立派な養い子がいつまでたっても巣立ちません。

モト

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「……っ」
ビクリと思わず身体をすくませる。腰を掴まれていた手がするすると腹部を撫でる。

こいつ、わざと変な触り方してないか?
「やめっ……」
「マクさん、全身凄く凝ってる。今からでもマッサージしましょうか?」
「ち、違うっ! これはお前が触るから、身体を固くしただけだっ!」

ふーん。とリヒテルが後ろで俺の首筋を吸い付きながら、言う。

「いつものマクさんは俺がこの程度じゃれつこうとも平気ですよ。いい加減にしろと言うだけ」
「いい加減にしろっ!」

ははっと笑うリヒテル。そして、簡単に身体を離された。
「お前、俺で遊ぶなっ!」
「ひどいですね。マクさんに構ってほしいだけなのに」
「子供かよ」

リヒテルが会話を切り上げキッチンから出た。
は——っと全身息が吐ける。




その後、食事を摂った。リヒテルが色々話していたが、俺一人だけ気まずくて奴の目を合わす事が出来ない。
それを紛らわせる為に、ワインを開けて飲む。いつもよりピッチが早く量も多くなってしまった。
こんな年になって、自分の飲める酒量を超えて立ち上がれないほど酔っ払うなんて……。

俺が飲んでいるのを傍で見ていたリヒテルが立ち上がった。
晩酌が長くなりそうだから、自分の部屋に戻ったのかと思ったら、すぐに戻ってきた。
戻ってきて、俺の肩を抱き寄せる。

「———んあっ!」
「飲み過ぎですよ。本当にどうしちゃったんです? ちょっと揺さぶっただけでそんな反応を返されるなんて思わなかった」

揺さぶっただけ? なんの事? 
俺の腕をリヒテルの肩に回し、腰を支えながら立ち上がらせる。
慣れた介抱。
最近じゃあまり潰れるまで酔う事はなかったけれど、義足になった一年はよく飲みまくって潰れた事があった。
その時、どんなに八つ当たりしても、リヒテルは介抱してくれ、着替えさせてソファーに寝かしてくれるんだ。


「マクさん、義足外しますよ」
ソファに寝かされ、動作の一つ一つ、丁寧に声をかけてくれる。
その声に安心する。
ズボンを外され、シャツのボタンも外されるのをぼんやりと見ていると、リヒテルが俺の身体をなぞり始める。
「————?」
彼の手が脇腹や胸を撫でてくすぐったくて、よせっと首を横に振ろうとすると、リヒテルの長くてキレイな手が目を軽く覆った。
そして、片方の手で頬を撫でられる。
耳元にリヒテルの顔を寄せられる。

「マクさん、安心してください。よく眠れるように触れるだけですよ」

そう言って、頬に置いた手が首に移り、鎖骨をなぞり、そして、胸を落ち着かせるように上下に撫でる。
「……っ、よ、せ」
お前のその手で触れられるのは我慢が出来ない。
「平気です。マッサージと同じです。何も怖いことなんてないですから」
「い、やだ」
信用できなくて首を振ると、経静脈の上の皮膚を甘噛みされる。獣人の本能的な部分だろうか。動けなくなった俺に甘噛みした部分をペロペロと舐め吸われる。

リヒテルの手が胸の尖りを触れ出して、クルクルとその尖りの周りを指で周り、そして、ツンツンっと指で中心を突く。
今まで、どんなに好きだと言っても行動に移された事はなかったのに、どうして、今のタイミングで!?
乳首を吸われるとピリピリと身体に小さな電流が流れる。
「……っ、あ!」

声が漏れるのが恥ずかしくて、自分の手を噛む。
「恥ずかしくなんてないですよ。俺しか見てないです」
それが、恥ずかしいのだ。育てた子供にこんな事されて感じている自分が恥ずかしい。

それなのに、俺の目を覆っていたリヒテルの片手が外れた。瞑っている目を開けると、リヒテルの真剣な目とぶつかる。
「……っ!」
息を呑んでその目に怯えたのに気づいたリヒテルは優しく笑う。

そして、リヒテルは上体を起こして俺の片足に口づけて、大事そうにキスを落としていく。
身体を捩って、抵抗しようにも、頭も体も重たくて力が上手く入らない。

「逃げないで。マクさん」
「————ぁっ」

ずり上がった身体をまたリヒテルの元に戻され、そして、下半身がベタベタになるくらい舐め回される。
そして、緩く立ち上がった性器をいとも簡単に咥え、根元まで一気に咥えられる。どこもかしこも食べられている感覚に陥る。
デカい口が……舌が……纏わりついてくる

「————うっ、ンふぅ……う」
じゅるじゅるとわざと音を出されて舐められ吸われ、我慢しようにも出来ない。我慢しないでいいというようにさらに吸われる。
リヒテルの口の中で放ち、それを飲むリヒテルの喉が上下した。その動きを見ていると、リヒテルが性器からゆっくりと顔を離した。

ゾクリとするリヒテルの表情だった。
なんて、表情するんだ。俺のを含んで欲情してんのか……。
その表情のまま、俺の顔にすり寄ってくる。すりっと首筋に額を押し付けてくる。

「……っ」
「……マクさん、これからは俺がしたいです。全部。玄人の女なんかどうでもよくなるような気持ちいいこと」

玄人? なんで? そのことをリヒテルが知って?

リヒテルは立ち上がって、温かく濡らしたタオルで汚れた俺の身体を拭き始めた。
下着とシャツを交換され、そして、何もなかったかのようにマッサージを始めた。
気持よくて、いつもなら簡単に声を漏らしていたのに、先ほど愛撫された記憶が蘇って声を抑える。
声を抑えると、身体が固まって、リヒテルの指をよく追ってしまう。

「———ふっ、う、……ん」
我慢して、目をぎゅっとつぶっていると、頭を撫でられる。

「マクさん、眠って。何も怖くなんてありませんよ」
いつもの事のように言う。……いや、この行為をリヒテルはいつもの事にしたいのか……。






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