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第一章 SchoolGirl. MagicalGirl.
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その翌日。今日もいつも通り、学校指定の、特に変わったところもない、ごくごく普通のブレザー、スカートを身につけたわたしは、風見つばめと待ち合わせをして学校へと向かう。
彼女とは通学路が同じなので当然、行きもいつも一緒だ。朝に待ち合わせをして、一緒に登校するというルーティーンが、小学校の頃からずっと続いているというのも、凄い事だなと思う。
中学二年生のわたしたちは、再来年には高校生になる訳で、その時はどうなっているかは分からないが……なんだかんだで、高校へ上がっても続いていそうな気もする。『できれば同じ高校に行きたいね~』、なんて話もしているくらいだし……
魔法少女としての仕事は大変だが、それでも学業、家の手伝い、友達付き合いなんかと兼ねて、続けていられるのは……魔法少女に変身している間は時間がほぼ止まっているようなものである、というのが大きいだろう。
どれだけ魔法少女として頑張ったとしても、変身を解いた後の休める時間が削られていないのが救いであって、これが睡眠時間や自由時間まで削って魔法少女の仕事をこなしているとなると、特別体力があるわけでもないわたしではとっくに限界を迎えているはずだ。
そんなわたしはいつもと同じように、待ち合わせしているつばめを自分の家の前で待っていて、彼女はやはりいつも通り、向こうの道から歩いてきたのだが……
歩いてくる彼女の様子が、どこかおかしい。
普段なら、わたしを見るやいなや、すぐさまこちらに走り出して、おはようの挨拶がわりに飛び込んでくる彼女が――今日はそんな様子がない。それどころか、いつもの元気さも失くしていて――歩くその足取りが、とてもずっしりと、重たいようにも感じる。
とぼとぼと歩いて、ゆっくりと近づいてきた彼女に、わたしは声を掛けた。
「おはよう。……どうしたの、つばめちゃん。なんだか、元気がないような……」
そんなわたしの声に、彼女は。
「おはよう、こむぎ。……ううん、なんでもないから、気にしなくて大丈夫だよ」
無理やり作ったような、ぎこちない笑顔をこちらに向け……いつもの明るい口調とは一変して、どんよりとしたような、暗い雰囲気を醸し出しながら言う。
周りに漂うそのオーラを、目に見える色で例えるならば――黒とか紫とか、そんな感じの色だった。
そんなつばめを見てわたしは、絶対なにかあったんだろうなと確信した。これ以上、聞かずとも分かる。彼女は無理をしているんだ、ということに。……しかし。
「なんでもあるよ……? 聞いちゃまずいことだったらあれだけど、もし辛かったらいつでも相談してね?」
「……うん。ありがとう、こむぎ。でも、アタシは本当に大丈夫だから」
誰にだって、話したくないことくらいあるだろうと思い……わたしはそれだけ言って、これ以上色々と聞くのはやめておくことにした。
誰であっても。たとえ、いつも元気いっぱいで明るい性格の、風見つばめであっても。時には落ち込むことだってあるだろう。気分が乗らない日だってあるかもしれない。
もし自分がそんな状態で、しつこく問い詰められたりなんてしたら……嫌だなあ、と思う。だから、今はひとまず、そっとしておくことにした。
彼女とは通学路が同じなので当然、行きもいつも一緒だ。朝に待ち合わせをして、一緒に登校するというルーティーンが、小学校の頃からずっと続いているというのも、凄い事だなと思う。
中学二年生のわたしたちは、再来年には高校生になる訳で、その時はどうなっているかは分からないが……なんだかんだで、高校へ上がっても続いていそうな気もする。『できれば同じ高校に行きたいね~』、なんて話もしているくらいだし……
魔法少女としての仕事は大変だが、それでも学業、家の手伝い、友達付き合いなんかと兼ねて、続けていられるのは……魔法少女に変身している間は時間がほぼ止まっているようなものである、というのが大きいだろう。
どれだけ魔法少女として頑張ったとしても、変身を解いた後の休める時間が削られていないのが救いであって、これが睡眠時間や自由時間まで削って魔法少女の仕事をこなしているとなると、特別体力があるわけでもないわたしではとっくに限界を迎えているはずだ。
そんなわたしはいつもと同じように、待ち合わせしているつばめを自分の家の前で待っていて、彼女はやはりいつも通り、向こうの道から歩いてきたのだが……
歩いてくる彼女の様子が、どこかおかしい。
普段なら、わたしを見るやいなや、すぐさまこちらに走り出して、おはようの挨拶がわりに飛び込んでくる彼女が――今日はそんな様子がない。それどころか、いつもの元気さも失くしていて――歩くその足取りが、とてもずっしりと、重たいようにも感じる。
とぼとぼと歩いて、ゆっくりと近づいてきた彼女に、わたしは声を掛けた。
「おはよう。……どうしたの、つばめちゃん。なんだか、元気がないような……」
そんなわたしの声に、彼女は。
「おはよう、こむぎ。……ううん、なんでもないから、気にしなくて大丈夫だよ」
無理やり作ったような、ぎこちない笑顔をこちらに向け……いつもの明るい口調とは一変して、どんよりとしたような、暗い雰囲気を醸し出しながら言う。
周りに漂うそのオーラを、目に見える色で例えるならば――黒とか紫とか、そんな感じの色だった。
そんなつばめを見てわたしは、絶対なにかあったんだろうなと確信した。これ以上、聞かずとも分かる。彼女は無理をしているんだ、ということに。……しかし。
「なんでもあるよ……? 聞いちゃまずいことだったらあれだけど、もし辛かったらいつでも相談してね?」
「……うん。ありがとう、こむぎ。でも、アタシは本当に大丈夫だから」
誰にだって、話したくないことくらいあるだろうと思い……わたしはそれだけ言って、これ以上色々と聞くのはやめておくことにした。
誰であっても。たとえ、いつも元気いっぱいで明るい性格の、風見つばめであっても。時には落ち込むことだってあるだろう。気分が乗らない日だってあるかもしれない。
もし自分がそんな状態で、しつこく問い詰められたりなんてしたら……嫌だなあ、と思う。だから、今はひとまず、そっとしておくことにした。
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