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第4章 第3の事件へ
22話 永瀬警部補の参戦
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母親の舩木梓乃からの通報を受けて捜索していた栄警察署の警察官らは、思いの外捜索が難航している為に、闇雲に捜索するのでは時間が無駄に経過するだけだと判断し、捜索会議を開いていた。何名もの警察官が話をしていた。
「皆さん、どう思われますか?この舩木ひろ子さんの失踪について」
「えぇ。直ぐに見つかると思ったのですがね」
「何か捜索情報を掴んだ者が居たら返事をしてくれ」
「はい。母親の梓乃から聞いた話によれば、捜索対象は、家庭教師が後ろ姿を目撃したらしい、との事です。さらに──」
「それは興味深い。で、その家庭教師の名前は?」
「せっかちですな! これから言う所でしたよ」
「すまん、続けてくれ」
「家庭教師の名前は守永成一。守永成一です」
「……守永成……一だと? まさか! あの、守永成一か?」
「あの……とは?」
「実は、守永成一は別件の二つの殺人事件に関わっている……らしい」
「……ん! なっ! おいおいおいおい。それが事実なら 守永成一はその二つの殺人事件に加えて、下手したらこのひろ子さんの失踪にまで関わっている事になるかも知れませんな! これが事件なら……三つの事件に関わっている事に」
「待て、早まるな! このひろ子さんの失踪がまだ事件とは決まってないぞ!」
「そうでした! 早計でしたね。で、その二つ……の事件とやらを知りたいモノですな」
「良いだろう」
こうして、母親の梓乃が必死に探して掴んだ目撃情報が、ひろ子の捜索に時間を割く何名もの警察官の間で共有された。
「二つの事件と今回の失踪が関係しているかもしれない。担当の警部補を呼ぼう」
二つの殺人事件の担当の永瀬警部補がひろ子捜索会議に呼ばれて捜索チームに加わる事になった。
「──私からは、別件の殺人事件については以上です。尚、この二つの殺人事件と第一発見者の守永成一との関係性は調査中です。偶然にしては出来すぎていますので怪しい所ですが、現状怪しいとは言えない所です」
「なるほど」
「えぇ。別件にはなりますが、この二つの殺人事件に関して、守永成一が犯人だとするだけの決定打となる具体的な動機等について、被害者と守永成一との人間関係を洗うと、彼が犯人だとする線はあり得な……って、申し訳ありません。今しがた、鑑識から第二殺人事件の情報について幾つか判明した、との事! 一旦離席します」
「わざわざお忙しい所を御呼び立てして申し訳ありませんでした」
「いえいえ、では、私はこれにて」
「皆さん、どう思われますか?この舩木ひろ子さんの失踪について」
「えぇ。直ぐに見つかると思ったのですがね」
「何か捜索情報を掴んだ者が居たら返事をしてくれ」
「はい。母親の梓乃から聞いた話によれば、捜索対象は、家庭教師が後ろ姿を目撃したらしい、との事です。さらに──」
「それは興味深い。で、その家庭教師の名前は?」
「せっかちですな! これから言う所でしたよ」
「すまん、続けてくれ」
「家庭教師の名前は守永成一。守永成一です」
「……守永成……一だと? まさか! あの、守永成一か?」
「あの……とは?」
「実は、守永成一は別件の二つの殺人事件に関わっている……らしい」
「……ん! なっ! おいおいおいおい。それが事実なら 守永成一はその二つの殺人事件に加えて、下手したらこのひろ子さんの失踪にまで関わっている事になるかも知れませんな! これが事件なら……三つの事件に関わっている事に」
「待て、早まるな! このひろ子さんの失踪がまだ事件とは決まってないぞ!」
「そうでした! 早計でしたね。で、その二つ……の事件とやらを知りたいモノですな」
「良いだろう」
こうして、母親の梓乃が必死に探して掴んだ目撃情報が、ひろ子の捜索に時間を割く何名もの警察官の間で共有された。
「二つの事件と今回の失踪が関係しているかもしれない。担当の警部補を呼ぼう」
二つの殺人事件の担当の永瀬警部補がひろ子捜索会議に呼ばれて捜索チームに加わる事になった。
「──私からは、別件の殺人事件については以上です。尚、この二つの殺人事件と第一発見者の守永成一との関係性は調査中です。偶然にしては出来すぎていますので怪しい所ですが、現状怪しいとは言えない所です」
「なるほど」
「えぇ。別件にはなりますが、この二つの殺人事件に関して、守永成一が犯人だとするだけの決定打となる具体的な動機等について、被害者と守永成一との人間関係を洗うと、彼が犯人だとする線はあり得な……って、申し訳ありません。今しがた、鑑識から第二殺人事件の情報について幾つか判明した、との事! 一旦離席します」
「わざわざお忙しい所を御呼び立てして申し訳ありませんでした」
「いえいえ、では、私はこれにて」
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