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第三章 Fifty-Fifty. Despair of Whale.
7.
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八坂さんが『チャージ』と呼んでいたそれは、元々はネガエネミーが持っていたコアのエネルギーを、自身の魔力へと変換して強化するという、危険な行為。
ただし、その分得られる力も強く……そのおかげか、普段よりも身体が軽く感じるし、力もみなぎってくる。今なら、さっきとは比べ物にならないほどに強力な魔法が放てるような気もする。
しかし、同時に。自分の物ではないこの力に、恐ろしさも感じてしまう。
今のように、完全に追い詰められてしまった状況を打破できる、魔法少女として最後の切り札を切ったわたしたちは、あの大きなネガエネミーを倒すべく――再び立ち上がる。
「朝野さん。もう一度、あのコッペパンを出してくれるかしら? あれなら、咆哮で止められる事も無いし、飲み込んでくれるはず。その影に隠れて、中へ潜り込みましょう」
「任せてくださいっ!」
わたしは目を閉じ、ゆっくりと口を開き――
『――Deliele Ga Full Flowa【BREAD】――Convert――』
再び詠唱を行う。それに呼応するように――目の前に、さっきは丸呑みされてしまった、大きなコッペパンを再び焼き上げる。
さっきと同じように、あのクジラも大きな口を開けて飲み込んでくれるはず。それと共に、中へと潜り込み、コアを破壊するという算段だ。
八坂さんに聞いた話によれば、いくら『都市伝説』だろうと、それを支えているのは普通のネガエネミーと同じくたった一つのコアだけ。普通のネガエネミーに比べれば莫大なエネルギーを宿していて、強固であろうそのコアも、それを覆う身体に比べれば弱点であることには変わりない。
わたしは上げた手を勢いよく振り下ろし――同時、空から巨大なコッペパンが、再び黒いクジラの大きな口元に向けて放たれる。
――ゴオオオオオオオオオオォォォォォォォォォッ!!
唸るような轟音と共に、落ちていくコッペパンは――さっきよりも更に速く、勢いよく向かっていき――
「……今です! 行きましょうっ!」
わたしの合図と共に、八坂さんも後に続き――落下するコッペパンの、その影へと隠れる。あとは中へと潜り込み、ネガエネミーの動力源であるコアを破壊するだけ……のはずだった。
黒く大きなネガエネミーの、その口が開き――二人は成功を確信した――その瞬間。
――ギュウウウウウウウウウウウウウッ!!
パンが落ちる音でも、咆哮でもない……別の激しい音と共に――わたしたちは、そのまま訳も分からず撃ち落とされた。
影に隠れていた分、こちらからも――相手が何をしてきたのか、分からなかった。
わたしは右肩に何かを受けてしまい、骨を木槌で思いっきり砕かれたような、激しい痛みに襲われる。あまりに突然の出来事で、叫び声さえも出なかった。
わたしたちはそのまま、地上へと落ちていき――最後、『白い光線』が、真下に広がる森を抉り散らかす光景を最後に、そのまま意識を失ってしまう。
ただし、その分得られる力も強く……そのおかげか、普段よりも身体が軽く感じるし、力もみなぎってくる。今なら、さっきとは比べ物にならないほどに強力な魔法が放てるような気もする。
しかし、同時に。自分の物ではないこの力に、恐ろしさも感じてしまう。
今のように、完全に追い詰められてしまった状況を打破できる、魔法少女として最後の切り札を切ったわたしたちは、あの大きなネガエネミーを倒すべく――再び立ち上がる。
「朝野さん。もう一度、あのコッペパンを出してくれるかしら? あれなら、咆哮で止められる事も無いし、飲み込んでくれるはず。その影に隠れて、中へ潜り込みましょう」
「任せてくださいっ!」
わたしは目を閉じ、ゆっくりと口を開き――
『――Deliele Ga Full Flowa【BREAD】――Convert――』
再び詠唱を行う。それに呼応するように――目の前に、さっきは丸呑みされてしまった、大きなコッペパンを再び焼き上げる。
さっきと同じように、あのクジラも大きな口を開けて飲み込んでくれるはず。それと共に、中へと潜り込み、コアを破壊するという算段だ。
八坂さんに聞いた話によれば、いくら『都市伝説』だろうと、それを支えているのは普通のネガエネミーと同じくたった一つのコアだけ。普通のネガエネミーに比べれば莫大なエネルギーを宿していて、強固であろうそのコアも、それを覆う身体に比べれば弱点であることには変わりない。
わたしは上げた手を勢いよく振り下ろし――同時、空から巨大なコッペパンが、再び黒いクジラの大きな口元に向けて放たれる。
――ゴオオオオオオオオオオォォォォォォォォォッ!!
唸るような轟音と共に、落ちていくコッペパンは――さっきよりも更に速く、勢いよく向かっていき――
「……今です! 行きましょうっ!」
わたしの合図と共に、八坂さんも後に続き――落下するコッペパンの、その影へと隠れる。あとは中へと潜り込み、ネガエネミーの動力源であるコアを破壊するだけ……のはずだった。
黒く大きなネガエネミーの、その口が開き――二人は成功を確信した――その瞬間。
――ギュウウウウウウウウウウウウウッ!!
パンが落ちる音でも、咆哮でもない……別の激しい音と共に――わたしたちは、そのまま訳も分からず撃ち落とされた。
影に隠れていた分、こちらからも――相手が何をしてきたのか、分からなかった。
わたしは右肩に何かを受けてしまい、骨を木槌で思いっきり砕かれたような、激しい痛みに襲われる。あまりに突然の出来事で、叫び声さえも出なかった。
わたしたちはそのまま、地上へと落ちていき――最後、『白い光線』が、真下に広がる森を抉り散らかす光景を最後に、そのまま意識を失ってしまう。
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