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アルフェリア 8
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数日後、勇者一行がアルフェリアにやって来た。
他国を武力で制圧してきた強国グランベルノ王国の勇者と言う事もあり、前の戦争で家族や知人を無くし、フリント王国から移り住んだ者の多いこの国で、彼らを歓迎する人はいない。
町の人達は、普段通りの生活を営むだけだった。
「初めまして、グランベルノ王国から来ましたミツヤと申します」
受付に現れた勇者を前に、緊張したリリの声が上擦った。
「よ、ようこそ、アルフェリアへ。皆さんのお越しをお待ちしておりました」
リリは、勇者一行をテーブル席に案内した。
「直ぐに館長をお呼びしますので、ここでお待ちください」
丸テーブルの席に座った勇者達を周りに居た冒険者達や専従者達は、距離を取って眺める。誰も彼らに話しかけようとはしない。
「ようこそ、アルフェリアギルド会館へ。私は、館長のスライブです」と、スライブは手を胸に当てお辞儀をした。
「初めまして、スライブ館長。私は、グランベルノ王国の第四王女リリアです」
スライブとやり取りをするのは、同行した王女リリアだ。十八歳の彼女は、長く美しい金髪をなびかせる。大きな青色の瞳は、とても澄んだ色をしている。王国でホワイトウィッチと呼ばれる彼女は、どんな能力を持っているのだろうか。
リリアは、スライブに一緒に行動する仲間の紹介をする。
グランベルノ王国の勇者ミツヤ・タカハシ。彼は、聖剣を腰に携えている。装備は鋼の胸当てにショートブーツと軽装だ。見た目は、十代後半の黒髪の清潔感のある男性。この世界の平均的な身長170センチぐらいに感じる。
双子の姉妹エレスとリミアは、魔法使い。エレスは、赤く長い髪の毛で大きな茶色の瞳の少女。黒いローブを身に纏い、赤色の石がはめ込まれた木の杖を持つ火の魔法使い。リミアは、青く短い髪の毛で眼鏡をかけた黄色の瞳の少女。白いローブを身に纏い、青色の石がはめ込まれた水の魔法使い。二人とも十六歳と若い、本当に勇者と同行して行けるような実力の持ち主なのだろうか。
重厚な鎧を着て大きな剣と盾を携えていたのは、王国騎士のケン・ハーロット。彼は、メンバーの中で一番年上になる。二十二歳と話す彼は、金髪の美形騎士だが、騎士団では中堅に位置するのであろう。終始彼は、落ち着いていた。
彼らは、リリアから紹介されると順番に席を立ちスライブに軽く会釈をした。
「魔獣討伐に出かけるには、もう遅いので、本日はこの町でお泊り下さい。明日の朝にギルドの人間が、魔獣の住処へご案内します」
勇者一行はスライブの説明を受け、明日の朝ギルド会館へ改めて来ると言って出て行った。彼らの後姿を見ていたスライブは、本当に彼らだけで魔獣討伐が出来るのだろうか疑問に思った。年齢や装備で彼らの強さは、はかれないのかも知れないが、不安になる。
クリスがプルートの店で夕食を取っていると、勇者一行が店に入ってきた。
「いらっしゃい、どこでも空いている席にどうぞ」と、プルートが彼らに声を掛けた。
勇者一行が無言で空いている席に座ると、隣に居た客達は席を移る。彼らとは、関わりたくない人間が多いようだ。そんな雰囲気でも、彼らは気にする素振りをしなかった。
「歓迎されていないな」と、ケンが吐き出すように話した。
「しょうがないよ、私達の国がして来た事を考えるとね」と、エレスとリミアが声を揃えた。
「そうね、ここは中立国だけど、警戒されるわね」
「王女自らそんな事を言わないで、王の命令に僕たちは従うだけだから」と、ミツヤがリリアに話しかけた。
彼らの会話から、自分たちの国の行いが全て正しい訳では無いと理解しているようだ。フォークにサイコロ状にカットされた肉を指したクリスは、プルートに注文を取らなくて良いのか聞いた。
「えーと、何にしますか? 酒ですか、食事ですか」
「食事で頼む、そこのカウンターに座っている方と同じものをお願いする」と、ケンが答えた。
「酒は、どうしますか」
プルートの問いかけにケンは、「酒は要らない、私以外は酒を楽しめる年齢では無いので」
周囲から笑い声が漏れる。店に居た客達は、若い彼らを馬鹿にするつもりは無かったが、王女にとってはそうでなかった。
「お酒を飲まないと、私達を侮辱するのですか」と、リリアは立ち上がるとテーブルにバンと両手を強く置いた。
客達は、その言葉に沈黙する。勘違いとは言え、王女の行動は店の雰囲気を悪くした。食事を済ましたクリスは、カウンターにお金を置くと立ち上がり王女の傍に歩み寄った。
「誰も馬鹿にしていませんよ。そちらの騎士さんの言葉が、軽妙なジョークに聞こえただけですよ。みんな、ジョークだと思って楽しくて笑っただけ」
「そうなのですか? 本当なら、私の勘違い・・・」
「そうだよ、みんな悪意があって笑ったんじゃないから。許してやってくれよ。みんなもそうだろ」と、クリスの言葉に客達は酒の入ったジョッキを片手に賛同した。
「申し訳ございませんでした」
「みんな、楽しくやろうぜ。明日は、朝早いから早く宿で休みなよ」
「えっ、あなたは?」
「俺は、クリス。明日、君たちの案内をする予定だ。よろしく頼むね」
「そうでしたか、こちらこそよろしくお願いします」
手を振り店を出て行くクリスに、客達ががどよめいた。
ウィムジーが勇者達の案内をすると聞いて、大丈夫か心配になったのだ。
客達の言葉を耳にした、リリアとケンは不安な表情を見せた。
他国を武力で制圧してきた強国グランベルノ王国の勇者と言う事もあり、前の戦争で家族や知人を無くし、フリント王国から移り住んだ者の多いこの国で、彼らを歓迎する人はいない。
町の人達は、普段通りの生活を営むだけだった。
「初めまして、グランベルノ王国から来ましたミツヤと申します」
受付に現れた勇者を前に、緊張したリリの声が上擦った。
「よ、ようこそ、アルフェリアへ。皆さんのお越しをお待ちしておりました」
リリは、勇者一行をテーブル席に案内した。
「直ぐに館長をお呼びしますので、ここでお待ちください」
丸テーブルの席に座った勇者達を周りに居た冒険者達や専従者達は、距離を取って眺める。誰も彼らに話しかけようとはしない。
「ようこそ、アルフェリアギルド会館へ。私は、館長のスライブです」と、スライブは手を胸に当てお辞儀をした。
「初めまして、スライブ館長。私は、グランベルノ王国の第四王女リリアです」
スライブとやり取りをするのは、同行した王女リリアだ。十八歳の彼女は、長く美しい金髪をなびかせる。大きな青色の瞳は、とても澄んだ色をしている。王国でホワイトウィッチと呼ばれる彼女は、どんな能力を持っているのだろうか。
リリアは、スライブに一緒に行動する仲間の紹介をする。
グランベルノ王国の勇者ミツヤ・タカハシ。彼は、聖剣を腰に携えている。装備は鋼の胸当てにショートブーツと軽装だ。見た目は、十代後半の黒髪の清潔感のある男性。この世界の平均的な身長170センチぐらいに感じる。
双子の姉妹エレスとリミアは、魔法使い。エレスは、赤く長い髪の毛で大きな茶色の瞳の少女。黒いローブを身に纏い、赤色の石がはめ込まれた木の杖を持つ火の魔法使い。リミアは、青く短い髪の毛で眼鏡をかけた黄色の瞳の少女。白いローブを身に纏い、青色の石がはめ込まれた水の魔法使い。二人とも十六歳と若い、本当に勇者と同行して行けるような実力の持ち主なのだろうか。
重厚な鎧を着て大きな剣と盾を携えていたのは、王国騎士のケン・ハーロット。彼は、メンバーの中で一番年上になる。二十二歳と話す彼は、金髪の美形騎士だが、騎士団では中堅に位置するのであろう。終始彼は、落ち着いていた。
彼らは、リリアから紹介されると順番に席を立ちスライブに軽く会釈をした。
「魔獣討伐に出かけるには、もう遅いので、本日はこの町でお泊り下さい。明日の朝にギルドの人間が、魔獣の住処へご案内します」
勇者一行はスライブの説明を受け、明日の朝ギルド会館へ改めて来ると言って出て行った。彼らの後姿を見ていたスライブは、本当に彼らだけで魔獣討伐が出来るのだろうか疑問に思った。年齢や装備で彼らの強さは、はかれないのかも知れないが、不安になる。
クリスがプルートの店で夕食を取っていると、勇者一行が店に入ってきた。
「いらっしゃい、どこでも空いている席にどうぞ」と、プルートが彼らに声を掛けた。
勇者一行が無言で空いている席に座ると、隣に居た客達は席を移る。彼らとは、関わりたくない人間が多いようだ。そんな雰囲気でも、彼らは気にする素振りをしなかった。
「歓迎されていないな」と、ケンが吐き出すように話した。
「しょうがないよ、私達の国がして来た事を考えるとね」と、エレスとリミアが声を揃えた。
「そうね、ここは中立国だけど、警戒されるわね」
「王女自らそんな事を言わないで、王の命令に僕たちは従うだけだから」と、ミツヤがリリアに話しかけた。
彼らの会話から、自分たちの国の行いが全て正しい訳では無いと理解しているようだ。フォークにサイコロ状にカットされた肉を指したクリスは、プルートに注文を取らなくて良いのか聞いた。
「えーと、何にしますか? 酒ですか、食事ですか」
「食事で頼む、そこのカウンターに座っている方と同じものをお願いする」と、ケンが答えた。
「酒は、どうしますか」
プルートの問いかけにケンは、「酒は要らない、私以外は酒を楽しめる年齢では無いので」
周囲から笑い声が漏れる。店に居た客達は、若い彼らを馬鹿にするつもりは無かったが、王女にとってはそうでなかった。
「お酒を飲まないと、私達を侮辱するのですか」と、リリアは立ち上がるとテーブルにバンと両手を強く置いた。
客達は、その言葉に沈黙する。勘違いとは言え、王女の行動は店の雰囲気を悪くした。食事を済ましたクリスは、カウンターにお金を置くと立ち上がり王女の傍に歩み寄った。
「誰も馬鹿にしていませんよ。そちらの騎士さんの言葉が、軽妙なジョークに聞こえただけですよ。みんな、ジョークだと思って楽しくて笑っただけ」
「そうなのですか? 本当なら、私の勘違い・・・」
「そうだよ、みんな悪意があって笑ったんじゃないから。許してやってくれよ。みんなもそうだろ」と、クリスの言葉に客達は酒の入ったジョッキを片手に賛同した。
「申し訳ございませんでした」
「みんな、楽しくやろうぜ。明日は、朝早いから早く宿で休みなよ」
「えっ、あなたは?」
「俺は、クリス。明日、君たちの案内をする予定だ。よろしく頼むね」
「そうでしたか、こちらこそよろしくお願いします」
手を振り店を出て行くクリスに、客達ががどよめいた。
ウィムジーが勇者達の案内をすると聞いて、大丈夫か心配になったのだ。
客達の言葉を耳にした、リリアとケンは不安な表情を見せた。
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