6 / 14
6
しおりを挟む
この国では、14才を迎えた者にオメガ、ベータ、アルファの第二次性の検査を受ける資格が与えられる。
もう10年も前のことだ。
母も父もベータで僕もベータと診断を受けた。ガレの正確な年齢は分からないが、僕と同時に検査を受けさせていた。
「え? 俺がアルファですか? 俺などが何かの間違いでは?」
「ううん。君はアルファと診断されたよ」
診断結果を受けたガレは驚いていた。でも、成長するにつれガレは奴隷仲間も驚く程、仕事が出来るようになった。今ではすっかり頼れるリーダー格だ。
こんな田舎ではアルファはいない。でも、僕はガレの頭の回転の良さと器用さに診断結果を見ても何も驚かなかった。
「そうですか。アルファと診断されても俺自身は今まで通り何も変わりません。リオン様のためグノワール家のために尽くしていきます」
「ううん。もういいよ。君は荷物をまとめて、明日にでもこの家を出て行きなさい」
農場を管理していた母は病を患い療養生活を送っている。12才から僕が農場や奴隷を管理していた。僕が上手くやれていたのは目の前にいるガレがいたからと言ってもおかしくない。
しかし、ガレがアルファの診断を受けたのならば話は別だ。この国では希少なアルファとオメガには優遇した制度がある。身分の持たない者がそのどちらかだと判明すれば成人するまでバース専用保護施設に入居できる。
「え? 冗談ですよね? 俺はリオン様の奴隷です」
「今までよく働いてくれた」
僕は、ガレの肩をポンと叩いて、さようならと声をかけた。
「————は? …………え?」
何を言われているのか分からないような表情で彼は去る僕を見つめていた。
その夜のことだ。
僕は倉庫で在庫の整理をしていた。在庫管理を誰かに任せればいいが奴隷の数は限られている。母の治療費の為にも少しでも僕が出来ることはやりたかった。小さいランプを照らしながら倉庫を見て回っていると、ランプを持つ手が握られた。
「リオン様、こんな夜遅くまで作業されて。俺が手伝いますよ」
いつの間にかガレが僕の背後にいた。僕からランプを奪って整理を手伝い始める。
「……ガレ、やめなさい」
僕は彼を止めると、彼は手を動かしたままヘラリと笑った。
「俺、甘えていました。もっと働きます。人の倍、いえ三倍は働きます。リオン様がこんなに働かれているのに奴隷の俺が休んでいる。要らないと思われて当然ですよね」
「君は昼間充分働いてくれた。作業をやめなさい」
「俺、身体もごつくなったし、これからもっともっと働きます! あ、許されるなら他に仕事をして自分の食事分くらいは稼いできます」
ガレは自分が如何によく働く奴隷か、便利に使える存在かを語る。へらへらと媚びを売る態度。僕はそれを聞いて深い溜息をついた。
「明日出ていく際の荷物をまとめなさい」
「————……」
ガレは唇をキュッと噛んで、震えながらこちらを見た。
「冗談じゃないんですね。俺は嫌です。リオン様から頂いた御恩は一生かけて……」
「要らない」
「じゃ、アルファじゃないです! 俺はただの奴隷だ。ここから追い出さないでください!」
ガレは僕に近づいてきた。ガレは僕が見上げるくらいの身長になっていた。いつもニコニコ笑う彼の表情は泣きそうなものになっている。
「君は不要だ」
「————え……?」
「いつでもどこでもじゃれついてきて鬱陶しいんだ。小さい時ならば可愛いと思ったけれど、今はそんなに大きな身体で抱きつかれては息苦しい。それに君の目だ。厭らしい目で見つめてきて気持ちが悪い。ここまで言わないと分からないのかい」
早口で捲し立てる僕の言葉にガレは目を見開いて驚いた。
「リオン様、でも、今までそんなこと……」
「君は調子乗せればよく働くからさ」
作業どころではなくて、倉庫を出ようとした。
外を見ると先ほどまでは雨が降っていなかったのに強めの雨が降っている。
濡れるのも構わず外に出ると、すぐにガレも僕の後を追ってきた。それを無視して屋敷に戻った。風呂に入って身体を温めた後、妹のアルミが本を読んで欲しいと強請ってきた。
母を気遣ってうまく甘えられない妹のことを僕は特別可愛がっていた。
「お兄ちゃま、お外に黒いのいるの。こあい」
「……」
黒いの……。ガレだ。
僕はアルミに本を読んであげられないと断り、再び外に出た。外は先ほどよりもっと土砂降りの雨になっている。
アルミの言った通り、闇夜の土砂降りの中、ガレがこちらを睨むように立っていた。
急いで僕はタオルを彼の頭にかけた。全身濡れて身体が冷え切っている。
「ガレ、風邪をひく。寝床に戻りなさい!」
「リオン様の傍にいられないのならどうでもいいです。捨てないでください。お願いします」
ガレはその場に座り込んで泥の地面につけて懇願し始めた。
「……っ」
ガレは生まれついての奴隷だ。僕がガレを買うまでは酷い扱いを受けていたのを知っている。身に着いた奴隷根性は平気で頭を下げてしまう。
「ガレ、やめるんだ。君がどんなに言おうと僕の意志は変わらない」
彼を立たせようとするとガレが僕の腕を掴んだ。
力強く腕を掴まれてそこから痛みが走る。だけどその腕はそのまま彼の方に引かれ僕の身体は彼の腕の中に入った。
「——痛いっ!」
息苦しいほど強く抱きしめられる。
「——あぅっ、……よせっ!」
僕は必死でその身体から離れようと足掻くが彼の力は強い。パシャパシャと泥の弾く音が空しく響く。
「————はっ、なせっ!」
「要らないなんて嘘だ。俺、貴方のためなら何だってするから……っ! 捨てないで。今更捨てないでくれよ!」
首を振って拒否をするのに、ガレは離すものかと益々力を込めて抱きしめてくる。
言葉で言っても分かってもらえないことに恐怖した。そのまま崩れるように地面に押し倒された。腕を地面に押し付けられて、何をするつもりなのか、ガレの顔が近付いてくる。
唇が塞がれる……?
「きゃぁぁっ、お兄ちゃま!」
妹の声でハッとして、僕の上にのしかかるガレの身体に手足を使い力いっぱい押し返した。ガレも妹の声に油断したのだろう。
慌てて僕は立ち上がりガレに背を向けた。手首も身体もジンジンする。
「本当に気持ち悪い。お前みたいなの飼わなければよかった」
その言葉にガレは目を見開いた。
「……違う」
「要らない。何度も言わせるな。明日と言わず今すぐこの屋敷から出ていけ。最後の命令だ」
外の闇、大雨の中、ずっと働いてくれた奴隷を追い出すことは非情だ。でも僕は続けた。
「明日からここに君の居場所はない」
「あぁああっ!!」
ガレの大きな声にアルミも「ふぇ」っと驚き泣き始めた。僕は泣き声の響く中、アルミに屋敷の中に戻ろうと声をかけた。
「お願いだ! 傍にいたいんだっ!」
ガレは僕の足を掴んできた。僕は構わずその手を足で振り払った。ガレの身体は力が入っていないみたいに地面に倒れ込んだ。
ガレはそのまま動かなくなった。
僕はそれを心配することなく屋敷の扉を開けた。扉を閉めようとした時、震えた低い声でガレは言った。
雨の音がとても煩いのに、その言葉はやけに僕の耳に聞こえた。
「お前は嘘つきだ」
「……」
「一緒にいると言った癖に大嘘つき」
僕はその言葉に立ち止まった。
振り返ると彼は涙と泥まみれで僕を激しく睨んでいた。
「俺を捨てたことを後悔させてやる」
僕はそれを聞いて微笑みながら、ゆっくりドアを閉めた。
「早く出ていけ」
◇◇◇
彼を追い出してから、僕の生活は一転した。
母が病死し、そのショックから父の浪費が始まり財政が悪化したのだ。
僕はその状況から母の望みだけは叶えようと決心し、奴隷達の働き先を見つけ始めた。
妹は不自由なく育って欲しいと今まで通りに学園に行かせて、自分は学園を辞めた。ガレがいなくなった仕事の穴埋めを自分がしなくてはいけなかった。残りの奴隷たちは皆親切に僕に献身的に尽くしてくれた。
勉強が出来た僕に周りから落胆の声が聞こえたが、学園に残らずとも勉強は出来る。悲観することは何一つなかった。
そんな楽観的な僕も発情期が訪れたことには驚いた。
ベータには有り得ない身体の奥の疼き、動悸、興奮。それが二日続き、病院で診察を受けると、性の再検査を言い渡された。その診断結果はオメガ。
「リオンお兄様が、そんな……」
男のオメガだと女性との婚姻は難しくなる。さらにこんな田舎じゃアルファには出会えない。
僕自身変わったつもりはなかった。だけど、周囲が変わり始めた。社交界でも僕の悪い噂が立ち始めていく。突然人の目が変わる。恐怖もあったが、それを表に出すまいと堂々としていた。その噂を利用してやればいい。周りで尽くしてくれる奴隷たちが少しでも今後良い場所に行けるように。
ある日、僕宛に分厚い封筒が届いた。
差出は国の保護施設からだった。保護施設から送って来る知り合いなんてガレしかいない。
この分厚さに若干の不安を感じ封を開けた。想像していた通り、そこには金と手紙が入っていた。
《リオン様。
お元気ですか? 俺は無知でした。グノワール家の財形状況が分かっていなかったのです。我が儘を言ってしまいごめんなさい。少ないですが働いて貯めた金です。使ってください。ガレ》
封筒に入っていた金は一朝一夕で稼げる金額ではない。おそらくは彼を屋敷から追い出した後すぐ働いて金を貯めたのだろう。
僕は即効その手紙を送り返した。以後、保護施設からの郵便物は全て受け取り拒否をした。
ガレとの一切の関係を絶った。
もう10年も前のことだ。
母も父もベータで僕もベータと診断を受けた。ガレの正確な年齢は分からないが、僕と同時に検査を受けさせていた。
「え? 俺がアルファですか? 俺などが何かの間違いでは?」
「ううん。君はアルファと診断されたよ」
診断結果を受けたガレは驚いていた。でも、成長するにつれガレは奴隷仲間も驚く程、仕事が出来るようになった。今ではすっかり頼れるリーダー格だ。
こんな田舎ではアルファはいない。でも、僕はガレの頭の回転の良さと器用さに診断結果を見ても何も驚かなかった。
「そうですか。アルファと診断されても俺自身は今まで通り何も変わりません。リオン様のためグノワール家のために尽くしていきます」
「ううん。もういいよ。君は荷物をまとめて、明日にでもこの家を出て行きなさい」
農場を管理していた母は病を患い療養生活を送っている。12才から僕が農場や奴隷を管理していた。僕が上手くやれていたのは目の前にいるガレがいたからと言ってもおかしくない。
しかし、ガレがアルファの診断を受けたのならば話は別だ。この国では希少なアルファとオメガには優遇した制度がある。身分の持たない者がそのどちらかだと判明すれば成人するまでバース専用保護施設に入居できる。
「え? 冗談ですよね? 俺はリオン様の奴隷です」
「今までよく働いてくれた」
僕は、ガレの肩をポンと叩いて、さようならと声をかけた。
「————は? …………え?」
何を言われているのか分からないような表情で彼は去る僕を見つめていた。
その夜のことだ。
僕は倉庫で在庫の整理をしていた。在庫管理を誰かに任せればいいが奴隷の数は限られている。母の治療費の為にも少しでも僕が出来ることはやりたかった。小さいランプを照らしながら倉庫を見て回っていると、ランプを持つ手が握られた。
「リオン様、こんな夜遅くまで作業されて。俺が手伝いますよ」
いつの間にかガレが僕の背後にいた。僕からランプを奪って整理を手伝い始める。
「……ガレ、やめなさい」
僕は彼を止めると、彼は手を動かしたままヘラリと笑った。
「俺、甘えていました。もっと働きます。人の倍、いえ三倍は働きます。リオン様がこんなに働かれているのに奴隷の俺が休んでいる。要らないと思われて当然ですよね」
「君は昼間充分働いてくれた。作業をやめなさい」
「俺、身体もごつくなったし、これからもっともっと働きます! あ、許されるなら他に仕事をして自分の食事分くらいは稼いできます」
ガレは自分が如何によく働く奴隷か、便利に使える存在かを語る。へらへらと媚びを売る態度。僕はそれを聞いて深い溜息をついた。
「明日出ていく際の荷物をまとめなさい」
「————……」
ガレは唇をキュッと噛んで、震えながらこちらを見た。
「冗談じゃないんですね。俺は嫌です。リオン様から頂いた御恩は一生かけて……」
「要らない」
「じゃ、アルファじゃないです! 俺はただの奴隷だ。ここから追い出さないでください!」
ガレは僕に近づいてきた。ガレは僕が見上げるくらいの身長になっていた。いつもニコニコ笑う彼の表情は泣きそうなものになっている。
「君は不要だ」
「————え……?」
「いつでもどこでもじゃれついてきて鬱陶しいんだ。小さい時ならば可愛いと思ったけれど、今はそんなに大きな身体で抱きつかれては息苦しい。それに君の目だ。厭らしい目で見つめてきて気持ちが悪い。ここまで言わないと分からないのかい」
早口で捲し立てる僕の言葉にガレは目を見開いて驚いた。
「リオン様、でも、今までそんなこと……」
「君は調子乗せればよく働くからさ」
作業どころではなくて、倉庫を出ようとした。
外を見ると先ほどまでは雨が降っていなかったのに強めの雨が降っている。
濡れるのも構わず外に出ると、すぐにガレも僕の後を追ってきた。それを無視して屋敷に戻った。風呂に入って身体を温めた後、妹のアルミが本を読んで欲しいと強請ってきた。
母を気遣ってうまく甘えられない妹のことを僕は特別可愛がっていた。
「お兄ちゃま、お外に黒いのいるの。こあい」
「……」
黒いの……。ガレだ。
僕はアルミに本を読んであげられないと断り、再び外に出た。外は先ほどよりもっと土砂降りの雨になっている。
アルミの言った通り、闇夜の土砂降りの中、ガレがこちらを睨むように立っていた。
急いで僕はタオルを彼の頭にかけた。全身濡れて身体が冷え切っている。
「ガレ、風邪をひく。寝床に戻りなさい!」
「リオン様の傍にいられないのならどうでもいいです。捨てないでください。お願いします」
ガレはその場に座り込んで泥の地面につけて懇願し始めた。
「……っ」
ガレは生まれついての奴隷だ。僕がガレを買うまでは酷い扱いを受けていたのを知っている。身に着いた奴隷根性は平気で頭を下げてしまう。
「ガレ、やめるんだ。君がどんなに言おうと僕の意志は変わらない」
彼を立たせようとするとガレが僕の腕を掴んだ。
力強く腕を掴まれてそこから痛みが走る。だけどその腕はそのまま彼の方に引かれ僕の身体は彼の腕の中に入った。
「——痛いっ!」
息苦しいほど強く抱きしめられる。
「——あぅっ、……よせっ!」
僕は必死でその身体から離れようと足掻くが彼の力は強い。パシャパシャと泥の弾く音が空しく響く。
「————はっ、なせっ!」
「要らないなんて嘘だ。俺、貴方のためなら何だってするから……っ! 捨てないで。今更捨てないでくれよ!」
首を振って拒否をするのに、ガレは離すものかと益々力を込めて抱きしめてくる。
言葉で言っても分かってもらえないことに恐怖した。そのまま崩れるように地面に押し倒された。腕を地面に押し付けられて、何をするつもりなのか、ガレの顔が近付いてくる。
唇が塞がれる……?
「きゃぁぁっ、お兄ちゃま!」
妹の声でハッとして、僕の上にのしかかるガレの身体に手足を使い力いっぱい押し返した。ガレも妹の声に油断したのだろう。
慌てて僕は立ち上がりガレに背を向けた。手首も身体もジンジンする。
「本当に気持ち悪い。お前みたいなの飼わなければよかった」
その言葉にガレは目を見開いた。
「……違う」
「要らない。何度も言わせるな。明日と言わず今すぐこの屋敷から出ていけ。最後の命令だ」
外の闇、大雨の中、ずっと働いてくれた奴隷を追い出すことは非情だ。でも僕は続けた。
「明日からここに君の居場所はない」
「あぁああっ!!」
ガレの大きな声にアルミも「ふぇ」っと驚き泣き始めた。僕は泣き声の響く中、アルミに屋敷の中に戻ろうと声をかけた。
「お願いだ! 傍にいたいんだっ!」
ガレは僕の足を掴んできた。僕は構わずその手を足で振り払った。ガレの身体は力が入っていないみたいに地面に倒れ込んだ。
ガレはそのまま動かなくなった。
僕はそれを心配することなく屋敷の扉を開けた。扉を閉めようとした時、震えた低い声でガレは言った。
雨の音がとても煩いのに、その言葉はやけに僕の耳に聞こえた。
「お前は嘘つきだ」
「……」
「一緒にいると言った癖に大嘘つき」
僕はその言葉に立ち止まった。
振り返ると彼は涙と泥まみれで僕を激しく睨んでいた。
「俺を捨てたことを後悔させてやる」
僕はそれを聞いて微笑みながら、ゆっくりドアを閉めた。
「早く出ていけ」
◇◇◇
彼を追い出してから、僕の生活は一転した。
母が病死し、そのショックから父の浪費が始まり財政が悪化したのだ。
僕はその状況から母の望みだけは叶えようと決心し、奴隷達の働き先を見つけ始めた。
妹は不自由なく育って欲しいと今まで通りに学園に行かせて、自分は学園を辞めた。ガレがいなくなった仕事の穴埋めを自分がしなくてはいけなかった。残りの奴隷たちは皆親切に僕に献身的に尽くしてくれた。
勉強が出来た僕に周りから落胆の声が聞こえたが、学園に残らずとも勉強は出来る。悲観することは何一つなかった。
そんな楽観的な僕も発情期が訪れたことには驚いた。
ベータには有り得ない身体の奥の疼き、動悸、興奮。それが二日続き、病院で診察を受けると、性の再検査を言い渡された。その診断結果はオメガ。
「リオンお兄様が、そんな……」
男のオメガだと女性との婚姻は難しくなる。さらにこんな田舎じゃアルファには出会えない。
僕自身変わったつもりはなかった。だけど、周囲が変わり始めた。社交界でも僕の悪い噂が立ち始めていく。突然人の目が変わる。恐怖もあったが、それを表に出すまいと堂々としていた。その噂を利用してやればいい。周りで尽くしてくれる奴隷たちが少しでも今後良い場所に行けるように。
ある日、僕宛に分厚い封筒が届いた。
差出は国の保護施設からだった。保護施設から送って来る知り合いなんてガレしかいない。
この分厚さに若干の不安を感じ封を開けた。想像していた通り、そこには金と手紙が入っていた。
《リオン様。
お元気ですか? 俺は無知でした。グノワール家の財形状況が分かっていなかったのです。我が儘を言ってしまいごめんなさい。少ないですが働いて貯めた金です。使ってください。ガレ》
封筒に入っていた金は一朝一夕で稼げる金額ではない。おそらくは彼を屋敷から追い出した後すぐ働いて金を貯めたのだろう。
僕は即効その手紙を送り返した。以後、保護施設からの郵便物は全て受け取り拒否をした。
ガレとの一切の関係を絶った。
73
あなたにおすすめの小説
オメガな王子は孕みたい。
紫藤なゆ
BL
産む性オメガであるクリス王子は王家の一員として期待されず、離宮で明るく愉快に暮らしている。
ほとんど同居の獣人ヴィーは護衛と言いつついい仲で、今日も寝起きから一緒である。
王子らしからぬ彼の仕事は町の案内。今回も満足して帰ってもらえるよう全力を尽くすクリス王子だが、急なヒートを妻帯者のアルファに気づかれてしまった。まあそれはそれでしょうがないので抑制剤を飲み、ヴィーには気づかれないよう仕事を続けるクリス王子である。
上手に啼いて
紺色橙
BL
■聡は10歳の初めての発情期の際、大輝に噛まれ番となった。それ以来関係を継続しているが、愛ではなく都合と情で続いている現状はそろそろ終わりが見えていた。
■注意*独自オメガバース設定。■『それは愛か本能か』と同じ世界設定です。関係は一切なし。
愛を称えて
斯波良久@出来損ないΩの猫獣人発売中
BL
シリウスは地味で平凡なオメガである。人に胸を張れることといえば、家族仲がいいことくらい。それでも優秀な婚約者と肩を並べても恥ずかしくない何かを手に入れたくて、得意の薬学を極めることにした。学園に認められゼミ入りをし、今度は国に認められた。嬉しくて、早くこのことを伝えたくて、婚約者の元へと駆けた。けれど聞こえてきた声は冷たいものであった。
こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡
なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。
あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。
♡♡♡
恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!
世界一大好きな番との幸せな日常(と思っているのは)
かんだ
BL
現代物、オメガバース。とある理由から専業主夫だったΩだけど、いつまでも番のαに頼り切りはダメだと働くことを決めたが……。
ド腹黒い攻めαと何も知らず幸せな檻の中にいるΩの話。
クローゼットは宝箱
織緒こん
BL
てんつぶさん主催、オメガの巣作りアンソロジー参加作品です。
初めてのオメガバースです。
前後編8000文字強のSS。
◇ ◇ ◇
番であるオメガの穣太郎のヒートに合わせて休暇をもぎ取ったアルファの将臣。ほんの少し帰宅が遅れた彼を出迎えたのは、溢れかえるフェロモンの香気とクローゼットに籠城する番だった。狭いクローゼットに隠れるように巣作りする穣太郎を見つけて、出会ってから想いを通じ合わせるまでの数年間を思い出す。
美しく有能で、努力によってアルファと同等の能力を得た穣太郎。正気のときは決して甘えない彼が、ヒート期間中は将臣だけにぐずぐずに溺れる……。
年下わんこアルファ×年上美人オメガ。
イケメンキングαなおじいさんと極上クィーンΩなおばあさん(男)の幸せをねたんで真似したゲスなじいさんとばあさん(男)がとんでもないことに
壱度木里乃(イッチー☆ドッキリーノ)
BL
誰もが知っている昔話の懐かしさあり、溺愛あり、禁断の主従関係ありの――BL大人の童話第2弾。
戸籍年齢と肉体年齢が見事に一致しないオメガ妻を愛するイケオジの桁外れな武勇伝です。
※ですます調の優しい語り口でお送りしながら、容赦なくアダルトテイストです。
※少し変わっています。
※エンターテイメント型小説として楽しんで頂ける方向けです。
※横書きの利点として英数字表記も併用しています。
※美表紙はのんびり猫さん♡
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる