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3.アルファに告白されるベータ
スーツケースの中にびっしりの札束。
ドラマの中でしか見たことがない光景に思考が完全に止まる。
「凄い汗ですね? もしかして七生さんも感じてくれているのですか?」
「え!?」
七生? 七生とな?
出会ったばかりの八乙女が親しげに俺の名前を呼んた。何故俺の名前を知っているのだろう。
ヤクザの中で俺の個人情報が駄々洩れになっているのか。
名前を呼ばれる筋合いはないし、俺の汗が凄いのはおたくが札束満タンに入ったスーツケースをこちらに向けてくるからだろう。
「よかったら、コレ使ってください」
八乙女がハンカチを差し出してくれるから思わずそれで汗を拭いた。
拭いた後、もしかしてこのハンカチも高額請求されるんじゃないか? と思っていると、ハンカチを返却するように手を出される。
——良かった。単なる親切。
「失礼しました。お困りの御様子でしたので一気に手堅く固めようかと思いまして。名乗るのが先ですね」
立ち上がって丁寧に両手で名刺を差し出してくれるので、俺も立ち上がって両手で受け取る。
【弁護士、八乙女 梓】
弁護士。ヤクザの顧問弁護士か……。
その弁護士が俺に札束ケースを差し出しお近づきになりたい理由は一体何なのだろう。
貰った名刺から視線を戻すと、彼は魔性という言葉がぴったりな笑顔を見せた。
あんまり綺麗だと悪魔っぽいよね。
「七生さんは、僕のこと覚えていらっしゃらないようですね」
「え!? ど、どこかでお会いしましたでしょ~か?!」
会ってねぇよ!?
こんな絶世の美形に会ってたら、流石に忘れたりしねぇよ! 記憶のページのどの片隅にもこんなイケメン存在しない。
俺に似た別人? あ、人違いか!
俺の顔は、純日本人顔で、よく見かける顔だ。
────いや、まてまて。弁護士は人の顔を覚えるのも得意だろう、そんな奴が人違いをするか?
もしかして仕事先で一方的に俺の顔を見かけたとか? あぁ、それが一番納得出来るよな。
脳内推理をして納得していると、八乙女がさらに恐ろしいことを話し始める。
「僕達、20年前に出会っています。率直に言うと6歳のころからお慕い申しております」
「ひぃい!?」
20年前っておい!
記憶力良すぎか!? 絶対人違いだろ!?
色々ツッコミたいが、……自分の身が大事なので抑える。
「僕と七生さんは運命の番です」
「…………………は、はい?」
目がテン。
漫画表現なら俺の目はテンだよ!?
意味がわからなさすぎて、うまく言葉が脳みそに入ってこない。
「ずっと探していました。もしかして海外に住んでおられたのですか?」
「ひぃ、いえいえ日本育ちです! 海外へ行ったことがありません! 運命の番なんて、ほんとーに人違いです。俺ではありません!」
「いえ、七生さんで間違いありません。ですが、日本ですか? 日本にいるオメガは全員くまなく探したと思ったのですが」
「え?」
俺がオメガだなんて明らかに見当違いのことを言っている。
俺と八乙女が話している内容の食い違いに周りにいるヤクザも気が付いた。
後ろに控えていた若手が「八乙女さん」と声をかけ、俺の身元調査表を渡した。八乙女はそれを受け取り、目を見張った。
「三栗七生。27歳—————……ベータ?」
八乙女は驚いた様子で読み始めた。
今、身元調査を読んでいるということは、俺の名前はそれらから知ったのではないのだろう。
どこかで会ったのかもしれないけど、オメガではないし随分前のことだし勘違いをしている。
八乙女が書類を読んでいる間、俺にも少し考える余裕出来た。
さっきは漁船に乗せられると動揺していたけれど、会社に相談すれば、もしかしたら借りられるかもしれない。
返済する気持ちはあるからこの場は保留して欲しいと伝えると、八乙女は書類を置いた。
「ですから、こちらのスーツケースにある金額で足ります。僕はアルファなので、困っている番を見て放っておけません」
番……。
また、番って言ったな。
アルファとオメガの独自システムをベータに当てはめている。
バース診断は会社の方針で一年に一度受けることになっているので、ベータは確定事項だ。27歳にもなってなんらかの因子によってバース変更があるとは思えない。
番という彼の言葉をとりあえず無視して、お金の話をする。
「その、有難いのですが、そのお金を受け取ることはちょ~っと怖いです」
「怖くはないですよ。さらに八乙女を名乗っていただければ、お金に一生困らない暮らしを保障します。これはただのお近付きの印ということで」
「ひっ名乗る!? 俺が八乙女を!?」
え。え。なにこれ。今俺はプロポーズされてんの?
八乙女に戸籍を移せってこと!?
出会って、まだ十分……、夢? 俺は今夢を見ているのか?!
「喜んでもらえないのですね」
「ひょうへぇ……えー、えー? えっと、……はい。喜べないです」
すると、後ろで「なんだとコルゥラァ!?」「首と胴を離してやろうか!? ァア!?」と若手のお兄さん方が恐ろしい事を言ってくる。
すかさず八乙女が睨むと、若手が黙り込む。
「怖がらせてすみません。七生さんは、俺を見て何か感じないですか? よく見てください」
「何かと言われましても……」
困惑する俺に「もっときちんと見やんかぁい」と若手が脅しに来るので、ビクビクしながら、八乙女を改めてじっくり見つめる。
トップモデル……いや二次元に出てくるような整い方だ。こういうゲームキャラをどこかでみたことある。刀とか銃とか持って無表情で敵を倒すキャラ。
手首や指は骨ばっている。喉ぼとけは大きい。形のいい唇の横に黒子があるのがいやらしい。きめ細かい肌。筋の通った高い鼻、切れ長の目、薄い唇、キリっとした眉毛—————……が下がった。
「ん?」
美形の顔がどんどん赤くなっていく。
「……っ、すみません。あなたを見てずっと我慢していたのですが、会えなかった時間が長すぎで一気に——……ラットしてしまったみたいです」
周りにいたヤクザ達がその瞬間、ガクガクと足を震えさせて、口と鼻を押さえ始めた。
潤んだ瞳が俺を真っすぐに見つめて手を伸ばしてくる。その手にポンッと錠剤を置いた。
「あぁ、大丈夫ですよ。職業柄、アルファの抑制剤も常備しているのです。水なしで飲めますよ。良かったら使ってください」
「……」
八乙女の目が見開き驚いた。
「コ、コイツ……、八乙女さんのラットに何も動揺しないなんて!」
「八乙女さんを見ただけでも孕んでしまうと噂されるほどお色気の塊だぞ。枯れた俺ですら……くっ」
「ひぃ……トイレ行ってきます!!」
周りにいたヤクザが真っ赤な顔になって騒いでいる。
見た目からベータっぽいけど。アルファのラットにあてられたのか。
いるんだよなぁ、ベータでもフェロモン感度がいいひと。
「だから、さっきから言っているようにフェロモンに対して俺は鈍感なんですって。それが売りです、し……」
ガリィ!
八乙女は俺が渡した薬をイラついたように噛み砕いた。先ほどの笑みを無くし超怖い顔で睨んでくる。
「へぇそうですか、燃えてきました」
「ひぃ」
アルファの威圧力に竦んでいるというより、八乙女自身の迫力に怯える。
「分かりました。ならば私が立て替えておきましょう。それならばいいでしょう? 無利子ですが毎週一万円ずつ僕の家に返済に来てください」
「…………え」
「何か他に文句はありますか?」
青筋立てて睨む八乙女に文句など言える筈がない。そして、頷かない限りこの場から離れることは出来なさそうで、ひぃひぃしながら頷いたのだ。
◇
でも、事態は好転した。
その週末、沢谷が海外から戻って来たのだ。
海外で料理の修行をしていたんだそうだ。俺の家に来て謝ってくれた。
全額ではないけれど、まとまった金はあり既に事務所に払いに行ったそうだ。
事情を聞くために向かったファミレスで一番いいステーキ肉を奢ってもらいながら(1980円、ドリンクバー380円)漁船に乗せられそうになったことを話す。ケーキ(480円)も奢ってもらった。
「もう三栗に被害が及ばないよう事務所で弁護士通して手続きしたから、ホントごめんな!」
高校ぶりに話す沢谷はやっぱりそれほど悪い奴には思えず、ファミレスで別れる際に「またなー」「保証人にはもうならないからな! 元気でな」と言ってさよならした。
帰り道、何気にズボンのポケットに手を入れると、何か入っていることに気が付いて取り出した。
【八乙女 梓】
八乙女の名刺だった。
不要になった名刺にホッと安心した。もう会うことがないことを願い名刺を破ってゴミ箱の中に捨てた。
=================
昨日ご感想頂きました方、大変申し訳ございません。選択ボタンを誤ってしまいました。嬉しいご感想誠にありがとうございました!!とても嬉しかったです。
お読みくださり、誠にありがとうございました!
ドラマの中でしか見たことがない光景に思考が完全に止まる。
「凄い汗ですね? もしかして七生さんも感じてくれているのですか?」
「え!?」
七生? 七生とな?
出会ったばかりの八乙女が親しげに俺の名前を呼んた。何故俺の名前を知っているのだろう。
ヤクザの中で俺の個人情報が駄々洩れになっているのか。
名前を呼ばれる筋合いはないし、俺の汗が凄いのはおたくが札束満タンに入ったスーツケースをこちらに向けてくるからだろう。
「よかったら、コレ使ってください」
八乙女がハンカチを差し出してくれるから思わずそれで汗を拭いた。
拭いた後、もしかしてこのハンカチも高額請求されるんじゃないか? と思っていると、ハンカチを返却するように手を出される。
——良かった。単なる親切。
「失礼しました。お困りの御様子でしたので一気に手堅く固めようかと思いまして。名乗るのが先ですね」
立ち上がって丁寧に両手で名刺を差し出してくれるので、俺も立ち上がって両手で受け取る。
【弁護士、八乙女 梓】
弁護士。ヤクザの顧問弁護士か……。
その弁護士が俺に札束ケースを差し出しお近づきになりたい理由は一体何なのだろう。
貰った名刺から視線を戻すと、彼は魔性という言葉がぴったりな笑顔を見せた。
あんまり綺麗だと悪魔っぽいよね。
「七生さんは、僕のこと覚えていらっしゃらないようですね」
「え!? ど、どこかでお会いしましたでしょ~か?!」
会ってねぇよ!?
こんな絶世の美形に会ってたら、流石に忘れたりしねぇよ! 記憶のページのどの片隅にもこんなイケメン存在しない。
俺に似た別人? あ、人違いか!
俺の顔は、純日本人顔で、よく見かける顔だ。
────いや、まてまて。弁護士は人の顔を覚えるのも得意だろう、そんな奴が人違いをするか?
もしかして仕事先で一方的に俺の顔を見かけたとか? あぁ、それが一番納得出来るよな。
脳内推理をして納得していると、八乙女がさらに恐ろしいことを話し始める。
「僕達、20年前に出会っています。率直に言うと6歳のころからお慕い申しております」
「ひぃい!?」
20年前っておい!
記憶力良すぎか!? 絶対人違いだろ!?
色々ツッコミたいが、……自分の身が大事なので抑える。
「僕と七生さんは運命の番です」
「…………………は、はい?」
目がテン。
漫画表現なら俺の目はテンだよ!?
意味がわからなさすぎて、うまく言葉が脳みそに入ってこない。
「ずっと探していました。もしかして海外に住んでおられたのですか?」
「ひぃ、いえいえ日本育ちです! 海外へ行ったことがありません! 運命の番なんて、ほんとーに人違いです。俺ではありません!」
「いえ、七生さんで間違いありません。ですが、日本ですか? 日本にいるオメガは全員くまなく探したと思ったのですが」
「え?」
俺がオメガだなんて明らかに見当違いのことを言っている。
俺と八乙女が話している内容の食い違いに周りにいるヤクザも気が付いた。
後ろに控えていた若手が「八乙女さん」と声をかけ、俺の身元調査表を渡した。八乙女はそれを受け取り、目を見張った。
「三栗七生。27歳—————……ベータ?」
八乙女は驚いた様子で読み始めた。
今、身元調査を読んでいるということは、俺の名前はそれらから知ったのではないのだろう。
どこかで会ったのかもしれないけど、オメガではないし随分前のことだし勘違いをしている。
八乙女が書類を読んでいる間、俺にも少し考える余裕出来た。
さっきは漁船に乗せられると動揺していたけれど、会社に相談すれば、もしかしたら借りられるかもしれない。
返済する気持ちはあるからこの場は保留して欲しいと伝えると、八乙女は書類を置いた。
「ですから、こちらのスーツケースにある金額で足ります。僕はアルファなので、困っている番を見て放っておけません」
番……。
また、番って言ったな。
アルファとオメガの独自システムをベータに当てはめている。
バース診断は会社の方針で一年に一度受けることになっているので、ベータは確定事項だ。27歳にもなってなんらかの因子によってバース変更があるとは思えない。
番という彼の言葉をとりあえず無視して、お金の話をする。
「その、有難いのですが、そのお金を受け取ることはちょ~っと怖いです」
「怖くはないですよ。さらに八乙女を名乗っていただければ、お金に一生困らない暮らしを保障します。これはただのお近付きの印ということで」
「ひっ名乗る!? 俺が八乙女を!?」
え。え。なにこれ。今俺はプロポーズされてんの?
八乙女に戸籍を移せってこと!?
出会って、まだ十分……、夢? 俺は今夢を見ているのか?!
「喜んでもらえないのですね」
「ひょうへぇ……えー、えー? えっと、……はい。喜べないです」
すると、後ろで「なんだとコルゥラァ!?」「首と胴を離してやろうか!? ァア!?」と若手のお兄さん方が恐ろしい事を言ってくる。
すかさず八乙女が睨むと、若手が黙り込む。
「怖がらせてすみません。七生さんは、俺を見て何か感じないですか? よく見てください」
「何かと言われましても……」
困惑する俺に「もっときちんと見やんかぁい」と若手が脅しに来るので、ビクビクしながら、八乙女を改めてじっくり見つめる。
トップモデル……いや二次元に出てくるような整い方だ。こういうゲームキャラをどこかでみたことある。刀とか銃とか持って無表情で敵を倒すキャラ。
手首や指は骨ばっている。喉ぼとけは大きい。形のいい唇の横に黒子があるのがいやらしい。きめ細かい肌。筋の通った高い鼻、切れ長の目、薄い唇、キリっとした眉毛—————……が下がった。
「ん?」
美形の顔がどんどん赤くなっていく。
「……っ、すみません。あなたを見てずっと我慢していたのですが、会えなかった時間が長すぎで一気に——……ラットしてしまったみたいです」
周りにいたヤクザ達がその瞬間、ガクガクと足を震えさせて、口と鼻を押さえ始めた。
潤んだ瞳が俺を真っすぐに見つめて手を伸ばしてくる。その手にポンッと錠剤を置いた。
「あぁ、大丈夫ですよ。職業柄、アルファの抑制剤も常備しているのです。水なしで飲めますよ。良かったら使ってください」
「……」
八乙女の目が見開き驚いた。
「コ、コイツ……、八乙女さんのラットに何も動揺しないなんて!」
「八乙女さんを見ただけでも孕んでしまうと噂されるほどお色気の塊だぞ。枯れた俺ですら……くっ」
「ひぃ……トイレ行ってきます!!」
周りにいたヤクザが真っ赤な顔になって騒いでいる。
見た目からベータっぽいけど。アルファのラットにあてられたのか。
いるんだよなぁ、ベータでもフェロモン感度がいいひと。
「だから、さっきから言っているようにフェロモンに対して俺は鈍感なんですって。それが売りです、し……」
ガリィ!
八乙女は俺が渡した薬をイラついたように噛み砕いた。先ほどの笑みを無くし超怖い顔で睨んでくる。
「へぇそうですか、燃えてきました」
「ひぃ」
アルファの威圧力に竦んでいるというより、八乙女自身の迫力に怯える。
「分かりました。ならば私が立て替えておきましょう。それならばいいでしょう? 無利子ですが毎週一万円ずつ僕の家に返済に来てください」
「…………え」
「何か他に文句はありますか?」
青筋立てて睨む八乙女に文句など言える筈がない。そして、頷かない限りこの場から離れることは出来なさそうで、ひぃひぃしながら頷いたのだ。
◇
でも、事態は好転した。
その週末、沢谷が海外から戻って来たのだ。
海外で料理の修行をしていたんだそうだ。俺の家に来て謝ってくれた。
全額ではないけれど、まとまった金はあり既に事務所に払いに行ったそうだ。
事情を聞くために向かったファミレスで一番いいステーキ肉を奢ってもらいながら(1980円、ドリンクバー380円)漁船に乗せられそうになったことを話す。ケーキ(480円)も奢ってもらった。
「もう三栗に被害が及ばないよう事務所で弁護士通して手続きしたから、ホントごめんな!」
高校ぶりに話す沢谷はやっぱりそれほど悪い奴には思えず、ファミレスで別れる際に「またなー」「保証人にはもうならないからな! 元気でな」と言ってさよならした。
帰り道、何気にズボンのポケットに手を入れると、何か入っていることに気が付いて取り出した。
【八乙女 梓】
八乙女の名刺だった。
不要になった名刺にホッと安心した。もう会うことがないことを願い名刺を破ってゴミ箱の中に捨てた。
=================
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お読みくださり、誠にありがとうございました!
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