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しおりを挟むを出てから約1年がたつ。
こっちの生活にも慣れてきたし、アラス叔父様『ニテイリア・アラス』もマリーネ叔母様『ニテイリア・マリーネ』も、従弟『ニテイリア・キトラス』も優しい。
なのにいっつもお姉さまのことばかり考えてしまう。
今日も朝から本を読んではエミお姉様のことばかり考えていた。
コンコンコン
「ミリさん。入ってもいい?」
二歳年下の従弟、キト(愛称)が入ってきた。
「どうしたの?」
ひょっこりとドアから顔を出すキトを見た。
キトは、満面の笑みを向けながら、私の元へと向かってきた。
「ミリさん!一緒に稽古しない?!
体動かすの楽しいよ!!」
こんな小さな子にまで私は気を使わせてしまっているのか…。
そう思うと申し訳なくなってくる。
・・・。
体を動かすか…。
前世では結構やってたなぁ~と思いだす。
体を動かせば少しくらい気分もよくなるだろう。
私がコクリと頷いたのを見て、心配そうにこちらを見ていたキトがまた満面の笑みを見せた。
「早くいこ!!」
そう言って、私の手をキトが引っ張った。
久しぶりに廊下を走った。
1年しかたってないのにすっごく懐かしい。
お姉さまとの日々を思い出す。
途中からはキトを私が引っ張る感じで、剣の練習場まで走ってしまった。
ゼーハーと荒い息を吐くキトを見て、いたずらっぽく笑って見せた。
1年たったけど、まだまだ体力はあるらしい。
「ミリさん…足…速すぎ…。」
息を切らしながらそう言うキトよりも、私は目の前に立っているでっかいおじさんに目を奪われた。
「デ…デケー。」
私の4倍あるんじゃないかと思うほどの筋肉質の叔父さん…。
首を見上げないと顔が見えないくらいだ。
「おや、小さなお嬢さん、こんにちは。」
そう行って体の大きさに合わない人懐っこい顔で笑った。
固まる私の代わりにキトが紹介してくれた。
「こんにちは、ベリブ団長。
この子は僕の従姉のミリシェリア嬢だよ!」
その紹介に合わせて、固まってしまった顔の筋肉を総動員させて淑女の礼をとった。
そしたら、気とは自慢げに私を見ながら、ベリブ団長の紹介をしてくれた。
「この大きな人がね、僕の稽古をしてくれてるベリブ団長だよ!
王宮騎士の団長さんなんだけどね、休日だけ稽古してくれるんだ!」
そう言って自慢げにいうキトに少し笑みを漏らす。
そんなやりとりをしている私達を見て、ベリブ団長が私達と視線が合うようにしゃがんだ。
「それより、キト、お前なんで令嬢に走りで負けてるんだ?」
さっき私達が走ってきたのを見ていたのか、ベリブ団長が笑いながら聞いてきた。
「それがね、ミリさんすっごい足が速いの!!」
そういうキトから目を離し、私を疑う目で見てきた。
気に食わん。
「疑っていますね?
では、勝負をしませんか?」
そう言った私に驚いて目を見開いたものの、すぐにニヤリと笑った。
「気の強い令嬢だな。」
そう言ってワッハッハと笑った。
何できそうか...。
おっ!
「では、この大木の一番下の枝に先に触れたほうが勝ち。もし私が負けたら私は騎士の道へとこれからの生涯を捧げるわ。その代わり、もしあなたが負けたら私の稽古もしてくださいね。」
そう言ってベリブ団長を見ると、いまにも顎が取れそうなくらいに口が開かれていた。
まぁ、普通そんな反応するよね。
『女性が騎士になる=女をやめる』
って意味があるからだ。
「マジで言ってんのか?」
金魚のような口パクパクから解放した口でベリブ団長が言った。
「もちろんです。
ハンデは無し。
では、始めますよ?」
そう言い、キトに目配せすると、困ったような顔をしながら頷いた。
「よーい...スタート‼️」
そう言った気との声と同時に私は木の枝の上に座っていた。
「なっ!!」
そう言って200mくらいの所で木にしがみついていた。
私は400mくらいの木の枝からキトの隣にスタっと降りた。
スタット降りた。
うん。
目をキラキラさせて私を見るキトに親指を立ててぐっとポーズをした。
「ミリさんすごいよ!!すごすぎるよ!!」
そう言って自分のことのように喜ぶキトとすっごい落ち込むベリブ団長を比較して、少し吹き出してしまった…。
1年早いですね~
何とか叔父様、叔母様、従弟の名前を考えられました!!ww
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