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第3章 白狼と最愛の人
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両家に挨拶はしたものの、なかなかサバル国王からの連絡は無い。そしてミア自身、父であり国王であるアイバンが忙しくしており会えない為、会議の進捗を聞くことができずにいた。
結婚できるのか不安に思いながらも、ミアが頻繁にガイアスの屋敷を訪れ、一緒に過ごす時間が増えたことで、2人は今しかない婚約期間を満喫していた。
それからしばらくして、サバル国王に城へ呼ばれたガイアスとミアは、謁見の間ではなく別の豪華な部屋へ
通された。外交などで使うその部屋は、以前サバルの王とアイバンが飲んでいたアットホームな空間とは違い、豪華絢爛といった様子だ。
「2人ともよく来た。」
王に礼をする2人だが、横にはアイバンが座っており、ミアが久々に見る父に声を掛ける。
「父上、なんでここに?」
「ミア久しいな。」
「2人に知らせがあってな。」と言うアイバンに、ミアは期待の目を向ける。隣のガイアスは少し緊張した様子で、手を握りこんでいる。
「お前達の結婚についてだが、おそらく半年後にはできるだろう。」
その言葉に2人して顔を見合わせる。
アイバンは最近、連夜サバル国王と会議を重ね、王宮内でも話し合いを行っていた。そして両国ともに、同性の狼と人間が結婚するにあたっての法を新しく定めたという。
サバル国王も尽力してくれたようで、昨日の最終会議で決まった内容は、ガイアスが提示した案とほぼ変わらないものだった。そして、反発してくる者に関しては、ガイアスが遠征の褒美を使ったことを告げると、黙り込んだと言う。
ミアは話には聞いていた褒美がどれだけの効力を持っているのかを初めて知ったとともに、そんな大切なものを自分との為に使ってくれたことに嬉しくなった。
(てか、その遠征ってどんだけ辛いんだろ…)
ミアとガイアスの場合は子どももできないため、国籍が別でも問題ないだろうと落ち着き、また勤務にさしつかえがなければどちらの国に住んでもよいということに。その新しい法は年をまたいで発表するとのことで、その後であればすぐにでも結婚できるとのことだった。
王達の言葉に目を輝かせるミアと、横で嬉しそうに微笑むガイアス。そんな2人にアイバンは「今から2人は忙しくなるぞ。」と口の端を上げて笑う。
「シーバでミアの結婚のお披露目式をするからな。」
「え。」
お披露目式という言葉に、ミアが「げっ、」と顔を歪ませる。王族としてお披露目くらいはすると考えていたが、大々的な式にしようとしている父に、嫌な予感がした。
「新しい法を知らしめる良い機会にもなる。お祝いで王宮を開ければ、国民も喜ぶだろう。」
うんうんと頷いているアイバンに、また準備の日々が始まることを理解し項垂れるミア。しかし、隣のガイアスは頬を少し上気させて「はい。」と返事をしている。
嬉しそうなガイアスに、自分も結婚できることの幸せをじわじわ感じ出したミアは、父とサバルの王に改めて礼を言った。
・・・・・
「ガイアスから呼び出したぁ、珍しいな。」
「さぞかしびっくりすること言ってくれるんだろうな。」
今日もワイワイと勝手に盛り上がっている自衛隊の剣舞のメンバー。
本当に忙しい人達であるにも関わらず、「お伝えすることがある」とのガイアスの一言に、仕事の定時ぴったりに自衛隊の各部署から続々とガイアスの執務室へ集まった。
ミアの誕生日のお披露目式後、2人の関係について聞くために集合していた隊員達は、また今回も誰一人欠けることなくガイアスの元へ集まった。
今日は定時を過ぎると、この部屋には誰も入らないよう連絡をしている。なぜか部屋にいるマックスとケニーは無視し、ガイアスはここで結婚することを知らせようとしていた。
前回呼び出された時、進展があった時は必ず知らせろと約束させられていたガイアスは、少し面倒だと思いながらも、あの後どこにもミアと自分の関係について漏らさなかったメンバーには感謝していた。
口が堅く信用できるこの人達の頼みとあれば伝えないわけにはいかないだろうと、今日声を掛けたのだ。
(まさか全員来るとは思わなかったが。)
自衛隊の中でも特別忙しい人材を前に、早めに要件を言おうとガイアスが口を開く。
「大事にしてしまってすみません。今回、ミアと婚約しましたので報告を…」
ガイアスの話の途中で「本当か?!」と声を出した第4隊隊長。その声に続いて他のメンバーも大きな声で驚きの声を上げる。
その後も結婚はいつかと聞いてくるメンバーに「決まっていません」と告げたガイアスは、式については言って良いとアイバンから許可を得ていた為、シーバ国でのみすることを伝えた。
それと共にサバル国で式や披露宴をする予定は無いと言うと、全員からブーイングが起こった。
「せめて俺達には祝わせてくれよ。」
そう言って肩を組んでくる隊長に、皆が頷いて賛成する。弟のようなガイアスを祝いたいと口では言っている隊員達だったが、ガイアスにはその魂胆が見えている。
(ミアに会いたいだけだろ…)
ガイアスは騒ぎ続ける隊員達に、仕方なく「分かりました」と祝いの席への参加を約束をさせられた。
・・・・・
「何か食べるか?」
「うーん、フルーツが入ったのがいいな。」
「そうだな…」と言って2つを指差して説明する。
ミアとガイアスは街のカフェに来ている。店の前を通った時に、ガイアスが学生時代に通っていた店であることを伝えると、入ってみようということになったのだ。
「ミアが好きそうなのは…これかこれだな。」
ミアの好みをばっちり把握しているガイアスは、クリームとフルーツを薄い生地で包んだものと、フルーツケーキを指さした。メニューをパラパラとめくり、「他は酸味のあるフルーツが入っているからミアは無理だろう」と付け加える。
2つとも魅力的で味が気になるところだが、ミアは悩んだ結果、1つに絞った。
「じゃあ、このケーキにする。」
「俺はこっちにしよう。食べるだろ?」
選ばなかった方を指差して尋ねるガイアスのさりげない優しさに、ミアは胸がキュンとする。
「食べたい、ありがと。」と言って手を握ると、ガイアスは微笑んでミアの手の甲を指で撫でた。
スイーツとお茶で満たされた2人は、先程立ち寄った店で購入した品について話す。
「本当に新しく買わなくて良かったのか?」
「うん、俺この指輪が好きだから。」
ミアが緑の石が嵌った指輪を撫でると、「そうか、」と目を細くしたガイアス。
今日のお出かけの目的は、出来上がったガイアスの指輪を取りに行くことだった。結婚となれば揃いの指輪を…と言い出したガイアスに、現在自分が付けているものと全く同じデザインのものをガイアス用に作って欲しいとお願いしたミア。
初めての贈り物を大事にしてくれるミアに心が温まるが、男としては少し申し訳ないような気持ちだった。
「お店で見た時、すっごく綺麗だったね。」
「ああ、すぐに着けたい。」
注文をして数日後、出来上がったと連絡があり2人で宝石店へと受け取りに行った。
そこで要望通りキラキラと光るはちみつ色の指輪を見て、ガイアスは嬉しそうな顔で「ミアの瞳と同じだな。」と見比べた。
ミアのものと同様、お互いの瞳の色を入れたその指輪は「俺のものだ」と主張できる唯一の物であり、それを思うとミアは顔が熱くなる。
「今つけてもいいか?」
「え、うん!」
少し照れ臭そうに言うガイアス。待ちきれないといった様子が可愛くて、ミアは口元が緩んだ。
「じゃあ、俺が付けてあげるね。」
袋から指輪を出し箱を開けると、小さい金色の石が嵌る指輪。それを落とさないように恐る恐る持ってガイアスの手を取ると、スッと指にはめた。
「ふふ、これでお揃いだね。」
「いいな。」
ガイアスが自分の指についた指輪を見ながら呟く。その時、ミアの近くに座っていたご老人夫妻が控えめに拍手をした。その音に「なんだなんだ」と周りを見渡した客も、ミアとガイアスの席を見て指輪の箱に気づくと、同じように拍手を送ってくる。
あっという間に拍手に囲まれ、「おめでとう~」と周りから声を掛けられる。突然のことにミアは顔を真っ赤にして「あ、」と口をぱくぱくさせており、どうしていいか分からないようだ。
ガイアスはおじぎを一つすると立ち上がり、ミアの手を引いてそそくさと店を後にした。
店から出ると、顔を真っ赤にしたミアが「びっくりした…」とガイアスを見る。「俺もだ。」と返事をすると顔を見合わせた2人は、どちらともなく笑いが零れてきた。
2人は手を繋いだまま、笑い合って街を歩いた。
結婚できるのか不安に思いながらも、ミアが頻繁にガイアスの屋敷を訪れ、一緒に過ごす時間が増えたことで、2人は今しかない婚約期間を満喫していた。
それからしばらくして、サバル国王に城へ呼ばれたガイアスとミアは、謁見の間ではなく別の豪華な部屋へ
通された。外交などで使うその部屋は、以前サバルの王とアイバンが飲んでいたアットホームな空間とは違い、豪華絢爛といった様子だ。
「2人ともよく来た。」
王に礼をする2人だが、横にはアイバンが座っており、ミアが久々に見る父に声を掛ける。
「父上、なんでここに?」
「ミア久しいな。」
「2人に知らせがあってな。」と言うアイバンに、ミアは期待の目を向ける。隣のガイアスは少し緊張した様子で、手を握りこんでいる。
「お前達の結婚についてだが、おそらく半年後にはできるだろう。」
その言葉に2人して顔を見合わせる。
アイバンは最近、連夜サバル国王と会議を重ね、王宮内でも話し合いを行っていた。そして両国ともに、同性の狼と人間が結婚するにあたっての法を新しく定めたという。
サバル国王も尽力してくれたようで、昨日の最終会議で決まった内容は、ガイアスが提示した案とほぼ変わらないものだった。そして、反発してくる者に関しては、ガイアスが遠征の褒美を使ったことを告げると、黙り込んだと言う。
ミアは話には聞いていた褒美がどれだけの効力を持っているのかを初めて知ったとともに、そんな大切なものを自分との為に使ってくれたことに嬉しくなった。
(てか、その遠征ってどんだけ辛いんだろ…)
ミアとガイアスの場合は子どももできないため、国籍が別でも問題ないだろうと落ち着き、また勤務にさしつかえがなければどちらの国に住んでもよいということに。その新しい法は年をまたいで発表するとのことで、その後であればすぐにでも結婚できるとのことだった。
王達の言葉に目を輝かせるミアと、横で嬉しそうに微笑むガイアス。そんな2人にアイバンは「今から2人は忙しくなるぞ。」と口の端を上げて笑う。
「シーバでミアの結婚のお披露目式をするからな。」
「え。」
お披露目式という言葉に、ミアが「げっ、」と顔を歪ませる。王族としてお披露目くらいはすると考えていたが、大々的な式にしようとしている父に、嫌な予感がした。
「新しい法を知らしめる良い機会にもなる。お祝いで王宮を開ければ、国民も喜ぶだろう。」
うんうんと頷いているアイバンに、また準備の日々が始まることを理解し項垂れるミア。しかし、隣のガイアスは頬を少し上気させて「はい。」と返事をしている。
嬉しそうなガイアスに、自分も結婚できることの幸せをじわじわ感じ出したミアは、父とサバルの王に改めて礼を言った。
・・・・・
「ガイアスから呼び出したぁ、珍しいな。」
「さぞかしびっくりすること言ってくれるんだろうな。」
今日もワイワイと勝手に盛り上がっている自衛隊の剣舞のメンバー。
本当に忙しい人達であるにも関わらず、「お伝えすることがある」とのガイアスの一言に、仕事の定時ぴったりに自衛隊の各部署から続々とガイアスの執務室へ集まった。
ミアの誕生日のお披露目式後、2人の関係について聞くために集合していた隊員達は、また今回も誰一人欠けることなくガイアスの元へ集まった。
今日は定時を過ぎると、この部屋には誰も入らないよう連絡をしている。なぜか部屋にいるマックスとケニーは無視し、ガイアスはここで結婚することを知らせようとしていた。
前回呼び出された時、進展があった時は必ず知らせろと約束させられていたガイアスは、少し面倒だと思いながらも、あの後どこにもミアと自分の関係について漏らさなかったメンバーには感謝していた。
口が堅く信用できるこの人達の頼みとあれば伝えないわけにはいかないだろうと、今日声を掛けたのだ。
(まさか全員来るとは思わなかったが。)
自衛隊の中でも特別忙しい人材を前に、早めに要件を言おうとガイアスが口を開く。
「大事にしてしまってすみません。今回、ミアと婚約しましたので報告を…」
ガイアスの話の途中で「本当か?!」と声を出した第4隊隊長。その声に続いて他のメンバーも大きな声で驚きの声を上げる。
その後も結婚はいつかと聞いてくるメンバーに「決まっていません」と告げたガイアスは、式については言って良いとアイバンから許可を得ていた為、シーバ国でのみすることを伝えた。
それと共にサバル国で式や披露宴をする予定は無いと言うと、全員からブーイングが起こった。
「せめて俺達には祝わせてくれよ。」
そう言って肩を組んでくる隊長に、皆が頷いて賛成する。弟のようなガイアスを祝いたいと口では言っている隊員達だったが、ガイアスにはその魂胆が見えている。
(ミアに会いたいだけだろ…)
ガイアスは騒ぎ続ける隊員達に、仕方なく「分かりました」と祝いの席への参加を約束をさせられた。
・・・・・
「何か食べるか?」
「うーん、フルーツが入ったのがいいな。」
「そうだな…」と言って2つを指差して説明する。
ミアとガイアスは街のカフェに来ている。店の前を通った時に、ガイアスが学生時代に通っていた店であることを伝えると、入ってみようということになったのだ。
「ミアが好きそうなのは…これかこれだな。」
ミアの好みをばっちり把握しているガイアスは、クリームとフルーツを薄い生地で包んだものと、フルーツケーキを指さした。メニューをパラパラとめくり、「他は酸味のあるフルーツが入っているからミアは無理だろう」と付け加える。
2つとも魅力的で味が気になるところだが、ミアは悩んだ結果、1つに絞った。
「じゃあ、このケーキにする。」
「俺はこっちにしよう。食べるだろ?」
選ばなかった方を指差して尋ねるガイアスのさりげない優しさに、ミアは胸がキュンとする。
「食べたい、ありがと。」と言って手を握ると、ガイアスは微笑んでミアの手の甲を指で撫でた。
スイーツとお茶で満たされた2人は、先程立ち寄った店で購入した品について話す。
「本当に新しく買わなくて良かったのか?」
「うん、俺この指輪が好きだから。」
ミアが緑の石が嵌った指輪を撫でると、「そうか、」と目を細くしたガイアス。
今日のお出かけの目的は、出来上がったガイアスの指輪を取りに行くことだった。結婚となれば揃いの指輪を…と言い出したガイアスに、現在自分が付けているものと全く同じデザインのものをガイアス用に作って欲しいとお願いしたミア。
初めての贈り物を大事にしてくれるミアに心が温まるが、男としては少し申し訳ないような気持ちだった。
「お店で見た時、すっごく綺麗だったね。」
「ああ、すぐに着けたい。」
注文をして数日後、出来上がったと連絡があり2人で宝石店へと受け取りに行った。
そこで要望通りキラキラと光るはちみつ色の指輪を見て、ガイアスは嬉しそうな顔で「ミアの瞳と同じだな。」と見比べた。
ミアのものと同様、お互いの瞳の色を入れたその指輪は「俺のものだ」と主張できる唯一の物であり、それを思うとミアは顔が熱くなる。
「今つけてもいいか?」
「え、うん!」
少し照れ臭そうに言うガイアス。待ちきれないといった様子が可愛くて、ミアは口元が緩んだ。
「じゃあ、俺が付けてあげるね。」
袋から指輪を出し箱を開けると、小さい金色の石が嵌る指輪。それを落とさないように恐る恐る持ってガイアスの手を取ると、スッと指にはめた。
「ふふ、これでお揃いだね。」
「いいな。」
ガイアスが自分の指についた指輪を見ながら呟く。その時、ミアの近くに座っていたご老人夫妻が控えめに拍手をした。その音に「なんだなんだ」と周りを見渡した客も、ミアとガイアスの席を見て指輪の箱に気づくと、同じように拍手を送ってくる。
あっという間に拍手に囲まれ、「おめでとう~」と周りから声を掛けられる。突然のことにミアは顔を真っ赤にして「あ、」と口をぱくぱくさせており、どうしていいか分からないようだ。
ガイアスはおじぎを一つすると立ち上がり、ミアの手を引いてそそくさと店を後にした。
店から出ると、顔を真っ赤にしたミアが「びっくりした…」とガイアスを見る。「俺もだ。」と返事をすると顔を見合わせた2人は、どちらともなく笑いが零れてきた。
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