花嫁探しはまさかの自分だった!?

モト

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後処理※

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「はぁ~~~~~~~~。やってしまった。発情期とは言え、リースをこんな風に抱いてしまうだなんて。やり直したい」

「……」

互いに発情期に入ってセックスばかりして、泥のように眠った。だけど、横でアル様が後悔している溜息が、薄まりかかった睡眠の中、聞こえた。
僕は、目を開けるのを止めた。そうか、やっぱりアル様は後悔しているのか。と思った。





「リース! 目が覚めたのかい? 大丈夫だろうか? 痛むところは? 水は? 食事は? トイレは? 今日は君の援助をするから何でも言って欲しい」

目覚めるとアル様の心配そうな顔のドアップ。
起き上ろうとして全身力が上手く入らない。

「が、がらだがうごぎまぜん、ゴホ、ゴホ」

喉も痛い。あらぬ体勢で性行為していたので股関節と腰に激痛が走る。

「無理をしないで」

アル様が水を差し出してくれる。ゆっくりと顔を横に向けられてそっと水を含ませてくれる。

「今日は休みなさい。痛むのかい? すまない。我を忘れて酷いことをしてしまった」

酷いこと? なんのことだろう。
止めてって言っても何度も射精させられたことだろうか。メスイキを覚えさせられたこと? どれのことか分からないくらい大したことではない。

「これからは大事にするからね」
「…………アル様」

そう言って、僕の唇にキスを落とした。柔らかくて軽いキス。
それがくっついて離れて、またくっつく。
アル様の声も頭を撫でてくれる手もいつも以上に優しい。きっと罪悪感から来ているのだろうな。

唇から頬、額にキスが落ちる。

「…………」

まだ発情期が終わり切っていないのか身体がジンッと熱を持つ。僕の身体、一体どうしちゃったんだろう。
こんな軽めのキスでもムラムラしちゃうだなんて……。

「身体は拭いたけれど、お風呂入りたいだろう? 湯を沸かしたから入ろうか」

そう言うとアル様はシーツを僕に巻き付けてそのまま抱き上げられて浴室へ運ばれる。
アル様は全裸だったので、そのまま湯船に前向きに抱っこされたまま一緒に入る。
疲弊した身体に温かな湯が沁みる。

「すみません、こんなことまでさせてしまって」
「当然のことだよ。私が悪いのだから君が気にすることはない」

そう言いながらニコリと微笑んでくれる。その笑顔は発情期の怒った様子とは全く違う。以前ともちょっと違う気がする。

その笑顔を見ていると、昔のように自分からベタベタ抱き着きたくて仕方がないけれど——……堪えた。
だって、これは罪悪感から優しくされているんだもの。

「リース……」
「はっ……う」

アル様が熱を持った後孔に触れた。

「昨日までたっぷりここに精液を注いでしまった。事後、掻きだしたけれど、風呂でももう一度キレイにしておこうね」
「はっ、あ、あう、う……アル様」

蕾はずっと大きなモノを挿入していたので、潤滑剤がなくても簡単に指が挿いりそうだ。でも、アル様は慎重に指を少しずつ挿入していく。その指が根元まで挿いると、それだけでキュウッとその指を締め付けてしまう。

受け入れたのはいいけれど、その指の感触にまだ残り火がつくようだ。そんな僕を見てアル様がギュッと抱きしめてくる。
すると、下半身が密着してアル様のペニスが再び勃起し始めているのに気付く。

「リースのお尻触ると、ちんちん挿れたこと思い出しちゃって。際限なしに勃起しちゃうな」
「……う」

言わないで欲しい。言われるとこっちも思い出してブルリと震える。

目の前の分厚い胸板には歯形がいっぱいついている。
これ……僕がつけたの?


「お腹の中、指ぐるぐる動かすからね。その後、指を追い出すように、んーって力んでみてね」
「は、はい」
「いい子」

アル様は教えてくれたようにお尻の中で攪拌させるように指をグルグル動かした。性行為ではないのに、喘ぎ声が出そうになる。「力入れて」と言われたので、「はっ、んんん~~」と力をお腹に入れて指を出すようにすると、アル様が指がジュボっと抜け、ジュボジュボと指が抽挿される。

「ひっ、ぁ、あっ……あ、あぅ」
「うん。そのままお尻に力入れて。そう、上手」
「あ、あ……、あ、あぅ、う、う、う」

指と一緒にお湯がお尻の中に入ってくる。洗浄も一緒にされているみたいだ。

「後は、湯船から出て同じようにしようね」
「ひ、あ、……あぅ」

快感で目がクラクラする。凄い気持ちが良くて指を抜かれた孔がヒクヒクする。

「ふっ」

指でも簡単に気持ちよくなっている僕を見てアル様が軽く笑っている。
恥ずかしくて胸に顔を埋めると、彼は僕を抱き直して立ち上がった。その際姿勢が不安定で足を腰に回すとペニス同士がくっついて恥ずかしくなる。

そう言えばこの体位でもペニスを孔に挿れられたっけ。

「……っ、っ」

単なる処理なのに、駄目だ。
アル様がずっと挿いっていたせいだ。

「じゃ、さっきと同じようにお腹に力入れてね。指でグチュグチュするからね」
「あっ!!! ア、アル様っ、や、や、や」
「こーら。逃げちゃ駄目だろう。お尻でイッてもいいからちゃんと出さないとお腹痛くなるよ」
「ひ、ひぅ————」

中出しの後処理がこんなに気持ちよくて大変だなんて思わなかった。










性行為から一週間経った。

アル様は前以上に精力的に働くようになった。
朝から晩までずっと仕事。そんな彼を支えるために家の仕事をする。すると、アル様がとても嬉しそうな優しい微笑みを向けてくれる。

「リース、頑張り屋さんだね」

そう言って腰に手を回してくる。

腰に手を回されるのは前からだっけ? こんなにベッタリしていたかな? 距離感が近い気がする。

「————っ! あ、あの、僕別の用事がありますので!」
「あ、リース」

何かと用事を理由つけてはアル様から距離を置こうとした。それはドキドキが止まらないから。エッチ後からアル様は罪悪感からかとてつもなく優しい。でも変わったのがアル様ではなく、触れられる度にドキドキやらムラムラやらしちゃう僕の方だ。

このままだと……。
アル様にもっともっとと引っ付いてしまいそうになる。
いつか、また子供の頃みたいにウザがられてしまうくらいなら、今のうちにちゃんと心を戒めておかないと。

————アル様の召使いとして僕は一生働けたらそれで充分なんだ。

リンリーン
玄関の呼び鈴が鳴った。

「あ、誰だろ? はーい」



玄関先にいたのは、郵便配達業者だった。白くて赤い筋の入った封筒を渡される。その封筒を見てリースはすぐに気づいた。
中を早速確認する。


「結婚の応募だ……!」

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