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番外編 3 拓郎君の下着が手から離れない……。何故だ。
「おはよう。僕のエンジェル。愛しているよ」
「…………」
「ふふ。まだ眠そうだね」
朝だ。
社長のドアップと、固くて弾力のある腕枕の衝撃で完全に目覚めている。だが、額にチュッとキスを落としてくる甘さに、また目を瞑った。
————……起きて、真っ先にエンジェル呼びされる俺の気持ちが分かるだろうか。
誰に問いかけるわけでもなく、自分の心が問うている。
昨日、社長……うん、せいちゃんが俺の家へとやってきた。
彼の予測不可能な行動は今に始まったことがないので、驚きは少なかった。まともな格好だったので部屋に招き入れると、いつも自信溢れている彼にしては戸惑っているというか、挙動不審だった。
さらに俺に手紙まで渡してくる。同居を断ったことがそんなに不安だったのだろうか。
——やっぱり、俺が未だにちゃんと彼に答えを出していないのが悪いんだろうな。
自分の態度に反省しながら、もう少し彼ことを知ろうと思ったのだ。恋心が卵? だとかよく分からない彼の発言は置いておいて、折角家にきたのだから、酒でもどうだと声をかけた。
「……それはっ……っ、……っ」
「?????????」
ブルブルと震えながら、彼が小声で「……………お誘いだろうか」と呟いた。
だから、酒を飲もうかって誘ってんじゃん、と頷いた。
その瞬間だ。
飛びつかれた。
「拓郎くんっ」
「ふっぐっうっ!?!?」
ぶちゅーっとキスをかまされ、息が出来ないくらい力強く抱きしめられた。
————そして、結果がこれだ。男二人がパイプベッドにみっちり密着している状態だ。
目を瞑っている俺に彼がバードキスを降らしていく。
ブチュブチュ、飽きないのか……?
「昨日はとても素敵だった。聖なる輝きを持つ君の身体に触れる度、僕の全身が脈を打ち欲望がずっと溢れてくるんだ」
「………」
意味が分からない。意味が分からないのに恥ずかしくて、俺はもう目を開けたくない。
「あぁ、君の身体にバラの花びらが舞っているみたいだ」
そう言って、社長が俺の羽織っているシーツをスーッと下げようとするので、ギュッとシーツを掴んだ。
俺の身体の状態を、見るんじゃァない!
この男は野獣だ。俺のあちこちを吸われてしまった。もう原型なくなるのではないかと思うくらい全身噛まれ吸われ舐められた。そして、必要以上に乳首を弄られて、今ヒリヒリしているんだ! …………それで物凄く気持ちよくなってしまう自分も自分なので、グッと文句を堪えているわけだが。
「ふ。寒かったかな? ごめんね」
そう言いながら、俺の身体をギュウッと抱き締めてくる。
「君が寒くないように、僕が君の毛布になるよ」
そう言って益々ギュウギュウに抱きしめられキスされる。
密着していることで分かるが、せいちゃんの性器がまたおったててないか……。いや、確実に芯もっているじゃん。これは、このまま寝たふりをしてはいけない。
「お、起きるから、やめてくれ……」
彼の身体を突っぱねて、起きようとして身体がギシギシ変に軋む。変な風に身体をまげたせいで筋が張ったり、筋肉痛になっている。上体を起してそのまま蹲った。
「拓郎君、大丈夫かい?」
「いや……。大丈夫じゃない。全然大丈夫じゃないよ。あのさ、これだけは注意しておくけど、俺は男同士の性行為はせいちゃんが初めてなんだから気を使ってくれ」
「う(初めてだから優しくしてほしいというパワーワード!?)」
「俺、何度も出したくないって言ってんのに、ずっと弄って来るし、揺さぶって来るし。色々痛い」
文句を言っているのに、せいちゃんは顔を赤くして破顔しそうなのを堪えている。
せいちゃん……、いつから、そんなヘンテコになっちゃったんだ? 昔はそんなじゃなかったじゃん……。
小学生の頃。うん。せいちゃんが小学六年で転校するまで、親友としてずっと一緒だったが今とは全然違う。
マシュマロ体形で大人しくて、でも穏やかで。いつもにこにこと微笑んでくれていた。凄い癒されたのに。
「…………思い出して鼻血出そうだ」
なんて、勃起しながら言うタイプじゃなかった。
俺の冷たい視線を感じたのが、せいちゃんはハッとして立ち上がった。
「……ゴホン。すまない。まだ寝ていてくれ。コーヒー入れるよ」
筋肉ムキムキの身体にシャツを羽織る。いつもきちんとしているせいちゃんがシワシワのシャツを着ている。顔がいいと何でも似合って得だ。
キッチンに向かった彼に珈琲の場所を口頭で教えた。
「デリバリーも頼んでいいだろうか?」
「お好きにどうぞ」
身体の痛みにちょっと塩対応だ。もう好きにやらせよう。すると、彼が部屋の散らかったモノを片付け始める。
そんなことする必要はないとももう言わない。今日は一日掃除するのも億劫だ。
すると、急に社長が動きを止め、静かになった。
「……?」
社長の手には昨日俺の履いていたパンツが……。
昨日は何がなんだか分からない突風のように彼が攻めてきたので、色んなものが散らかったままだった。——……だか、パンツはそのようにマジマジと見つめるものではない。
別に模様も何もついていない、コロクロで2枚1000円とかで買えるものだ。どこにでもある。
何をそんなに見つめて悩んでいるんだ。
「拓郎君の履いた……下着……手から離れない。どういうことだ?」
「……」
俺は、なんで彼と付き合っているのだろう。
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お読み下さりありがとうございます!!わわ…読み返して頂いて…大変嬉しいです!ご感想大変励みになります。お越しくださりありがとうございました!
最高にダサ可愛い(笑)やばいくらいニヤニヤからの大爆笑〜。これはアカン、1人でこっそり籠もって読むべき。攻め様のモダモダにキューンです。
白眼様
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