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「──ん、ふぅ……っ」
部屋に入った途端、ザガンは速攻で俺を抱き締め、唇を奪った。
キスなんぞ、生まれてはじめてするのに、容赦ない。舌を口腔内に突っ込まれ掻きまわされ、舌同士を絡ませて、舌を吸われる。
驚く暇もない、息も出来ないほどむしゃぶりつかれ、すぐに思考も奪われた。
身体に力が入らなくて、いつの間にか俺はザガンに抱っこされてキスしていた。
「ん、……んはっ、はぁっ!」
濃厚なキスが軽めのものになったので、息を思いっきり吸う。
だが、まだ続いている。こんなにキスってするものなのか⁉
「全然余裕がもてねぇ……、がっついてんの分かってて言うんだけど。ルアのこと抱きたい」
「……っ」
「駄目?」
さようなら……俺の処女……しくしくしく。
だが、部屋までついて来て、ごねても仕方あるまい。
諦めの境地で頷いて、自らベッドに向かい、仰向きに倒れ込んだ。
もうどうとれもなれと両手両足をピンッと伸ばして身体を差し出す。ぎゅむっと唇も瞼も閉じた。
こういうときは勢いだ。
さぁ、ひと思いにやれ!
「ルア」
ザガンは艶のある声で囁くと、俺を裸にひん剥いた。
互いに横向きに寝そべりながら、骨ばった手は俺の身体のあちこちを触った。“がっついている”と言うわりにはその手に性急さはない。
「へ──うわわ⁉」
俺の尻を撫でている手が急に温かくなった。それだけじゃなく、尻の中に液体が溢れるような感覚がする。驚いて変な声を上げた。
「大丈夫。準備魔法だ。クリーン魔法、拡張魔法、潤滑魔法……必要な三点魔法を施した。痛くないよう、たっぷりめに潤しといたけど、どうだろ?」
尻を撫でるザガンの手が割れ目の奥に触れる。言う通り、そこはたっぷり濡れていた。
「ん!」
ぬぷっと微かに指が入ってきた。
痛みはないが、異物感はある。我慢、我慢……と胸の内で呟いていれば、ザガンの手が胸の尖りを撫でた。それから背後から顔を覗き込まれてキスされる。
「ん、んっ、んんんっ⁉」
指をずっぽりと根本まで入れられた。けど、キスや乳首の快感も強くて、どこに気をやっていいのか分からない。
すべて丁寧にゆっくり動かされた。
恐らくザガンは相当こなれている。俺の反応の変化でより一層気持ちいいところを探ると、ピンポイントでそこを責めてくる。
「んぁ、はぁっ、んんんあっ、にゃにこれっ、そこっ、ら、め……!」
「ここのふくらみ?」
「んふぁあっあ!」
「ここな、覚えた」
「あうっ⁉」
はじめてなのに、尻が気持ちいい⁉
ゴッドハンド過ぎる!
腰が勝手に前後に揺れはじめる。恥ずかしいけれど、止まらない。
「指増やしたけど、痛くねぇ?」
「はう……ぁう、はふぅっ」
「大丈夫?」
「ぅ……ん、……うんっ」
「ルアは天才だな。力を抜くのも感じるのも上手い」
褒め言葉と優しい愛撫で脳みそを蕩けさせながら、ザガンは快感をしっかり俺の身体に覚え込ませる。
「っ」
ザガンの長大な性器を受け入れたときだけ、苦しくて息を詰めた。けど、すぐにそれも快感に変わる。
内壁を擦るように突かれると、身体全体が痺れる。
「???」
あれ、俺……?
「ん、また白いの出た? 身体ぴくぴくしてんね、疲れた? 休憩しよっか」
休憩と言ったのに、ザガンはキスだけは続ける。
甘いと言われながら、口の中を余すところなく舐められて、また蕩けさせられる。
惚けていると、身体を反転させられた。それから、またぬぷっと体内に大きなものが入ってくる。
真正面から大きくゆっくり揺さぶられた。気持ちいいところトントンされるたび、身体がおかしくなる。
「ぅっう……ん、んはっ。とま……、つっ、突か、ないで……ま、た……でりゅ、でりゅか……にゃ、ぁあ……」
「いっぱい出してよ。俺だけ溺れているんじゃ、淋しいからな」
ずっと怖いくらいの快感が続く。ザガンの方も俺の中に何度か出しているのに、萎える気配がない。
揺さぶる男に助けてほしくて、しがみつく。
「そう」
「ふぁっあ、ぁ、あっ」
「そうだ……頼むから。これからは、そうしてくれよ」
ザガンはそう言って俺を包み込むように抱き締めた。
◇
……勇者ってチートだ。
ザガンの相手をして眠ったあと、天井を見ながら俺は賢者タイムに入っていた。
ザガンは性技も精力も体力も持続力も並大抵じゃない。エッチ中の甘さも加えてその技を駆使すれば、どこの国のどんな王女だって虜にさせられるだろう。
横を見れば、ザガンは穏やかな寝息を立てて眠っている。
「……」
眠っている顔はまだあどけない。
昔のことを思い出し、胸が切なくなった。俺だってザガンと好きで離れたわけじゃない。
再会して驚きの連続の中に、ほんわかと俺を忘れていない嬉しさもあった。
けど、ペットとして暮らせない。
エッチして分かっちゃったけど、ザガンが娶る相手を見届けるのは、嫌なんだ。
「これで……お役目ごめん、だろ。亀ばあ」
重い身体をゆっくり起こし、ぽつりとつぶやきながら、ザガンの頭を撫でた。
──ん?
俺の薬指に見慣れた指輪が嵌っている。それは俺の指には合っていなくて、ぶかぶかしている。
──ザガンの指輪? なんで、俺の指に?
「ピッピのリングじゃちっちゃくってさ。サイズ調整しないとな」
「っ!」
眠っていると思っていたザガンは薄目を開けていた。
ていうか、ピッピのリング?
「ザガン、俺がピッピだって……分かってたの?」
「ん? ルアは人とけものの両方なれるんだろ。一番最初に出会ったとき、人型だったよな。俺、記憶力はいいから」
「……」
「けど、随分昔のことだからさ、久しぶりに人型をみたときの衝撃は凄かった。すぐにメロメロになってしまってよ。がっついて悪かったな」
俺がピッピだって、分かってセックス!?!?!?!? この男の性癖って⁉ いや、今考えるのはそこじゃない……
「お前は、俺のことをペットだと思っているんじゃ……」
「あぁ、そこら辺にいるあほな芋どもが言ってたな。そんなわけないじゃん」
あほな芋……?
ザガンはのっそりと上体を起こし、俺を膝上にのっけた。
「ルアは家族が欲しかったんだろ?」
「……」
「時折、淋しそうにしてたの知ってたんだ。だから俺はルアの家族になろうと思った。ずっとそばにいて、安心させたかった」
ザガンは“薬指に嵌める指輪の意味はひとつしかない”と言って、薬指に嵌ったぶかぶかの指輪を指で弄る。
「俺とツガイになって。家族になろう、ルア」
「……っ」
いつかの──ザガンが地面に書いた俺たちの絵を思い出す。ぐるぐると円を描いて、家族だって伝えてくれた。
ずっと……覚えてくれていたのか。
「ぴ」
ぽんっと俺はけもの姿になった。
「ぴぃい……」
べしょべしょと涙が出てくる。
そんな俺をザガンは手のひらに乗せて、愛おしそうに頬ずりをした。
おわり。
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(๑˃̶͈̀∇˂̶͈́)و˚*サイコーーー♪+゚*。:゚+
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すずらん様
お読みくださりありがとうございます!わわっ、なろうでもこちらでもお読みくださって!?なんと光栄な…嬉しいです。ありがとうございます!ホワホワな生き物が書きたいなと思い書いた作品でした。
お越しくださりありがとうございました!