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しおりを挟むハンクの家を出て早くも1週間が過ぎた。
今は、りるさんの宿でのんびりと過ごしている。
るりさんには、元冒険者の旦那さんと7歳と5歳の子供がおり、子育てしながら宿を切り盛りしている。
昨日、隣の街から帰ってきたのだ。
フラン君とカーナちゃんは、良く宿の手伝いをしているので、俺とのおしゃべりにも付き合ってくれる優しい兄妹だ!
「カズ兄ちゃん、今日は何するの?」
フラン君が今日の予定を聞いてきた為答える。
「市場に行く予定だよ」
どうも、フラン君もついていく様にりるさんに言われていた。
俺精神大人なんだけどなー?
案内係がついたと思えば良いかな。
本日は、フラン君を伴い市場へ足を伸ばした。
朝も早いので、市場も商品がいっぱいある!くだもの屋で桃を見つけて金額聞いたら、何と!銀貨15枚だった。
果物は全体的に高いみたいだ。
まだ、安定収入も無いので諦め野菜などを買うことにした。
「フラン君、おすすめの野菜屋さんあるかな?」
「…んー、いつも買っている所なら大丈夫だよ。こっちにあるよ!」
とフラン君に手を引かれて少し奥まった所にある野菜屋さんを見つけた。
野菜はどれも大きめで、地球のスーパーには並ばないサイズだった。
じゃがいも一個が大人の拳骨サイズでかい!
ナスなんて、これナス!と言う様なラグビーボールサイズだ。
一つ一つがとても大きい野菜たち凄いことだよ。
トマトなんて人の顔ぐらいあるよ。怖くてかぶりつけない。
巨大野菜を、二、三個ずつ買うともう持ちきれないので、袋にしまうふりしてイベントリに入れる。
世の奥様たちはパワフルだと思うよ。軽々と持って帰ってる!
手持ち籠でなく背負うカゴに一杯入って皆行き交う。
ふと端っこの屋台が目に止まり立ち止まる。
「フラン君、あの屋台は何を売ってるの?」
「…?あーあそこは、牛乳とチーズバターが売ってるよ。みんなあんまり買わないけどね。」
「?何で買わないんだい?」
「だって、たまに腐った匂いするし、お腹壊すって母さん言ってたから!買わないよ。」
興味が湧いた俺は、その屋台に行ってみることにした。
近づくと酸っぱい匂いがする。
「それなーに?」
まん丸チーズを指差し聞いてみた。
「いらっしゃいませ、それは、チーズと言う物です。そのまま食べても良いし日に炙ると溶けるのでパン
に塗っても美味しいですよ。」
店番のおねいさん?が説明してくれた。
おねいさん(お兄さん)この世界にも居るんだね。
少しずつ鑑定しながら商品を見ていく。
どのチーズも美味しいと出たので、買うことにした。
「おねいさんの店は何故お客が少ないの?」
子供ながらの疑問をぶつけて見る。
「そうねー、昔から動物の乳にあたった人が多くいたみたいだから、随分衛生面に気おつけて商品作ってる今でも
余り買い手がいないのよ。冷やせればもっと長持ちするんだけどね~。」
「勿体無いねー、こんなに美味しそうなのに食べないなんて、損してるね!」
俺が言うと、おねいさん目を丸くして、
「わかる~♫美味しいのよ~うちの商品外れなしよ~。」
と意気投合してしまい次から次へと試食しまくらせて貰った。(どれも旨し!)
このミルク脂肪分多めで味も濃い。濃厚な生クリームを彷彿させられたので、ちょっと調理してみた。
袋からボウルと泡立て器砂糖を取り出しミルクに砂糖を入れて泡立てる。
ちなみに、ボウルをこそっと冷やしています。
ツノが立つまで泡だれたら、黄ベラでさらに混ぜていく凍る様に冷やしていく。
段々と、固まってきた。
ある程度固まったら出来上がり。
「スプーンを出してパクリ!」
ソフトクリーム完成!!!
フラン君が、じっと見ていたので、口に一口入れてみた。
「!っ!冷たくて甘くて美味しー!」
半分叫び声状態で絶賛するフラン君。
おねいさんの口にも一口パクリ!
「!!!!!!」
美味しいものは分け合うのが一番美味しいくなるんだよねー。
美味しく3人で食べてたら周りにお客さんがいたみたいで、食べたそうにしていた。
ひと救いスプーンにとってお客さんにあげると、お客さん悶絶!
冷たいと思わなかったみたい。
「うまいいいいい!」
と言って俺のボウルに手を伸ばす。
つかさずスプーンを回収してボウルをしまう。
「「「あーーーー!」」」
と言う声が聞こえてくる。
「ここで買えば自分で作れるでしょ!」
と言うと、ミルク屋台にお客が殺到した。
自分の分は、確保したのでほくほくで、屋台を後にする。
フラン君は、まだ俺の袋から目がそられない様だ。
「家に帰ったら、カーナちゃんと食べようね。」
と言うと納得して歩き出す。屋台のおねいさん(お兄さん)は、何か言いたそうだったがお客さんの対応で
忙しくなった。屋台を後にした。
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