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第8章 無駄な経費削減編
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「これが俺の全てだ。俺は父の過ちから生まれた」
「…質問してもいい?」
「ああ」
二人は抑揚なく、表情なく会話を繋げる。
「紅露も知らないってことだけど、紅露のお母様との接し方で気づかれることはなかったの?」
「それは母の努力だと思っている。育ての母は俺のことも本当の息子のように接してきた。良いことをすれば褒め、悪いことをすれば叱られた。そして、紅露のいないところで産みの母親のことを忘れないよう言い聞かせていた」
「そう…」
晏寿は秀英から視線を外し、卓子の上の茶器に目を落とした。
無言の二人の間に、外の風の音だけが響く。
「…俺は晏寿や景雲のように誇れるような出自ではない。どこかで憧れもあったのかもしれない。
慣れていないから酔うというのもあるが、乗物特有の不規則な揺れが、昔村からこの家に連れてこられた時の記憶を思い出させるから未だに乗物は苦手だ。
他に聞きたいことはあるか?」
秀英の静かな問いかけに、晏寿は何を尋ねるべきなのか頭の中で言葉を選ぶ。
「聞きたいことは色々ある。だけどその前に…」
晏寿はすっと立ち上がると、秀英の横に立った。
いつもは晏寿が秀英を見上げるが、今は秀英が座っているため、晏寿が見下ろす形となる。
晏寿の行動に理解ができないまま、秀英は晏寿を見上げていた。
すると、晏寿は秀英の肩に手を置き。
ごんっ
大きな音を立てて思い切り秀英の頭に頭突きをした。
いきなりの衝撃に秀英は言葉もなく、ただ混乱する。
頭突きをしてきた晏寿はというと、自身の額を押さえながら
「いったぁ…」
と呟いていた。
そして痛みで涙目になりながら、秀英を睨みつけた。
「誇れる出自って何?貴族に生まれることがそんなに偉いこと?私はこの身分というしがらみと女ということが何度も足枷になってきたわ。
秀英自身を否定することは、今まで育ててきてくれたお母様のことも産んでくれたお母様のことも否定することになるのよ。
それに、私にとって秀英は大事な存在なの。その大事な人を否定することはたとえ当人であっても許さないわ」
晏寿の発言に秀英は目を見開いて、絶句する。
そして顔をくしゃりと歪ませ、小さな声で
「すまない」
と謝罪した。
晏寿は秀英との距離をつめ、秀英の頭をぎゅっと抱きしめる。
「誰が何と言おうと秀英は立派よ。私の大切な人よ。そんなふうに自分を否定しないで」
されるがままの秀英は最初硬直するも、晏寿の言葉と温かなぬくもりに次第に目を細めて、身を委ねる。
晏寿から香るほのかな優しい香りも秀英を安心させた。
「…質問してもいい?」
「ああ」
二人は抑揚なく、表情なく会話を繋げる。
「紅露も知らないってことだけど、紅露のお母様との接し方で気づかれることはなかったの?」
「それは母の努力だと思っている。育ての母は俺のことも本当の息子のように接してきた。良いことをすれば褒め、悪いことをすれば叱られた。そして、紅露のいないところで産みの母親のことを忘れないよう言い聞かせていた」
「そう…」
晏寿は秀英から視線を外し、卓子の上の茶器に目を落とした。
無言の二人の間に、外の風の音だけが響く。
「…俺は晏寿や景雲のように誇れるような出自ではない。どこかで憧れもあったのかもしれない。
慣れていないから酔うというのもあるが、乗物特有の不規則な揺れが、昔村からこの家に連れてこられた時の記憶を思い出させるから未だに乗物は苦手だ。
他に聞きたいことはあるか?」
秀英の静かな問いかけに、晏寿は何を尋ねるべきなのか頭の中で言葉を選ぶ。
「聞きたいことは色々ある。だけどその前に…」
晏寿はすっと立ち上がると、秀英の横に立った。
いつもは晏寿が秀英を見上げるが、今は秀英が座っているため、晏寿が見下ろす形となる。
晏寿の行動に理解ができないまま、秀英は晏寿を見上げていた。
すると、晏寿は秀英の肩に手を置き。
ごんっ
大きな音を立てて思い切り秀英の頭に頭突きをした。
いきなりの衝撃に秀英は言葉もなく、ただ混乱する。
頭突きをしてきた晏寿はというと、自身の額を押さえながら
「いったぁ…」
と呟いていた。
そして痛みで涙目になりながら、秀英を睨みつけた。
「誇れる出自って何?貴族に生まれることがそんなに偉いこと?私はこの身分というしがらみと女ということが何度も足枷になってきたわ。
秀英自身を否定することは、今まで育ててきてくれたお母様のことも産んでくれたお母様のことも否定することになるのよ。
それに、私にとって秀英は大事な存在なの。その大事な人を否定することはたとえ当人であっても許さないわ」
晏寿の発言に秀英は目を見開いて、絶句する。
そして顔をくしゃりと歪ませ、小さな声で
「すまない」
と謝罪した。
晏寿は秀英との距離をつめ、秀英の頭をぎゅっと抱きしめる。
「誰が何と言おうと秀英は立派よ。私の大切な人よ。そんなふうに自分を否定しないで」
されるがままの秀英は最初硬直するも、晏寿の言葉と温かなぬくもりに次第に目を細めて、身を委ねる。
晏寿から香るほのかな優しい香りも秀英を安心させた。
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