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第四章 No.1459_CHANDELIER.
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わたしは当たれば、どんなものでも破壊してしまうほどに、長く硬質化したフランスパンを。
八坂さんは無数に、瞬時に生み出せるようになったガラス瓶の群れを。
氷乃さんは、規格外とさえ感じる、この世の法則さえ捻じ曲げてしまうほどに馬鹿げた法則さえ適用できる標識を。
『チャージ』したエネルギーと、わたしの焼き上げたパンで、まるで別物のように強化された各々の固有魔法を武器に、わたしたちの身を隠していた大きな食パンの影から――バッ!! と飛び出す。
まず動いたのは八坂さんだった。
「発射――ッ!!」
その叫びと共に、パパパパパパパパパッ!! と、瞬時にガラス瓶を生み出しては、次々と撃ち込んでいく。
対するシャンデリアの上に立つ、虹色の身体に変容した魔法少女、黒咲稀癒は……それらに視線を合わせるだけで――ガシャガシャガシャガシャンッ! 見えない銃弾で撃ち抜いていくかのように、その全てを粉砕していく。
その横には――紅白の丸い標識の中心に、『999』――そう書かれた標識がいつの間にか、浮かび上がっていた。
そして、シャンデリアの上へと立つ彼女がそれに気づいた頃には――拳が迫っていた。最高速度999キロの、音速にも近いその一撃。
見えるはずのないその攻撃を、大量のエネルギーを取り込んで、人間離れしてしまった彼女は――空いていた左手で軽々と。パチンッ! と受け止める。氷乃さんの放った渾身の一撃さえも、通らない。
――そして、わたしは――さらに強化されたその身体能力を活かして、シャンデリアの後方へと回り込む。
そして、段状になっているそのシャンデリアの、最下段に一度着地し、全力で蹴り上げ――ゴウウッ!! 風を押しのけるように一気に飛び上がり、右手に持つ硬いフランスパンを構える。――そしてッ!
氷乃さんの拳を受け止め、塞がっている左手。その上方、肩へと向けて、わたしの渾身の一撃をぶち込むッ!!
「はああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
空いている右手は、すぐには届かない。これなら当たるはず。
ひと思いに振り下ろしたそのフランスパンには――なんの感触もなかった。
そう。彼女は――初めてそのシャンデリアを降り、回避行動を取ったのだった。
「――そんなっ!」
『今の私は世界さえも壊す事が出来る――魔法少女を超え、まさに神の領域へと足を踏み入れた。貴方達が魔法少女である限り、私を倒す事は出来ないッ!』
落ち着きと激昂……相反する二つの感情が入り乱れる声色で、そう叫ぶ。
自らを神であると、そう言った彼女は――確かに、世界を壊すような大災害をも振り撒くことだって出来るかもしれない。……でも。
「神――そう来ましたか。では、私達は『神殺し』になりましょう。……人間が神を殺すというお話だって、決して珍しい物ではありませんので」
それでも。私たちの戦う相手が例え、神にさえ匹敵するものだったとしても、やるべき事は変わらない。もしこの国を、世界を、壊そうとするならば――唯一対抗できる『魔法少女』であるわたしたちで、食い止めるだけ。
それも、個人の一感情だけで、関係のない大勢の人々を巻き込むなんて、そんなこと……させる訳にはいかない。
「はあッ! はああぁッ!! はああああああぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
わたしは、一度はその攻撃を避けた彼女へと向けて、何度も。この腕に力が残る限り、その右手のフランスパンを振り続ける。
対する、虹色に光り輝く彼女は、それらを軽々と避ける。追いかけ、避けられ、また追いかけ――その繰り返しの中――
「――貰ったわッ!」
八坂さんの声と共に――彼女の頭上から。割れたガラス瓶から激しく燃え上がる炎がそのまま落ちていく。
彼女はまるで、流れ作業のように彼女が際限なく、止まることなく放たれ続けるガラス瓶を、触れる事さえなく破り続けていた。……それが仇となったのだろう。
流れ作業ではないものに対して、彼女は流れ作業のまま――たった一つ。八坂さんが頭上を掠め、意図的に外すように放った『火炎瓶』も割ってしまった。
衝撃を与え、その場で燃え上がり――それが、彼女の頭上へと降り注ぐ。
ゴウッ!! と、勢いを増した炎は、虹色に光る彼女さえも包み込む。彼女はその炎に見向きする事もなく、受け入れた。
一度は炎に包み込まれた彼女だったが、その炎はみるみるうちに弱まっていき――たやすく消されてしまった。
余裕の表情を浮かべ、炎の中から再び現れた彼女は、その圧倒的な力を突きつけるように。
『まさかとは思うけど……この私に、この程度の攻撃で。王手を掛けた――だなんて、思ってないわよね?』
そう返された八坂さんの顔には――笑みが浮かんでいた。
「ええ、思ってるわよ。――今も」
その瞬間。余裕に満ち溢れる彼女の背後から――バシイイイイイイィィィィィィィィッ!!
最高速度、『999キロ』。音速にも近いその拳が放たれるッ!
『何――ッ!?』
簡単な話。彼女が炎に包まれ、視界が遮られていた僅かな時間に、氷乃さんが背後に回り込み――その拳を放つ準備をしていただけ。
そして、八坂さんも。わざと彼女の注意を引くように『――貰ったわッ!』そう吐き捨てた。これが渾身の一撃であるかのように、見せかけた。
いくら神に等しいような力があったとしても、それを使うのは結局のところ、魔法少女――つまり、ただの人間だ。
しかし、背後を取られた彼女も――何とか、その攻撃に気付き、両手で何とか押さえ込む。
まさに間一髪の所で、止められてしまった。が、彼女の顔には初めて『焦り』の感情が浮かんでいた。
その一連の流れを見ていたわたしは、これが同じ街で、共に戦う魔法少女のコンビネーションなんだと納得した。
……そして、今は――それにわたしも加わらないといけない。両手を使い、氷乃さんの拳を受け止める彼女になら。
……わたしの攻撃が当てられるはず。
「はああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
わたしは、迷わず――両手で持つフランスパンを、一気に振り下ろすッ!!
全身全霊を込めたその一撃は、虹色になった魔法少女、黒咲稀癒をそのまま、真下に広がる硬い道路へと突き落とし、身体に激しい衝撃によって、真下の道路には巨大なヒビが入る。
「……やった、かしら?」
「いえ、まだのようです」
……しかし。それほどのダメージを与えても尚、彼女は――今の衝撃で多少のエネルギーが抜けたのか、少しだけ濁りを見せた虹色の――それでもまだ光り輝く、その身体を立ち上がらせた。
『あは、あはは、アハハハハハッ、いけないわ、完全に油断した……ふふ、分かった。分かったわよ。貴様らを全力で殺す。本気で殺さないと――本当に私が神の座から降ろされかねないわ。あは、あははははははははははははははッ!!』
狂ったような笑いと共に――彼女は再び飛び上がり、一瞬の隙さえ見せず、一言。
『――爆ぜなさい』
直後。わたしたち三人の後方へ浮かんでいた、大きなシャンデリアが――ゴオオオオオオオオオオォォォォォォォォッ!! 激しい音と共に、大爆発が巻き起こる。
八坂さんは無数に、瞬時に生み出せるようになったガラス瓶の群れを。
氷乃さんは、規格外とさえ感じる、この世の法則さえ捻じ曲げてしまうほどに馬鹿げた法則さえ適用できる標識を。
『チャージ』したエネルギーと、わたしの焼き上げたパンで、まるで別物のように強化された各々の固有魔法を武器に、わたしたちの身を隠していた大きな食パンの影から――バッ!! と飛び出す。
まず動いたのは八坂さんだった。
「発射――ッ!!」
その叫びと共に、パパパパパパパパパッ!! と、瞬時にガラス瓶を生み出しては、次々と撃ち込んでいく。
対するシャンデリアの上に立つ、虹色の身体に変容した魔法少女、黒咲稀癒は……それらに視線を合わせるだけで――ガシャガシャガシャガシャンッ! 見えない銃弾で撃ち抜いていくかのように、その全てを粉砕していく。
その横には――紅白の丸い標識の中心に、『999』――そう書かれた標識がいつの間にか、浮かび上がっていた。
そして、シャンデリアの上へと立つ彼女がそれに気づいた頃には――拳が迫っていた。最高速度999キロの、音速にも近いその一撃。
見えるはずのないその攻撃を、大量のエネルギーを取り込んで、人間離れしてしまった彼女は――空いていた左手で軽々と。パチンッ! と受け止める。氷乃さんの放った渾身の一撃さえも、通らない。
――そして、わたしは――さらに強化されたその身体能力を活かして、シャンデリアの後方へと回り込む。
そして、段状になっているそのシャンデリアの、最下段に一度着地し、全力で蹴り上げ――ゴウウッ!! 風を押しのけるように一気に飛び上がり、右手に持つ硬いフランスパンを構える。――そしてッ!
氷乃さんの拳を受け止め、塞がっている左手。その上方、肩へと向けて、わたしの渾身の一撃をぶち込むッ!!
「はああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
空いている右手は、すぐには届かない。これなら当たるはず。
ひと思いに振り下ろしたそのフランスパンには――なんの感触もなかった。
そう。彼女は――初めてそのシャンデリアを降り、回避行動を取ったのだった。
「――そんなっ!」
『今の私は世界さえも壊す事が出来る――魔法少女を超え、まさに神の領域へと足を踏み入れた。貴方達が魔法少女である限り、私を倒す事は出来ないッ!』
落ち着きと激昂……相反する二つの感情が入り乱れる声色で、そう叫ぶ。
自らを神であると、そう言った彼女は――確かに、世界を壊すような大災害をも振り撒くことだって出来るかもしれない。……でも。
「神――そう来ましたか。では、私達は『神殺し』になりましょう。……人間が神を殺すというお話だって、決して珍しい物ではありませんので」
それでも。私たちの戦う相手が例え、神にさえ匹敵するものだったとしても、やるべき事は変わらない。もしこの国を、世界を、壊そうとするならば――唯一対抗できる『魔法少女』であるわたしたちで、食い止めるだけ。
それも、個人の一感情だけで、関係のない大勢の人々を巻き込むなんて、そんなこと……させる訳にはいかない。
「はあッ! はああぁッ!! はああああああぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
わたしは、一度はその攻撃を避けた彼女へと向けて、何度も。この腕に力が残る限り、その右手のフランスパンを振り続ける。
対する、虹色に光り輝く彼女は、それらを軽々と避ける。追いかけ、避けられ、また追いかけ――その繰り返しの中――
「――貰ったわッ!」
八坂さんの声と共に――彼女の頭上から。割れたガラス瓶から激しく燃え上がる炎がそのまま落ちていく。
彼女はまるで、流れ作業のように彼女が際限なく、止まることなく放たれ続けるガラス瓶を、触れる事さえなく破り続けていた。……それが仇となったのだろう。
流れ作業ではないものに対して、彼女は流れ作業のまま――たった一つ。八坂さんが頭上を掠め、意図的に外すように放った『火炎瓶』も割ってしまった。
衝撃を与え、その場で燃え上がり――それが、彼女の頭上へと降り注ぐ。
ゴウッ!! と、勢いを増した炎は、虹色に光る彼女さえも包み込む。彼女はその炎に見向きする事もなく、受け入れた。
一度は炎に包み込まれた彼女だったが、その炎はみるみるうちに弱まっていき――たやすく消されてしまった。
余裕の表情を浮かべ、炎の中から再び現れた彼女は、その圧倒的な力を突きつけるように。
『まさかとは思うけど……この私に、この程度の攻撃で。王手を掛けた――だなんて、思ってないわよね?』
そう返された八坂さんの顔には――笑みが浮かんでいた。
「ええ、思ってるわよ。――今も」
その瞬間。余裕に満ち溢れる彼女の背後から――バシイイイイイイィィィィィィィィッ!!
最高速度、『999キロ』。音速にも近いその拳が放たれるッ!
『何――ッ!?』
簡単な話。彼女が炎に包まれ、視界が遮られていた僅かな時間に、氷乃さんが背後に回り込み――その拳を放つ準備をしていただけ。
そして、八坂さんも。わざと彼女の注意を引くように『――貰ったわッ!』そう吐き捨てた。これが渾身の一撃であるかのように、見せかけた。
いくら神に等しいような力があったとしても、それを使うのは結局のところ、魔法少女――つまり、ただの人間だ。
しかし、背後を取られた彼女も――何とか、その攻撃に気付き、両手で何とか押さえ込む。
まさに間一髪の所で、止められてしまった。が、彼女の顔には初めて『焦り』の感情が浮かんでいた。
その一連の流れを見ていたわたしは、これが同じ街で、共に戦う魔法少女のコンビネーションなんだと納得した。
……そして、今は――それにわたしも加わらないといけない。両手を使い、氷乃さんの拳を受け止める彼女になら。
……わたしの攻撃が当てられるはず。
「はああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
わたしは、迷わず――両手で持つフランスパンを、一気に振り下ろすッ!!
全身全霊を込めたその一撃は、虹色になった魔法少女、黒咲稀癒をそのまま、真下に広がる硬い道路へと突き落とし、身体に激しい衝撃によって、真下の道路には巨大なヒビが入る。
「……やった、かしら?」
「いえ、まだのようです」
……しかし。それほどのダメージを与えても尚、彼女は――今の衝撃で多少のエネルギーが抜けたのか、少しだけ濁りを見せた虹色の――それでもまだ光り輝く、その身体を立ち上がらせた。
『あは、あはは、アハハハハハッ、いけないわ、完全に油断した……ふふ、分かった。分かったわよ。貴様らを全力で殺す。本気で殺さないと――本当に私が神の座から降ろされかねないわ。あは、あははははははははははははははッ!!』
狂ったような笑いと共に――彼女は再び飛び上がり、一瞬の隙さえ見せず、一言。
『――爆ぜなさい』
直後。わたしたち三人の後方へ浮かんでいた、大きなシャンデリアが――ゴオオオオオオオオオオォォォォォォォォッ!! 激しい音と共に、大爆発が巻き起こる。
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