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一斉捕獲③
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「みんな落ち着いてって。大体にして、善二さんだけ悪者にするのはおかしいと思うわけ。つーか元々餌やってたのは善二さんじゃなくて、猫屋敷の婆さんだよね? その人の家の猫まで餌を食べに来て困って、善二さんはうちらに相談に来たの。それで、こうして捕獲して増えないように手術させることで責任取ろうとしてんじゃん。あんたらが糞尿被害やら何やらで迷惑被ってて猫嫌いなのは分かるけどさ、猫たちを見守る姿勢も大事だよ。あの子たちは地域猫なんだから、皆の問題として考えないと」
真琴さんの言うことは一理もニ理もある。さすがプロだと納得していたら、婆さん2が息巻きだした。
「皆の問題と言いますけどね、私たちはここ数ヶ月間ずーっと大事な庭を猫たちにめちゃくちゃにされて、毎朝うんこを片付け土を取り替えてならしてもすぐに汚されて、臭いし汚いしもう我慢がならんわけですよ!!」
すると今度は道子さんが怒って言い返した。
「それはこっちの非だし申し訳ないけどさ、臭いとか汚いとは何よ!」
「本当のことですよ! そしてそこの派手な女の人、捕獲した猫屋敷の猫たちはあんたが引き取るの?!」
婆さん2に突っ込まれた真琴さんは毅然と答えた。
「いえ、こちらでは引き取れません」
「だけどそれがあんたの仕事でしょうが!」
婆さん1がとんでもない発言をしたのを、「仕事じゃない、私はボランティアです」と真琴さんがぴしゃりとはね返した。ボランティアで無償で色々と協力してくれている真琴さんに、こんな酷いことを言い放つ婆さんの神経が知れなかった。これではどちらが非常識なのか分からなくなる。
「猫たちがこれ以上増えて迷惑をかけないように、避妊手術をします。それが終わって帰ってきたら、半数の猫は善二さんの家に行きます。が、問題は猫屋敷の猫たちです。もしも猫屋敷の方が自分の猫を引き取らないのでしたら、また野生に帰す形になります」
「そんなこと許せるもんか! あんたらが全部引き取りなさい! 後先考えず猫畜生どもに餌やりしやがって、こっちはストレスで不眠になったわ! 猫なんていなくなればいい! 責任を取れ馬鹿者!」
婆さん1が金切り声を上げたとき、遂に真琴さんの怒りが頂点に達した。
「無茶なことばっか言うんじゃねぇ!」
真琴さんの怒声に空気が凍りついた。長妻さんはさらに縮こまり「怖いよぉ~……」と半泣きだ。真琴さんは長妻さんを睨み、「お前も保健所職員のくせにめそめそしてんじゃねえぞ!」と喝を入れた。そのあと三羽烏に真っ直ぐ向き合った。
「お前ら自分の主張ばっかしてんじゃねぇぞ! 人の努力や地域猫のことを見守ることもしない、話を聞かない譲らない、手術のための捕獲は邪魔する……一番筋通してねぇのはお前らなんだよ!」
「そうよ、私らと猫たちばかり悪者にして……あんたたちが一番理不尽だわ!」
道子さんも加勢し、道子、善二、真琴VS 近隣住民のバトルが始まり、捕獲は完全に中断してしまった。カオスな状況に目が回りそうだった。何が正しくて誰が間違っているのかよりも、今自分の置かれている状況に胸が苦しくなった。
何をどう説明しても相手から理解をしてもらえない。責任をとろうと努めていることすら認めてもらえず、話を聞く姿勢すら見せず三人のお婆さんたちは自分の主張のみを繰り返している。善二さんが悪者にされているのも胸が痛いが、一番辛いのは猫たちが邪険にされ虐げられ憎まれていることだ。猫たちはただご飯をあげる人の家でご飯を食べ、生理的欲求のままにトイレをし、ありのままに生きているだけなのだ。それに対し殺すだとか、汚い、臭いだと言う権利は誰にもない。彼らが悪者になることが私は一番辛い。
真琴さんの言うことは一理もニ理もある。さすがプロだと納得していたら、婆さん2が息巻きだした。
「皆の問題と言いますけどね、私たちはここ数ヶ月間ずーっと大事な庭を猫たちにめちゃくちゃにされて、毎朝うんこを片付け土を取り替えてならしてもすぐに汚されて、臭いし汚いしもう我慢がならんわけですよ!!」
すると今度は道子さんが怒って言い返した。
「それはこっちの非だし申し訳ないけどさ、臭いとか汚いとは何よ!」
「本当のことですよ! そしてそこの派手な女の人、捕獲した猫屋敷の猫たちはあんたが引き取るの?!」
婆さん2に突っ込まれた真琴さんは毅然と答えた。
「いえ、こちらでは引き取れません」
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「猫たちがこれ以上増えて迷惑をかけないように、避妊手術をします。それが終わって帰ってきたら、半数の猫は善二さんの家に行きます。が、問題は猫屋敷の猫たちです。もしも猫屋敷の方が自分の猫を引き取らないのでしたら、また野生に帰す形になります」
「そんなこと許せるもんか! あんたらが全部引き取りなさい! 後先考えず猫畜生どもに餌やりしやがって、こっちはストレスで不眠になったわ! 猫なんていなくなればいい! 責任を取れ馬鹿者!」
婆さん1が金切り声を上げたとき、遂に真琴さんの怒りが頂点に達した。
「無茶なことばっか言うんじゃねぇ!」
真琴さんの怒声に空気が凍りついた。長妻さんはさらに縮こまり「怖いよぉ~……」と半泣きだ。真琴さんは長妻さんを睨み、「お前も保健所職員のくせにめそめそしてんじゃねえぞ!」と喝を入れた。そのあと三羽烏に真っ直ぐ向き合った。
「お前ら自分の主張ばっかしてんじゃねぇぞ! 人の努力や地域猫のことを見守ることもしない、話を聞かない譲らない、手術のための捕獲は邪魔する……一番筋通してねぇのはお前らなんだよ!」
「そうよ、私らと猫たちばかり悪者にして……あんたたちが一番理不尽だわ!」
道子さんも加勢し、道子、善二、真琴VS 近隣住民のバトルが始まり、捕獲は完全に中断してしまった。カオスな状況に目が回りそうだった。何が正しくて誰が間違っているのかよりも、今自分の置かれている状況に胸が苦しくなった。
何をどう説明しても相手から理解をしてもらえない。責任をとろうと努めていることすら認めてもらえず、話を聞く姿勢すら見せず三人のお婆さんたちは自分の主張のみを繰り返している。善二さんが悪者にされているのも胸が痛いが、一番辛いのは猫たちが邪険にされ虐げられ憎まれていることだ。猫たちはただご飯をあげる人の家でご飯を食べ、生理的欲求のままにトイレをし、ありのままに生きているだけなのだ。それに対し殺すだとか、汚い、臭いだと言う権利は誰にもない。彼らが悪者になることが私は一番辛い。
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