ハズレスキル【すり抜け】を極めたら世界最強のチート能力に覚醒しました〜今更帰って来いと言われても、あの時俺を役立たずとして捨てましたよね?〜

玖遠紅音

文字の大きさ
1 / 22
プロローグ

1話 ピックアップのハズレの方

しおりを挟む
 スキル鑑定の日。
 それはこの世界に生まれた子供たちにとって、最も重要というべき大イベントだ。
 何故ならば、今日の日に示された己のスキルが強く優秀なものであれば明るい将来が約束され、逆に弱く実用性がないものを引いてしまえば、その時点で未来への道が大きく制限されることになるのだから。

 そしてつい先日、7歳の誕生日を迎えた俺――ヴェルマーク・ヴィン・アストールは、ついに本家からお呼びがかかって、20人近い兄弟・・と共にスキル鑑定の会場へと向かっているところである。

「なあ、これからぼくたち何をするんだー?」

「そうだよ! そろそろおしえてよー!」

「行けば分かります。静かにしていてください」

 ……だというのに、ここにいる兄弟たちは、これから行われることを何一つ知らない。
 みな口々に疑問の言葉を投げかけているが、執事服を身にまとった案内役の男たちは何も答えず、ただ黙るよう促すだけだ。
 それもそのはず。彼らは何も教えられていないのだから。

 ――じゃあ何故俺だけが知っているのかって?
 それは俺が、地球で死んでこの身に生まれ変わった転生者・・・だからだ。
 っと、それを語る前に着いちまったか。

「旦那様。お連れ致しました」

「うむ、入れ」

 まともに入るのは初めてな本家の屋敷。
 俺たちが過ごしていた別館とは全く違う、見るからに高級そうな調度品がこれでもかと並べられた豪邸だ。
 だがその美術品たちを鑑賞する暇すらもらえず、ただまっすぐと廊下を進み、その奥にある大扉の先へ進むように促された。

 そこにいたのは我らがアストール侯爵家現当主、ラマセリ・ヴィン・アストールその人だ。
 見た目は初老のおじさんといったところだが、腕を組みながらこちらを見定めるような鋭い目つきからは、言葉にできない気迫を感じる。
 そしてその周りには神妙な面持ちで俺たちに視線を向ける老若男女10人ほどがいた。

「よくぞ来た我が子たちよ。今日の日を待ちわびていたぞ」

 ラマセリはそう派手に両腕を広げて、怒っているんだか笑っているんだか良く分からない表情で俺たちを迎え入れた。
 ただ何となく機嫌が良さそうというのは雰囲気で伝わってくる。

 一方の兄弟たちはというと、きょとんと言った表情であたりを見渡していた。
 さっきラマセリが言った通り、ここにいる20人近い兄弟たちは、飯を共にした比喩的な意味での兄弟という訳ではなく本当の意味で兄弟なのだが、俺を含めて実父のラマセリと対面するのは初めてなのだ。
 俺は以前こっそり忍び込んだ時、一方的に顔を見ていたのでそこまで驚きはない。
 だが、兄弟たちは7~8年間一度も顔を見たことがないおっさんに、よく来た我が子よと言われても困るのは当然といえよう。

「さて、説明は後だ。とりあえず始めろ」

「はっ、承知いたしました」

「えっ、ええっ!?」

「――うっ!?」

 俺たちが困惑して暴れ出す前に、と言わんばかりに、あっという間に2グループに分けられ、魔法陣のようなものの上に纏めて乗せられた。
 そして俺たちを囲むように立つ五人の魔法使い(?)たちが一斉に良く分からない呪文を唱え始める。
 すると足下にうっすらと描かれていた魔法陣から強烈な光が発生して、俺の視界が真っ白で埋め尽くされた。
 目がくっそ痛え。光らせるなら先に言えよなほんと。
 あとついでに兄弟ガキどもが大声で暴れて喚き出したので耳もすごく痛い。

 早く終わってくれ――そう思いながら耐えていたら、突如として俺の体が青白く輝きだした。
 えっ、なにこれは……

「おおおっ、これはっ! おい!」

「はっ、はいっ! これは……なんということだ……」

「あのSSSが本当に現れるとは……これは奇跡なのか……?」

「すぐに確認しろ! それと目障りなハズレ・・・どもはさっさと連れていけ! 邪魔だ!」

 なんだなんだ。ようやく光が薄くなってきたと思えば、周りの奴らが慌ただしく動き始めたぞ。
 周り見れば赤色だったり黄色だったりと別の色の光を纏っている奴もいるし、逆に光が完全に消えた奴らもいる。だがその中で、俺が纏う青白い光は圧倒的な光量を誇っていた。

 今までは知る手段がなかったから分からなかったけれど、聞く限り俺のスキルはSSS級。
 つまりこの世界における最強の能力を手に入れたということになる!
 これは勝ち組ルート貰ったぜ! 今日まで苦労した甲斐があった……

「え、ちょっ、なにをっ――」

「大人しくこちらへ来てください! 早く!」

「あっ、おい――」

 安堵と共に、今の状況がソシャゲのガチャ画面みたいだなーなんて気の抜けた感想を抱いたのもつかの間、俺の軽い体はあっという間に持ち上げられてラマセリの前へ引きずり出されてしまった。
 そして全く光っていない奴や光が弱かった奴は優先的に強引に部屋の外へと連れ出されているのが見えた。

「くっくっくっ、今日はなんという素晴らしい日だ! 今日という日を迎えられたことを神に感謝するぞ!!」

「……旦那様。恐れながら、SSSのどちらかはマイナス・・・・の……」

「そんなものは分かっておるわ阿呆めが!! 貴様、この年には2種類しか存在しないSSRスキルを引き当てたのだぞ? この私が! 偉大なるこのアストール家現当主ラマセリがハズレの方・・・・・を引くとでも言いたいのか!?」

「ひっ!! いえ、その、も、申し訳ございませんっ!!」

「……ふっ、まあ良い。許してやろう。今日の私はとても気分がいい。そして、おい貴様! 喜ぶがいい! 貴様の明るい将来は、今日この瞬間に約束される。貴様はこのアストール家の次世代を担う存在となれるのだ!!」

「は、はぁ……」

「む、なんだその覇気のない返事は。まあそれも鑑定すればわかること。さあ、まずは貴様の名を聞かせてくれ!」

「あ、えっと、ヴェルマーク・ヴィン・アストール、です」

「ふむ、ヴェルマークか。良い名だ。では我が子ヴェルマークよ。次は貴様の有するスキルの名を教えてもらおうか! はじめろ!」

「ちょっ、うおっ!?」

 気づけば俺の両サイドにはごつい男二人が並んでおり、俺の細く短い両手をつかむと、一瞬のうちに俺の両手首に管付きリストバンドのような装置を取り付けられた。
 そしてラマセリがその装置を操作すると、血圧計のようにリストバンドが俺の手首を締めあげてきた。

「う、あっ……」

「くく、恐れることはない。すぐに終わる。貴様はただ2分の1の賭けに勝つだけでいい。だがまあ、我が血を引く子ならば、もはやその心配すら杞憂に終わるだろうがな! はっはっはっ!!」

 や、やべえ。すっごく嫌な予感がするんだが??
 この状況で、俺が凄まじい期待という名のプレッシャーをかけられているのは流石に分かる。
 だけど俺は2分の1に勝てばいい、という不穏な単語を耳にして、冷や汗を流していた。

 俺は前世でプレイしていたゲームにおいて、ガチャにて確率アップしている当たりが二種類あるとき、ほぼ確実に要らないほうを引き当てる【すり抜け】をやらかすことに定評があった。
 そして鑑定はしていないけれど、今日にいたるまでの生活で、俺のスキル名が【すり抜け】であることはほぼ確定して分かってしまっている……

「――む、なんだこれは??」

 ほらああああぁぁぁぁ……
 ラマセリがリストバンド(仮)と繋がっているタブレットみたいな端末の画面を見て、怪訝な顔をしているじゃないか。

「だ、旦那様? いかがいたしましたか……?」

「……何も表示されん。まさかこのタイミングで壊れたとでもいうのか?」

「そ、そのようなことはないはずでございますが……事前にしっかりと動作を確認しておりますし……」

「これを見ろ! スキル名が出てこないではないか! 今すぐ新しいものを用意せんか!!」

「は、はいっ!! ただいまっ!!」

「……すまんな。こちら側に不手際があったようだ。すぐに替えを持ってこさせるから、もうしばし待て」

「は、はい……」

 あのー、それって高確率で俺の所為のような気がするんですけどねえ……
 だけどそんなことを口にすれば俺の未来がろくでもない方向へ向かうような気がするので、ここは機械の故障だと信じて今しばらく待つとしよう。
 いやマジで。俺的には本当に機械の故障であってほしいんだけどねマジで。

「7年、いや、8年か。私がこの日をどれほど待ち詫びたことか。我がアストール家が抱える預言者は言った。この一年が終わるまでに生まれる子供が、数百年に一度しか現れぬとされる伝説級のSSSスキルを持っている可能性がある、とな。私は歓喜したよ。SSSスキルさえあれば我が一族の更なる繁栄は確実なものとなる! ゆくゆくは我が一族が世界を収める日すらも夢見るほどになぁ……」

 替えの機械を待っている間、ラマセリが勝手に語り始めた。
 彼曰く、アストール侯爵家にはお抱えの予言者がいて、その予言者は年が明けたタイミングで秘術を行使することで、その年に生まれてくる子供に割り振られるスキルの大まかな内容とランク別の内訳を知ることが出来るそうだ。

 早い話、ガチャの出現確率表が見れるって訳だな。
 スキルは一人につき一つまで。そして強さに応じて低い方からD→C→B→A→Sの五段階に分けられており、最強とされるSランクスキルの中でも特に強いスキルがSSランク、SSSランクに指定されているのだ。

 このスキルランクというのが特に重要で、基本的に上位のスキルは下位のスキル持ちに比べて強いというのがこの世界における一般的な認識となっている。
 だからこそこのラマセリという男は、毎年預言者に予言をさせ、より強いスキルがピックアップされた年は大量に子供を作り、疑似的なスキルガチャリセマラという悪魔のような行為をやってのけているってことだな。

 そして俺たちが生まれた年は、奇跡ともいうべきSSSスキルが二つもピックアップされた年。片方は自らとその周囲に不幸をもたらす凶悪なマイナススキルだが、もう片方は圧倒的な力を誇る最強スキルということまで分かっていた。
 だからこそその年に、ラマセリは大量の子作りに力を入れたのだと豪語する。

 それを自慢げに語られても、リセマラの道具にされている側としては正直めちゃくちゃ複雑な気分だがな……
 そうこうしているうちに、代わりのものが到着し、俺の石に関係なくすぐさま取り付けられた。

「さあ、では改めて貴様のスキルを見せてもらおうか!」

 あぁ、ラマセリのヤバすぎる話を聞かされたことで一旦現実逃避出来ていたけど、それもすぐに終わってしまったなぁ。
 果たして結果や如何に……

「……やはり表示されん。これではSSS級スキルを鑑定することが出来んとでもいうのか?」

「あ、あの……」

「ちっ、これではまるで役に立たんが、致し方あるまい、ひとまず先に他の者の鑑定を済ませてしまおう。おい、連れてこい!」

「え、えっと、僕は……」

「……貴様は少し端の方で待っていろ」

「は、はい……」

 なんというか、目に見えてテンションが下がっているのが分かる。
 ほぼほぼマイナススキルハズレの方を掴まされたのではないかと感じているに違いないよなぁアレ……
 この重すぎる空気の原因をこの場にいるほぼ全員が俺のせいだと認識しているせいでめちゃクソ気まずい。早く帰りたいんだが……

 そんな俺を尻目に、第二陣の鑑定が始まったんだが、早速大事件が発生しやがった。

「な、なんだとっ!!」

「そ、そんな馬鹿な……SSS持ちが同時に二人も……?」

「わ、私は神の奇跡を目の当たりにしているのか……?」

 光り輝く魔法陣の上で、一際強い青白い光・・・・を纏う少年が一人。
 あれは、さっきの俺と同じ光。そう、SSR級スキル持ちの証だ。
 その少年はすぐさまラマセリの前に引っ張って行かれた。

 茶色にも見える淡い金色の髪で目元が若干隠れている非常におとなしそうな少年だ。

「貴様、名をなんと言う?」

「えっ、えっと、名前は、レリウス、です……」

「ふむ、レリウスか。それにしても貴様も覇気が足りんな。だがまあ、貴様が大当たりのスキルを引いた暁には、その内気さも消え失せるだろうよ。さあ、鑑定だ!」

 そう言って同じような機械で彼――レリウスのスキル鑑定が始まった。
 そしてその結果は――

神格武装権限しんかくぶそうけんげん、だと!? 八百万の神々から力を借り受け、武具として顕現し、その力を行使する能力……」

「な、なんと凄まじい能力……そのようなスキルが存在するとは……」

 おいおいおいおいいいいい!!!
 誰が聞いてもあたりだとわかる能力引きやがったぞこいつ!!
 や、やっべぇ……ってことは俺の【すり抜け】はマイナススキル確定ってことだろ!?

「レリウスよ! このラマセリ、貴様のような子が生まれるのを長らく待っていた! さあ、我が下に来たまえ!」

「え、あ、は、はい……?」

「……あのーすいません、僕はどうしたら」

「あぁん? 貴様のような名も分からぬマイナススキル持ちなどさっさと去るがいい……と言っても、他のハズレどもと違って名も効果も分からぬのでは売り飛ばすことも出来んな」

「いかがいたしましょう、旦那様」

「そうだな。面倒なことになる前に屋敷から追い出して処分しておけ。変な呪いみたいなものをバラまけられても厄介だからな。必ず屋敷の外で始末しろ。モタモタするな!」

「はい! ただちに!! さあこいっ!」

「ちょっ、やめっ――」

 気づいたら俺は両腕をこわもての男二人にがっちりつかまれ、さっきより明らかに強引な形で俺を引きずっていく。
 ちょ、マジでいてえって! ヤバイ、この状況はヤバすぎる!

「あの、えっと、あれは……?」

「気にすることはない、レリウスよ。アレはお前のような勝者が見る必要のないゴミだ。さあ、上へ行こう。祝いの宴を開くぞ!」

 ふざけやがってくそがああああ!!
 自分の子供をリセマラの道具にして、いらなくなったら即捨てるとか、てめえのやってることはガチで悪魔と何ら変わんねえぞ!!
 叫んで暴れてやろうと思ったが、体の自由が利かない上に口まで塞がれてしまったので息すら苦しい。

 二度目の死を目前とした状況で、俺は今日にいたるまでの経緯を走馬灯のように思い出しはじめた……




しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました

かにくくり
ファンタジー
 魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。  しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。  しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。  勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。  そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。  相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。 ※小説家になろうにも掲載しています。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

魔力ゼロで出来損ないと追放された俺、前世の物理学知識を魔法代わりに使ったら、天才ドワーフや魔王に懐かれて最強になっていた

黒崎隼人
ファンタジー
「お前は我が家の恥だ」――。 名門貴族の三男アレンは、魔力を持たずに生まれたというだけで家族に虐げられ、18歳の誕生日にすべてを奪われ追放された。 絶望の中、彼が死の淵で思い出したのは、物理学者として生きた前世の記憶。そして覚醒したのは、魔法とは全く異なる、世界の理そのものを操る力――【概念置換(コンセプト・シフト)】。 運動エネルギーの法則【E = 1/2mv²】で、小石は音速の弾丸と化す。 熱力学第二法則で、敵軍は絶対零度の世界に沈む。 そして、相対性理論【E = mc²】は、神をも打ち砕く一撃となる。 これは、魔力ゼロの少年が、科学という名の「本当の魔法」で理不尽な運命を覆し、心優しき仲間たちと共に、偽りの正義に支配された世界の真実を解き明かす物語。 「君の信じる常識は、本当に正しいのか?」 知的好奇心が、あなたの胸を熱くする。新時代のサイエンス・ファンタジーが、今、幕を開ける。

無能認定され王宮から追放された俺、実は竜の言葉が話せたのでSSS級最凶竜種に懐かれ、気がついたら【竜人王】になってました。

霞杏檎
ファンタジー
田舎の村から上京して王宮兵士となって1年半…… まだまだ新人だったレイクは自身がスキルもろくに発動できない『無能力者』だと周りから虐げられる日々を送っていた。 そんなある日、『スキルが発動しない無能はこの王宮から出て行け』と自身が働いていたイブニクル王国の王宮から解雇・追放されてしまった。 そして挙げ句の果てには、道中の森でゴブリンに襲われる程の不遇様。 だが、レイクの不運はまだ続く……なんと世界を破壊する力を持つ最強の竜種"破滅古竜"と出会ってしまったのである!! しかし、絶体絶命の状況下で不意に出た言葉がレイクの運命を大きく変えた。 ーーそれは《竜族語》 レイクが竜族語を話せると知った破滅古竜はレイクと友達になりたいと諭され、友達の印としてレイクに自身の持つ魔力とスキルを与える代わりにレイクの心臓を奪ってしまう。 こうしてレイクは"ヴィルヘリア"と名乗り美少女の姿へと変えた破滅古竜の眷属となったが、与えられた膨大なスキルの量に力を使いこなせずにいた。 それを見たヴィルヘリアは格好がつかないと自身が師匠代わりとなり、旅をしながらレイクを鍛え上げること決める。 一方で、破滅古竜の悪知恵に引っかかったイブニクル王国では国存続の危機が迫り始めていた…… これは"無能"と虐げられた主人公レイクと最強竜種ヴィルヘリアの師弟コンビによる竜種を統べ、レイクが『竜人王』になるまでを描いた物語である。 ※30話程で完結します。

処理中です...