明をしようとしていたら、瑚蘭によって制された。
「玲峯、杏歌さんをお部屋に案内してくれる?」
「あ、ああ。わかった。杏歌殿こちらへ」
「お世話になります」
玲峯と杏歌が出ていったところで、瑚蘭が晏寿に向き合う。
「晏寿、杏歌さんのことお願いね」
「お泊りのこと?それなら準備するけど」
「それだけじゃなくて嫁いだ家から戻ってくるというのは、それ相応の理由があるのよ。杏歌さんの気持ちの面もよろしくね」
「…わかった」
瑚蘭は人の感情の動きに敏感である。
その瑚蘭が言うことだったので説得力があり、晏寿は素直に聞くことにした。
その後、四人で夕食をとったあと杏歌が訪問着であったため、晏寿は寝間着を持って杏歌の部屋へと向かった。
「杏歌殿、失礼いたします」
戸を軽く叩くと、中から「どうぞ」と聞こえて入室する。
「寝間着がないと思いましたので、私のでよければ使ってください」
「ありがとう。気が利くのね」
「いえ」
杏歌に手渡すと、その際に晏寿は杏歌の両腕に包帯が巻かれていることに気がついた。
「杏歌殿、怪我をされているのですか?包帯が…」
「!」
杏歌が過敏に反応し、腕を庇うようにして俯く。
この様子から、瑚蘭の言っていた『それ相応の理由』という言葉が晏寿の頭をよぎった。
「替えの包帯も持ってきますね。もしよろしければ私が巻ましょうか。両腕では巻き辛いと思うので」
そう言い残して晏寿は部屋を出て、包帯を取りにいった。
晏寿が再び部屋に戻ると杏歌は寝間着に着替えており、包帯もそのままだった。
「一度患部を綺麗にしようと思ってお湯と手拭いも持ってきました。触っても大丈夫ですか?」
「…ええ」
努めていつも通りの対応で接するようにする。
包帯を外すと、その腕は打ち身で赤く腫れ上がり、ところによっては血が滲んでいた。
患部にそっと手拭いを被せると、杏歌の表情が少し引きつった。
「ごめんなさい、痛かったですか?」
「…大丈夫よ」
新しい包帯を巻き、腕の処置は完了した。
「腕は終了です。あの、」
「お願い、誰にも…特に景雲には言わないで!弟には迷惑をかけたくないの!あの子にはまだ未来があるから…!」
縋るように杏歌が訴えてくる。
杏歌を安心させるために、晏寿はゆっくりと話し始めた。
「大丈夫です。景雲には言いません。他に包帯が必要な箇所はないか聞こうとしただけです」
「あ…他は大丈夫よ。酷いのは腕だけだから…」
「そうですか」
晏寿は治療に使った道具を片付けはじめ、杏歌は椅子に座ったままそれを眺めていた。
おもむろに杏歌が口を開く。
「この腕のことについて、何も聞かないの?」
「誰にでも話したくないことの一つはありますから。お話ししたくなったら教えてください」
「そう…」
ここで一度杏歌は黙りこくる。
そして重々しく話し始めた。
「玲峯、杏歌さんをお部屋に案内してくれる?」
「あ、ああ。わかった。杏歌殿こちらへ」
「お世話になります」
玲峯と杏歌が出ていったところで、瑚蘭が晏寿に向き合う。
「晏寿、杏歌さんのことお願いね」
「お泊りのこと?それなら準備するけど」
「それだけじゃなくて嫁いだ家から戻ってくるというのは、それ相応の理由があるのよ。杏歌さんの気持ちの面もよろしくね」
「…わかった」
瑚蘭は人の感情の動きに敏感である。
その瑚蘭が言うことだったので説得力があり、晏寿は素直に聞くことにした。
その後、四人で夕食をとったあと杏歌が訪問着であったため、晏寿は寝間着を持って杏歌の部屋へと向かった。
「杏歌殿、失礼いたします」
戸を軽く叩くと、中から「どうぞ」と聞こえて入室する。
「寝間着がないと思いましたので、私のでよければ使ってください」
「ありがとう。気が利くのね」
「いえ」
杏歌に手渡すと、その際に晏寿は杏歌の両腕に包帯が巻かれていることに気がついた。
「杏歌殿、怪我をされているのですか?包帯が…」
「!」
杏歌が過敏に反応し、腕を庇うようにして俯く。
この様子から、瑚蘭の言っていた『それ相応の理由』という言葉が晏寿の頭をよぎった。
「替えの包帯も持ってきますね。もしよろしければ私が巻ましょうか。両腕では巻き辛いと思うので」
そう言い残して晏寿は部屋を出て、包帯を取りにいった。
晏寿が再び部屋に戻ると杏歌は寝間着に着替えており、包帯もそのままだった。
「一度患部を綺麗にしようと思ってお湯と手拭いも持ってきました。触っても大丈夫ですか?」
「…ええ」
努めていつも通りの対応で接するようにする。
包帯を外すと、その腕は打ち身で赤く腫れ上がり、ところによっては血が滲んでいた。
患部にそっと手拭いを被せると、杏歌の表情が少し引きつった。
「ごめんなさい、痛かったですか?」
「…大丈夫よ」
新しい包帯を巻き、腕の処置は完了した。
「腕は終了です。あの、」
「お願い、誰にも…特に景雲には言わないで!弟には迷惑をかけたくないの!あの子にはまだ未来があるから…!」
縋るように杏歌が訴えてくる。
杏歌を安心させるために、晏寿はゆっくりと話し始めた。
「大丈夫です。景雲には言いません。他に包帯が必要な箇所はないか聞こうとしただけです」
「あ…他は大丈夫よ。酷いのは腕だけだから…」
「そうですか」
晏寿は治療に使った道具を片付けはじめ、杏歌は椅子に座ったままそれを眺めていた。
おもむろに杏歌が口を開く。
「この腕のことについて、何も聞かないの?」
「誰にでも話したくないことの一つはありますから。お話ししたくなったら教えてください」
「そう…」
ここで一度杏歌は黙りこくる。
そして重々しく話し始めた。
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