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第1章 官吏試験編
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秀英は掲示板でさも興味なさそうに自分を確認する。
景雲はすいっと近付き、秀英に声をかけた。
「容 景雲だ。
ここの規則は知ってるだろう?
これからよろしくな」
手を差し出すけれど、秀英はそれに応えようとはしない。
それに気づいてか、無理やり手を掴んで握手する。
秀英は眉をひそめながら、口を開いた。
「…伯 秀英だ」
「知ってる。
そこに立っているのがもう一人の同じ組の柳 晏寿」
自分の名前を呼ばれて、晏寿はびくっとする。
二人の視線がしっかりと晏寿へと向けられていた。
逃げる気はなかったが、なんだか怖気づいてしまう。
でも、ここで迷っている暇はなかった。
晏寿は二人に近づき、自分から挨拶をした。
「柳 晏寿です。
これからよろしくお願いします」
そう挨拶をするとぱこんっと頭を叩かれる。
「秀英も晏寿も堅い!
これから行動を共にするのにそんなんでいいのか?
まったく…」
「…貴兄は軽すぎると思うのですが」
頭を叩かれたことに些かいらっとした晏寿は景雲に悪態を吐く。
しかし景雲にはどこ吹く風だった。
「さて、ふざけるのはこのくらいにして。
人も揃ったし、ぼちぼち行こうじゃないか」
「え?どこに…」
「ん」
景雲が手に持っていた扇子で掲示板の端を指す。
そこにはそれぞれの組ごとに集合場所が設けられていた。
晏寿達の集合場所は宮廷の『櫻の間』というところだった。
そうして晏寿達は『櫻の間』を目指した。
三人で目的地に着き、部屋へと入る。
中には壮年の男と初老の男がいた。
二人が席に着くように促し、晏寿達はそれぞれ座る。
そしてこれからしなければならないことの説明が始まった。
「明日から三人には厠掃除…」
「厠掃除!?」
声を上げたのは景雲。
成績優秀で配属されたのに、与えられた仕事がまさかの厠掃除だったので心底ありえないという表情をする。
秀英もきょとんとしている。
晏寿の場合、家にお金がないため使用人が雇えず、晏寿自身が掃除をしていたので、特に何とも感じなかった。
話している途中で景雲が遮ったので、一度咳払いをして再び説明が始まる。
「…午前は厠掃除、午後は我らの雑務。
これを一月ほど続けてもらう」
景雲はうんざりという感じで、肩を落とす。
秀英は無表情である。
仕事の話が粗方済むと、今度は寝食する部屋の説明が始まった。
「例年は男子のみだったが、今年度からは女子も登用されるようになった。
だが、そのことを理由に特別扱いする予定はない。
よって、三人で一つの部屋で寝泊まりするように」
晏寿はやはりか…と心で呟く。
けれど、そういう中に飛び込んだのも自分。
家のためにも頑張らなくてはと思いなおす晏寿であった。
説明会が終わると、その場で解散となり、午後は自宅に戻って身支度をしなければならなかった。
外へと続く廊下を歩いていれば、景雲がぼやく。
「はぁ~、容家の御曹司が明日から厠掃除に雑用なんてあり得ない…
秀英、厠掃除させるなんてどうかしてると思わないか?」
秀英の家は景雲の家よりも上位の貴族。
自分よりも位の上の秀英ならば同意すると思ったのだろう。
景雲は秀英に話を振る。
しかし、返ってきた返事はそっけないものだった。
「そういう決まりなら致し方ない」
そうは言っても、きっと掃除などしたことないんだろうな…
晏寿は秀英を横目で見ながら、そう感じていた。
景雲はすいっと近付き、秀英に声をかけた。
「容 景雲だ。
ここの規則は知ってるだろう?
これからよろしくな」
手を差し出すけれど、秀英はそれに応えようとはしない。
それに気づいてか、無理やり手を掴んで握手する。
秀英は眉をひそめながら、口を開いた。
「…伯 秀英だ」
「知ってる。
そこに立っているのがもう一人の同じ組の柳 晏寿」
自分の名前を呼ばれて、晏寿はびくっとする。
二人の視線がしっかりと晏寿へと向けられていた。
逃げる気はなかったが、なんだか怖気づいてしまう。
でも、ここで迷っている暇はなかった。
晏寿は二人に近づき、自分から挨拶をした。
「柳 晏寿です。
これからよろしくお願いします」
そう挨拶をするとぱこんっと頭を叩かれる。
「秀英も晏寿も堅い!
これから行動を共にするのにそんなんでいいのか?
まったく…」
「…貴兄は軽すぎると思うのですが」
頭を叩かれたことに些かいらっとした晏寿は景雲に悪態を吐く。
しかし景雲にはどこ吹く風だった。
「さて、ふざけるのはこのくらいにして。
人も揃ったし、ぼちぼち行こうじゃないか」
「え?どこに…」
「ん」
景雲が手に持っていた扇子で掲示板の端を指す。
そこにはそれぞれの組ごとに集合場所が設けられていた。
晏寿達の集合場所は宮廷の『櫻の間』というところだった。
そうして晏寿達は『櫻の間』を目指した。
三人で目的地に着き、部屋へと入る。
中には壮年の男と初老の男がいた。
二人が席に着くように促し、晏寿達はそれぞれ座る。
そしてこれからしなければならないことの説明が始まった。
「明日から三人には厠掃除…」
「厠掃除!?」
声を上げたのは景雲。
成績優秀で配属されたのに、与えられた仕事がまさかの厠掃除だったので心底ありえないという表情をする。
秀英もきょとんとしている。
晏寿の場合、家にお金がないため使用人が雇えず、晏寿自身が掃除をしていたので、特に何とも感じなかった。
話している途中で景雲が遮ったので、一度咳払いをして再び説明が始まる。
「…午前は厠掃除、午後は我らの雑務。
これを一月ほど続けてもらう」
景雲はうんざりという感じで、肩を落とす。
秀英は無表情である。
仕事の話が粗方済むと、今度は寝食する部屋の説明が始まった。
「例年は男子のみだったが、今年度からは女子も登用されるようになった。
だが、そのことを理由に特別扱いする予定はない。
よって、三人で一つの部屋で寝泊まりするように」
晏寿はやはりか…と心で呟く。
けれど、そういう中に飛び込んだのも自分。
家のためにも頑張らなくてはと思いなおす晏寿であった。
説明会が終わると、その場で解散となり、午後は自宅に戻って身支度をしなければならなかった。
外へと続く廊下を歩いていれば、景雲がぼやく。
「はぁ~、容家の御曹司が明日から厠掃除に雑用なんてあり得ない…
秀英、厠掃除させるなんてどうかしてると思わないか?」
秀英の家は景雲の家よりも上位の貴族。
自分よりも位の上の秀英ならば同意すると思ったのだろう。
景雲は秀英に話を振る。
しかし、返ってきた返事はそっけないものだった。
「そういう決まりなら致し方ない」
そうは言っても、きっと掃除などしたことないんだろうな…
晏寿は秀英を横目で見ながら、そう感じていた。
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