3 / 11
2話 とある侍女の1日
しおりを挟む
わたしの名前はリュシア。
アルヴェイン家に仕える侍女のエルフです。
正確に言えば領主様の奥方であるセラフィーナ様の護衛なのですが、立場上は侍女ということになっているので、セラフィーナ様の身の回りの世話などもさせていただいています。
そんなわたしには他の侍女にはない特別な役割が与えられています。
それが、セラフィーナ様のご子息、ご息女の剣の修行を見ることです。
わたしは、全侍女の中で唯一屋敷内での帯剣を許されており、自分で言うのもなんですが剣術の腕はかなりのものであると自負しています。
そんな訳でこうして剣の師匠の役割を任されているわけですが、現在は長女のエリシア様、そして一月ほど前に7歳の誕生日を迎え、剣を与えられたばかりの三男レオン様に剣を教えています。
「はぁ、はぁ、ちょ、ちょっと休憩……」
「ダメです。あと17回残っています。きっちりやり切ってから休憩してください。はい、すぐに再開して」
「ひぃ……が、頑張ります……」
まずは稽古の基本である素振りからやらせていますが、体力がまだついていないレオン様は当然すぐに限界を迎えてしまいます。
しかしこれが出来なければ次のステップに進むことなど認められないので、わたしは心を鬼にして木剣を振らせます。
とても辛そうに、ひぃひぃ言いながら木剣を振るっていますが、決して適当に振っているわけではなく、わたしが教えたとおり――にはできていませんが、それに近しい綺麗な形で振ろうと努力しているのが伺えます。
レオン様は他のご兄弟と比べて優れている点が二つあります。
それは異常なまでの吸収の速さと、忍耐力です。
他のご兄弟はわたしがキツく言っても最初の方は座り込んでしまう人ばかりでしたが、レオン様はやれと言ったら絶対に最後までやり切ります。
それは素振り以外でも同じで、後で倒れて意識を失うとしても絶対に途中で諦めることはしません。
「99……100……はぁっ、はぁっ、お、終わったぁ……」
「お疲れ様です。お水、飲みますか?」
「いただきます……」
休憩を挟みつつ素振り100回を3セット。
しっかりとやり切ったレオン様はその場に倒れるように座り込みます。
そしてよく冷えた水を飲んで、まるで生き返ったかのような表情を浮かべると、ゆっくりと立ち上がりました。
「リュシア先生。次は何をやればよいでしょうか?」
「もう休憩は大丈夫なんですか?」
「ほんとはもう少し休みたいところですけど、そうすると後が嫌になっちゃうので……」
そう言って照れくさそうに頭を掻く彼の姿を見て、本当に7歳なのか疑わしくなってしまうほど出来た子だと改めて思いました。
思えば彼は暇さえあれば屋敷の書庫へと足を運び、その年齢の子供なら見向きもしないであろう本を引っ張り出しては、日が暮れるまで夢中になって読んでいましたね。
その時の集中力はすさまじく、セラフィーナ様に頼まれて呼びに行った際もこちらに一切気づかず、気配を殺していないにも拘らず、すぐ近くに寄って声をかけたら飛び上がる勢いで驚いていたほどです。
元からそう言った才能がある子なのでしょう。
身体能力や技術は後からいくらでも身に付きますが、その精神力と集中力は得難い才能です。
しかも観察眼も優れていて、わたしが何度か手本を見せただけで教えていないこともなんとなく理解している様子でした。
結局今日もわたしが用意したメニューを全てこなしてしまいました。
その様子はもはや――ずっと昔からそれが当たり前であるかのように見えるほどです。
つい先日剣を握ったばかりだというのに、何が彼をそこまで突き動かすのか。もしかすると彼にはわたしとは違った何かが見えているのかもしれません。
「では今日はこれで終わりです。湯の準備が出来ているので、落ち着いたら入ってください」
「あ、ありがとうございました……げほっ、げほっ……」
全てを使い切ったのか、床に仰向けに倒れて苦しそうに声を絞り出すレオン様。
あまりに彼が頑張るので、ついついハードなメニューを組んでしまっていますが、やはり途中で音を上げるような真似はしないので、わたしとしてもとてもやりがいがあり楽しいです。
「ふふっ、今日も頑張っているわね。レオン」
「あっ、お母さま!」
「セラフィーナ様!」
「リュシアもお疲れ様。いつも私の子供たちの面倒を見てくれてありがとう。感謝してるわ」
「いえ! 大事なお子様をお任せいただいてこちらこそありがとうございます」
わたしの最も大切なお方、セラフィーナ様。
お年を召してなお美しさを保ち、母となられてからは慈愛の女神にも例えられるほどの魅力を増した彼女に仕えられていることはわたしの誇りです。
エルフ故に共に老いてゆけぬことは心苦しいですが、セラフィーナ様ある限りお傍に置いていただけるように努力は欠かせません。
「――っ!」
直後、わたしは何かの気配を感じて振り返ります。
するとそこにはにゃーと無邪気に鳴く猫の姿がありました。
セラフィーナ様のお近くだと些細な気配にまで敏感になってしまっていけませんね。
しかし何があるか分からないので、主を護るために常に気を張っておくのが従者としての務め。
この癖を治す気はもちろんありません。
「ねえ、レオン。お風呂から上がったらお茶にしましょう。リュシアも一緒にね」
「はい! すぐ入ってきます!」
「えっ、わ、わたしもですか……?」
「あたりまえじゃない。あなたもわたしの大切な家族なんだから。ね」
「そんな恐れ多い……」
セラフィーナ様はとてもお優しい。
それはどこにも行く当てがなかったわたしなんかを拾ってくださったあの日から変わらない。
わたしを救ってくださったあの日から、わたしの命はこのお方に預けたのです。
もしセラフィーナ様を害する人間がいたとしたら、たとえそれが親しい人間であろうと――セラフィーナ様にとって大切な人間であろうと、わたしは斬ります。
その後にわたしがセラフィーナ様に恨まれ、殺されたとしても構いません。
わたしはセラフィーナ様の剣。あなたを護るためならばいくらでも手を汚しましょう。
元より薄汚れた罪人であるわたしに、躊躇する理由などないのだから。
この誇りがある限り、わたしは決して負けることはありません。
そしてレオン様がお風呂へと向かった直後、セラフィーナ様がわたしのもとへと寄ってきてこう呟かれました。
「――レオンの様子はどう?」
「えっ? はい。とても優秀な子だと思います。このまま鍛錬を続ければ相当な腕になるかと」
「そう……ふふっ、あなたもそう思う?」
「ええ。まだ7歳ながら将来がおそろー―いえ、失礼いたしました。楽しみだなと」
「言葉を選ぶ必要はないわ。あの子はきっと大きく化ける。それもきっと世界に大きな影響を与えるほどに、ね。私の直感がそう告げてるの」
「それは――」
「それじゃあ、お茶の準備をするから付いてきてくれる?」
「は、はい! すぐ支度をします!」
セラフィーナ様の直感はよく当たる。恐ろしいほどに。
きっとそれは何らかの根拠があっての発言なのでしょうが、わたし程度ではその真意を測りかねます。
しかし、願わくばレオン様には強くなっていただきたいですね。
いつかはわたしと互角以上に戦えるほどに――世界最強格の剣士になれるほどに。
師としてそう願わずにはいられません。
そんな気持ちを抱きながら、どこか上機嫌なセラフィーナ様の後を追っていきます。
アルヴェイン家に仕える侍女のエルフです。
正確に言えば領主様の奥方であるセラフィーナ様の護衛なのですが、立場上は侍女ということになっているので、セラフィーナ様の身の回りの世話などもさせていただいています。
そんなわたしには他の侍女にはない特別な役割が与えられています。
それが、セラフィーナ様のご子息、ご息女の剣の修行を見ることです。
わたしは、全侍女の中で唯一屋敷内での帯剣を許されており、自分で言うのもなんですが剣術の腕はかなりのものであると自負しています。
そんな訳でこうして剣の師匠の役割を任されているわけですが、現在は長女のエリシア様、そして一月ほど前に7歳の誕生日を迎え、剣を与えられたばかりの三男レオン様に剣を教えています。
「はぁ、はぁ、ちょ、ちょっと休憩……」
「ダメです。あと17回残っています。きっちりやり切ってから休憩してください。はい、すぐに再開して」
「ひぃ……が、頑張ります……」
まずは稽古の基本である素振りからやらせていますが、体力がまだついていないレオン様は当然すぐに限界を迎えてしまいます。
しかしこれが出来なければ次のステップに進むことなど認められないので、わたしは心を鬼にして木剣を振らせます。
とても辛そうに、ひぃひぃ言いながら木剣を振るっていますが、決して適当に振っているわけではなく、わたしが教えたとおり――にはできていませんが、それに近しい綺麗な形で振ろうと努力しているのが伺えます。
レオン様は他のご兄弟と比べて優れている点が二つあります。
それは異常なまでの吸収の速さと、忍耐力です。
他のご兄弟はわたしがキツく言っても最初の方は座り込んでしまう人ばかりでしたが、レオン様はやれと言ったら絶対に最後までやり切ります。
それは素振り以外でも同じで、後で倒れて意識を失うとしても絶対に途中で諦めることはしません。
「99……100……はぁっ、はぁっ、お、終わったぁ……」
「お疲れ様です。お水、飲みますか?」
「いただきます……」
休憩を挟みつつ素振り100回を3セット。
しっかりとやり切ったレオン様はその場に倒れるように座り込みます。
そしてよく冷えた水を飲んで、まるで生き返ったかのような表情を浮かべると、ゆっくりと立ち上がりました。
「リュシア先生。次は何をやればよいでしょうか?」
「もう休憩は大丈夫なんですか?」
「ほんとはもう少し休みたいところですけど、そうすると後が嫌になっちゃうので……」
そう言って照れくさそうに頭を掻く彼の姿を見て、本当に7歳なのか疑わしくなってしまうほど出来た子だと改めて思いました。
思えば彼は暇さえあれば屋敷の書庫へと足を運び、その年齢の子供なら見向きもしないであろう本を引っ張り出しては、日が暮れるまで夢中になって読んでいましたね。
その時の集中力はすさまじく、セラフィーナ様に頼まれて呼びに行った際もこちらに一切気づかず、気配を殺していないにも拘らず、すぐ近くに寄って声をかけたら飛び上がる勢いで驚いていたほどです。
元からそう言った才能がある子なのでしょう。
身体能力や技術は後からいくらでも身に付きますが、その精神力と集中力は得難い才能です。
しかも観察眼も優れていて、わたしが何度か手本を見せただけで教えていないこともなんとなく理解している様子でした。
結局今日もわたしが用意したメニューを全てこなしてしまいました。
その様子はもはや――ずっと昔からそれが当たり前であるかのように見えるほどです。
つい先日剣を握ったばかりだというのに、何が彼をそこまで突き動かすのか。もしかすると彼にはわたしとは違った何かが見えているのかもしれません。
「では今日はこれで終わりです。湯の準備が出来ているので、落ち着いたら入ってください」
「あ、ありがとうございました……げほっ、げほっ……」
全てを使い切ったのか、床に仰向けに倒れて苦しそうに声を絞り出すレオン様。
あまりに彼が頑張るので、ついついハードなメニューを組んでしまっていますが、やはり途中で音を上げるような真似はしないので、わたしとしてもとてもやりがいがあり楽しいです。
「ふふっ、今日も頑張っているわね。レオン」
「あっ、お母さま!」
「セラフィーナ様!」
「リュシアもお疲れ様。いつも私の子供たちの面倒を見てくれてありがとう。感謝してるわ」
「いえ! 大事なお子様をお任せいただいてこちらこそありがとうございます」
わたしの最も大切なお方、セラフィーナ様。
お年を召してなお美しさを保ち、母となられてからは慈愛の女神にも例えられるほどの魅力を増した彼女に仕えられていることはわたしの誇りです。
エルフ故に共に老いてゆけぬことは心苦しいですが、セラフィーナ様ある限りお傍に置いていただけるように努力は欠かせません。
「――っ!」
直後、わたしは何かの気配を感じて振り返ります。
するとそこにはにゃーと無邪気に鳴く猫の姿がありました。
セラフィーナ様のお近くだと些細な気配にまで敏感になってしまっていけませんね。
しかし何があるか分からないので、主を護るために常に気を張っておくのが従者としての務め。
この癖を治す気はもちろんありません。
「ねえ、レオン。お風呂から上がったらお茶にしましょう。リュシアも一緒にね」
「はい! すぐ入ってきます!」
「えっ、わ、わたしもですか……?」
「あたりまえじゃない。あなたもわたしの大切な家族なんだから。ね」
「そんな恐れ多い……」
セラフィーナ様はとてもお優しい。
それはどこにも行く当てがなかったわたしなんかを拾ってくださったあの日から変わらない。
わたしを救ってくださったあの日から、わたしの命はこのお方に預けたのです。
もしセラフィーナ様を害する人間がいたとしたら、たとえそれが親しい人間であろうと――セラフィーナ様にとって大切な人間であろうと、わたしは斬ります。
その後にわたしがセラフィーナ様に恨まれ、殺されたとしても構いません。
わたしはセラフィーナ様の剣。あなたを護るためならばいくらでも手を汚しましょう。
元より薄汚れた罪人であるわたしに、躊躇する理由などないのだから。
この誇りがある限り、わたしは決して負けることはありません。
そしてレオン様がお風呂へと向かった直後、セラフィーナ様がわたしのもとへと寄ってきてこう呟かれました。
「――レオンの様子はどう?」
「えっ? はい。とても優秀な子だと思います。このまま鍛錬を続ければ相当な腕になるかと」
「そう……ふふっ、あなたもそう思う?」
「ええ。まだ7歳ながら将来がおそろー―いえ、失礼いたしました。楽しみだなと」
「言葉を選ぶ必要はないわ。あの子はきっと大きく化ける。それもきっと世界に大きな影響を与えるほどに、ね。私の直感がそう告げてるの」
「それは――」
「それじゃあ、お茶の準備をするから付いてきてくれる?」
「は、はい! すぐ支度をします!」
セラフィーナ様の直感はよく当たる。恐ろしいほどに。
きっとそれは何らかの根拠があっての発言なのでしょうが、わたし程度ではその真意を測りかねます。
しかし、願わくばレオン様には強くなっていただきたいですね。
いつかはわたしと互角以上に戦えるほどに――世界最強格の剣士になれるほどに。
師としてそう願わずにはいられません。
そんな気持ちを抱きながら、どこか上機嫌なセラフィーナ様の後を追っていきます。
20
あなたにおすすめの小説
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ダンジョン冒険者にラブコメはいらない(多分)~正体を隠して普通の生活を送る男子高生、実は最近注目の高ランク冒険者だった~
エース皇命
ファンタジー
学校では正体を隠し、普通の男子高校生を演じている黒瀬才斗。実は仕事でダンジョンに潜っている、最近話題のAランク冒険者だった。
そんな黒瀬の通う高校に突如転校してきた白桃楓香。初対面なのにも関わらず、なぜかいきなり黒瀬に抱きつくという奇行に出る。
「才斗くん、これからよろしくお願いしますねっ」
なんと白桃は黒瀬の直属の部下として派遣された冒険者であり、以後、同じ家で生活を共にし、ダンジョンでの仕事も一緒にすることになるという。
これは、上級冒険者の黒瀬と、美少女転校生の純愛ラブコメディ――ではなく、ちゃんとしたダンジョン・ファンタジー(多分)。
※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。
付きまとう聖女様は、貧乏貴族の僕にだけ甘すぎる〜人生相談がきっかけで日常がカオスに。でも、モテたい願望が強すぎて、つい……〜
咲月ねむと
ファンタジー
この乙女ゲーの世界に転生してからというもの毎日教会に通い詰めている。アランという貧乏貴族の三男に生まれた俺は、何を目指し、何を糧にして生きていけばいいのか分からない。
そんな人生のアドバイスをもらうため教会に通っているのだが……。
「アランくん。今日も来てくれたのね」
そう優しく語り掛けてくれるのは、頼れる聖女リリシア様だ。人々の悩みを静かに聞き入れ、的確なアドバイスをくれる美人聖女様だと人気だ。
そんな彼女だが、なぜか俺が相談するといつも様子が変になる。アドバイスはくれるのだがそのアドバイス自体が問題でどうも自己主張が強すぎるのだ。
「お母様のプレゼントは何を買えばいい?」
と相談すれば、
「ネックレスをプレゼントするのはどう? でもね私は結婚指輪が欲しいの」などという発言が飛び出すのだ。意味が分からない。
そして俺もようやく一人暮らしを始める歳になった。王都にある学園に通い始めたのだが、教会本部にそれはもう美人な聖女が赴任してきたとか。
興味本位で俺は教会本部に人生相談をお願いした。担当になった人物というのが、またもやリリシアさんで…………。
ようやく俺は気づいたんだ。
リリシアさんに付きまとわれていること、この頻繁に相談する関係が実は異常だったということに。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる