7 / 115
第7話 攻略者との再会
しおりを挟む
俺はシバに腕を引かれながら文官棟へ向かう。
(怒ってるのかな)
何も喋らないのはいつも通りだが、今は背中から怒りのオーラを感じる。そして、鬼文官に手を引かれている俺を見て、城の人達はギョッとした目をしている。
(ああ、俺が今から怒られるって思ってんだろうなぁ)
しかも、シバが来たせいでイベントも最後まで出来なかった。そのせいでアックスの好感度が下がっていたら非常に困る。俺が溜息をつくと、シバがピタッと歩みを止めた。
「わッ、」
急に止まったシバに驚く。
今は文官棟の前だが、定時が過ぎてずいぶんと経つため誰も居ない。
「痛かったか?」
何のことか分からず首を傾げる。しかしシバが、掴んでいる腕を離してこちらを振り向いたので、彼が俺の腕を心配していたのだと分かった。
「腕ですか? 大丈夫です」
実際、シバは強く掴んでいたわけではない。俺は自分の意志で付いて来ただけなので引っ張られることもなく、どちらかと言えば手を繋いで歩いていた感覚だった。
「仕事と聞きましたが、何か誤りがありましたか?」
恐る恐る尋ねる。シバはその言葉に何故か視線を逸らした後、「一緒に食事でもどうだ」と呟いた。
(え? どういうこと? 食事って、そこでゆっくり仕事のことを話すの?)
「あの、今からですか?」
「そうだ」
俺は手に持っている大量のパンを見て、これは明日の朝に食べることにした。
「パンを置きに部屋へ帰っても良いですか?」
「一緒に行く」
(俺の部屋まで付いてくるの⁉)
待ち合わせでも良いと伝えるが、「大丈夫だ」と言われると頷くしかない。
俺はシバと共に宿舎棟まで歩いた。
「ここですか?」
「そうだ」
俺が連れて来られたのは、落ち着いた雰囲気のレストランだ。城の近くであり、ちらほら見たことのある顔がいるが、みな役職に就いていそうな風貌だ。
(緊張するなぁ)
目の前で店員に注文をしているシバに目を向ける。
慣れない雰囲気の店であり、なかなか料理を決められない俺は、シバに全てを任せることにした。
一通り頼んで、最初に炭酸のジュースが出てくると、俺は「ありがとうございます」とそれを受け取った。シバがビールを持ち、俺は乾杯のためにおずおずとグラスを近づける。
「あの、ありがとうございます」
「礼はもういい」
カチンとグラスの音がして、俺達の食事が始まった。
「今日の仕事ですが、何かありましたか?」
「正直に言ったら、君は怒るか?」
(どういう意味?)
むしろ正直に言ってもらわないと困る……と思いながら、「いえ」と返事をする。
「ただ君を、夕食に誘いに来ただけだ」
「え? では、そう言って下さったら良かったのに」
(俺を誘うためだけにわざわざ?)
今日城の近くのパン屋に行くことや、そこで街から帰ったアックスと会うことは伝えていたが、まさかその場に来るとは思わなかった。
「トロント殿がいたので、あからさまに君を誘うのは気が引けた」
「え、アックスがどうかしたんですか?」
俺は意味が分からず説明を待つ。そんな俺の様子にシバが珍しく口ごもる。
「その、君達は仲が良いようだから」
そう言って黙ってしまったシバ。もうこれ以上は何も言わないだろうと、俺は「あの」と声を発した。
「普通に誘って下さったら良いのに。仕事で失敗したと思って……肝が冷えました」
ふぅ~と息をつくと、それを聞いたシバは「すまない」と謝った。
(俺の上司、不器用すぎる)
俺は微笑んで「いえ」と返す。シバは少し驚いたような表情をした。
「トロント殿とは何もないのか? 特別な関係ならば申し訳ないと思ったが」
「な、何も無いですけど」
「そうか」
『何か』も何も、まだ攻略がスタートしたばかりだ。
(その『何か』があってくれたら、俺の人生も安泰なんだけど)
俺を見つめているシバに、「貴方があと五分遅く誘いに来てくれたら良かったんですけどね!」と言いたくて堪らなかった。
「美味しい!」
「良かった」
俺は目の前の料理に目を輝かせた。食堂のご飯は確かに美味しいが、大人数分作っているためほとんどが大味だ。今食べている料理は日本食に近く出汁が効いており、日本を思い出させる。
(行ったことはないけど、料亭で出てきそうな味だな)
料理が出てくる度に驚く俺に、シバは少し微笑んでいた……ように感じた。
「あれ? 君はたしか」
急にテーブルに影が落ち、誰かが話しかけてきた。
俺はその声の主を見て固まる。席を見下ろしているのは、攻略者である第二王子エヴァンだった。
(急にイベント発生⁉)
俺は記憶を辿る。ながら作業で見た動画に『エヴァン攻略までの三日間』というのものがあった。ぼんやりと覚えているだけだが、上司と出かけた先で、お忍び風のエヴァンと出会うのだ。ここでは特に重要な絡みはなく、軽く会話をして別れる。
「君、元気だった?」
「はい。殿下も、」
「しっ、一応お忍びなんだ」
唇にひと指し指を当てられ、背筋がゾッとする。
そもそも俺は男に興味は無い。生きていくためにアックスとハッピーエンドを迎えたいだけなので、アックス以外の男に絡まれても嬉しくも何ともないのだ。
(しかも、こんな闇有り王子絶対嫌だ!)
ヤンデレとでも言うのだろうか……見た目からは大らかな印象を受けるが、その裏には第二王子としての苦難から歪んでしまった性格が徐々に顔を出すのだ。
(それを主人公が優しく包み込み……って、そんなこと俺にはできない!)
俺は顔を後ろに引くと、「失礼しました」と頭を下げた。シバを見ると、人でも殺しそうな顔で俺達を見ている。
「すぐ戻らないといけないから、また会おうね」
それだけ言うと、エヴィンは爽やかに去っていった。
「殿下と知り合いだったのか」
「先日、廊下でぶつかってしまって……そのうち俺のことなんて忘れますよ」
『そうなってくれ!』という思いを込めて、湯気を失った食事を見つめた。
帰ってくると、シシルとラルクがリビングで談笑していた。
「おかえり~。パンありがとね。まだ沢山あるから明日の朝に皆で食べよう」
「セラさん、ありがとうございました」
(今日、ラルクさんはここに泊まるのかな?)
ラルクもシシルも部屋着であり、近くの椅子の上には彼の着替えも置いてある。
部屋は一つ余っているし、そこには前の家に置いていたベッドが届いたばかりだ。男一人くらい泊まれないことはないが、たった数日でなぜここまで仲良くなったのかと不思議に思う。
「じゃあ二人ともまた明日」
「おやすみ、セラ」
「おやすみなさい、セラさん」
俺は父とラルクに挨拶をして自室へ入った。
「あ~! 今日は何もうまくいかなかった」
俺はベッドに倒れこむ。今、俺の部屋には荷物の入った箱が積み重なっている。これらは俺とシシルが前住んでいた家から送られてきたもので、今日は先に仕事を終えたシシルがそれを受け取り、休みであるラルクと片付けをすると言っていた。
(ラルクさんはよく父さんの面倒を見てくれるなぁ)
俺がハッピーエンドを迎えるまでは、イベントで忙しくシシルにあまり構うことはできないだろう。ゲーム内でも、シシルと主人公の交流はあまり描かれていなかった。
ぽやぽやとしており危なっかしいシシルを助けてくれるラルクの存在は、俺にとってありがたかった。
(それにしても、今日はアックスとのイベントも最後までできなかったし、第二王子には突然会うわで……正直疲れた)
そしてシバとの夕食もそうだ。上司との食事とあってずっと緊張していた。
(とにかく、明日こそは誰にも邪魔されずにアックスと過ごす!)
俺は相当疲れていたのか、そう決意してすぐに瞼が重くなり目を閉じた。
「おはよう~!」
「おはようございます」
朝、目が覚めてリビングに行くと、シシルとラルクが朝食の準備をしていた。
やはり昨日は泊まったのか、昨日の寝間着のままでカップにお湯を注ぐラルクは、起きてまだ三十分も経っていないだろう。
俺は席に着いて、温まったパンを口に運ぶ。
「あ、美味しい」
一日経ってもフカッとしたパンに感動しつつ、アックスの顔を思い浮かべる。
今日も偶然を装ってアックスに会うのだ。その前に……と、俺は頭の中で会話選択の準備をした。
(怒ってるのかな)
何も喋らないのはいつも通りだが、今は背中から怒りのオーラを感じる。そして、鬼文官に手を引かれている俺を見て、城の人達はギョッとした目をしている。
(ああ、俺が今から怒られるって思ってんだろうなぁ)
しかも、シバが来たせいでイベントも最後まで出来なかった。そのせいでアックスの好感度が下がっていたら非常に困る。俺が溜息をつくと、シバがピタッと歩みを止めた。
「わッ、」
急に止まったシバに驚く。
今は文官棟の前だが、定時が過ぎてずいぶんと経つため誰も居ない。
「痛かったか?」
何のことか分からず首を傾げる。しかしシバが、掴んでいる腕を離してこちらを振り向いたので、彼が俺の腕を心配していたのだと分かった。
「腕ですか? 大丈夫です」
実際、シバは強く掴んでいたわけではない。俺は自分の意志で付いて来ただけなので引っ張られることもなく、どちらかと言えば手を繋いで歩いていた感覚だった。
「仕事と聞きましたが、何か誤りがありましたか?」
恐る恐る尋ねる。シバはその言葉に何故か視線を逸らした後、「一緒に食事でもどうだ」と呟いた。
(え? どういうこと? 食事って、そこでゆっくり仕事のことを話すの?)
「あの、今からですか?」
「そうだ」
俺は手に持っている大量のパンを見て、これは明日の朝に食べることにした。
「パンを置きに部屋へ帰っても良いですか?」
「一緒に行く」
(俺の部屋まで付いてくるの⁉)
待ち合わせでも良いと伝えるが、「大丈夫だ」と言われると頷くしかない。
俺はシバと共に宿舎棟まで歩いた。
「ここですか?」
「そうだ」
俺が連れて来られたのは、落ち着いた雰囲気のレストランだ。城の近くであり、ちらほら見たことのある顔がいるが、みな役職に就いていそうな風貌だ。
(緊張するなぁ)
目の前で店員に注文をしているシバに目を向ける。
慣れない雰囲気の店であり、なかなか料理を決められない俺は、シバに全てを任せることにした。
一通り頼んで、最初に炭酸のジュースが出てくると、俺は「ありがとうございます」とそれを受け取った。シバがビールを持ち、俺は乾杯のためにおずおずとグラスを近づける。
「あの、ありがとうございます」
「礼はもういい」
カチンとグラスの音がして、俺達の食事が始まった。
「今日の仕事ですが、何かありましたか?」
「正直に言ったら、君は怒るか?」
(どういう意味?)
むしろ正直に言ってもらわないと困る……と思いながら、「いえ」と返事をする。
「ただ君を、夕食に誘いに来ただけだ」
「え? では、そう言って下さったら良かったのに」
(俺を誘うためだけにわざわざ?)
今日城の近くのパン屋に行くことや、そこで街から帰ったアックスと会うことは伝えていたが、まさかその場に来るとは思わなかった。
「トロント殿がいたので、あからさまに君を誘うのは気が引けた」
「え、アックスがどうかしたんですか?」
俺は意味が分からず説明を待つ。そんな俺の様子にシバが珍しく口ごもる。
「その、君達は仲が良いようだから」
そう言って黙ってしまったシバ。もうこれ以上は何も言わないだろうと、俺は「あの」と声を発した。
「普通に誘って下さったら良いのに。仕事で失敗したと思って……肝が冷えました」
ふぅ~と息をつくと、それを聞いたシバは「すまない」と謝った。
(俺の上司、不器用すぎる)
俺は微笑んで「いえ」と返す。シバは少し驚いたような表情をした。
「トロント殿とは何もないのか? 特別な関係ならば申し訳ないと思ったが」
「な、何も無いですけど」
「そうか」
『何か』も何も、まだ攻略がスタートしたばかりだ。
(その『何か』があってくれたら、俺の人生も安泰なんだけど)
俺を見つめているシバに、「貴方があと五分遅く誘いに来てくれたら良かったんですけどね!」と言いたくて堪らなかった。
「美味しい!」
「良かった」
俺は目の前の料理に目を輝かせた。食堂のご飯は確かに美味しいが、大人数分作っているためほとんどが大味だ。今食べている料理は日本食に近く出汁が効いており、日本を思い出させる。
(行ったことはないけど、料亭で出てきそうな味だな)
料理が出てくる度に驚く俺に、シバは少し微笑んでいた……ように感じた。
「あれ? 君はたしか」
急にテーブルに影が落ち、誰かが話しかけてきた。
俺はその声の主を見て固まる。席を見下ろしているのは、攻略者である第二王子エヴァンだった。
(急にイベント発生⁉)
俺は記憶を辿る。ながら作業で見た動画に『エヴァン攻略までの三日間』というのものがあった。ぼんやりと覚えているだけだが、上司と出かけた先で、お忍び風のエヴァンと出会うのだ。ここでは特に重要な絡みはなく、軽く会話をして別れる。
「君、元気だった?」
「はい。殿下も、」
「しっ、一応お忍びなんだ」
唇にひと指し指を当てられ、背筋がゾッとする。
そもそも俺は男に興味は無い。生きていくためにアックスとハッピーエンドを迎えたいだけなので、アックス以外の男に絡まれても嬉しくも何ともないのだ。
(しかも、こんな闇有り王子絶対嫌だ!)
ヤンデレとでも言うのだろうか……見た目からは大らかな印象を受けるが、その裏には第二王子としての苦難から歪んでしまった性格が徐々に顔を出すのだ。
(それを主人公が優しく包み込み……って、そんなこと俺にはできない!)
俺は顔を後ろに引くと、「失礼しました」と頭を下げた。シバを見ると、人でも殺しそうな顔で俺達を見ている。
「すぐ戻らないといけないから、また会おうね」
それだけ言うと、エヴィンは爽やかに去っていった。
「殿下と知り合いだったのか」
「先日、廊下でぶつかってしまって……そのうち俺のことなんて忘れますよ」
『そうなってくれ!』という思いを込めて、湯気を失った食事を見つめた。
帰ってくると、シシルとラルクがリビングで談笑していた。
「おかえり~。パンありがとね。まだ沢山あるから明日の朝に皆で食べよう」
「セラさん、ありがとうございました」
(今日、ラルクさんはここに泊まるのかな?)
ラルクもシシルも部屋着であり、近くの椅子の上には彼の着替えも置いてある。
部屋は一つ余っているし、そこには前の家に置いていたベッドが届いたばかりだ。男一人くらい泊まれないことはないが、たった数日でなぜここまで仲良くなったのかと不思議に思う。
「じゃあ二人ともまた明日」
「おやすみ、セラ」
「おやすみなさい、セラさん」
俺は父とラルクに挨拶をして自室へ入った。
「あ~! 今日は何もうまくいかなかった」
俺はベッドに倒れこむ。今、俺の部屋には荷物の入った箱が積み重なっている。これらは俺とシシルが前住んでいた家から送られてきたもので、今日は先に仕事を終えたシシルがそれを受け取り、休みであるラルクと片付けをすると言っていた。
(ラルクさんはよく父さんの面倒を見てくれるなぁ)
俺がハッピーエンドを迎えるまでは、イベントで忙しくシシルにあまり構うことはできないだろう。ゲーム内でも、シシルと主人公の交流はあまり描かれていなかった。
ぽやぽやとしており危なっかしいシシルを助けてくれるラルクの存在は、俺にとってありがたかった。
(それにしても、今日はアックスとのイベントも最後までできなかったし、第二王子には突然会うわで……正直疲れた)
そしてシバとの夕食もそうだ。上司との食事とあってずっと緊張していた。
(とにかく、明日こそは誰にも邪魔されずにアックスと過ごす!)
俺は相当疲れていたのか、そう決意してすぐに瞼が重くなり目を閉じた。
「おはよう~!」
「おはようございます」
朝、目が覚めてリビングに行くと、シシルとラルクが朝食の準備をしていた。
やはり昨日は泊まったのか、昨日の寝間着のままでカップにお湯を注ぐラルクは、起きてまだ三十分も経っていないだろう。
俺は席に着いて、温まったパンを口に運ぶ。
「あ、美味しい」
一日経ってもフカッとしたパンに感動しつつ、アックスの顔を思い浮かべる。
今日も偶然を装ってアックスに会うのだ。その前に……と、俺は頭の中で会話選択の準備をした。
29
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
冤罪で追放された王子は最果ての地で美貌の公爵に愛し尽くされる 凍てついた薔薇は恋に溶かされる
尾高志咲/しさ
BL
旧題:凍てついた薔薇は恋に溶かされる
🌟2025年11月アンダルシュノベルズより刊行🌟
ロサーナ王国の病弱な第二王子アルベルトは、突然、無実の罪状を突きつけられて北の果ての離宮に追放された。王子を裏切ったのは幼い頃から大切に想う宮中伯筆頭ヴァンテル公爵だった。兄の王太子が亡くなり、世継ぎの身となってからは日々努力を重ねてきたのに。信頼していたものを全て失くし向かった先で待っていたのは……。
――どうしてそんなに優しく名を呼ぶのだろう。
お前に裏切られ廃嫡されて最北の離宮に閉じ込められた。
目に映るものは雪と氷と絶望だけ。もう二度と、誰も信じないと誓ったのに。
ただ一人、お前だけが私の心を凍らせ溶かしていく。
執着攻め×不憫受け
美形公爵×病弱王子
不憫展開からの溺愛ハピエン物語。
◎書籍掲載は、本編と本編後の四季の番外編:春『春の来訪者』です。
四季の番外編:夏以降及び小話は本サイトでお読みいただけます。
なお、※表示のある回はR18描写を含みます。
🌟第10回BL小説大賞にて奨励賞を頂戴しました。応援ありがとうございました。
🌟本作は旧Twitterの「フォロワーをイメージして同人誌のタイトルつける」タグで貴宮あすかさんがくださったタイトル『凍てついた薔薇は恋に溶かされる』から思いついて書いた物語です。ありがとうございました。
異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!
めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈
社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。
もらった能力は“全言語理解”と“回復力”!
……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈
キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん!
出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。
最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈
攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉
--------------------
※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!
異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる
七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。
だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。
そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。
唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。
優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。
穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。
――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。
悪役令息(Ω)に転生したので、破滅を避けてスローライフを目指します。だけどなぜか最強騎士団長(α)の運命の番に認定され、溺愛ルートに突入!
水凪しおん
BL
貧乏男爵家の三男リヒトには秘密があった。
それは、自分が乙女ゲームの「悪役令息」であり、現代日本から転生してきたという記憶だ。
家は没落寸前、自身の立場は断罪エンドへまっしぐら。
そんな破滅フラグを回避するため、前世の知識を活かして領地改革に奮闘するリヒトだったが、彼が生まれ持った「Ω」という性は、否応なく運命の渦へと彼を巻き込んでいく。
ある夜会で出会ったのは、氷のように冷徹で、王国最強と謳われる騎士団長のカイ。
誰もが恐れるαの彼に、なぜかリヒトは興味を持たれてしまう。
「関わってはいけない」――そう思えば思うほど、抗いがたいフェロモンと、カイの不器用な優しさがリヒトの心を揺さぶる。
これは、運命に翻弄される悪役令息が、最強騎士団長の激重な愛に包まれ、やがて国をも動かす存在へと成り上がっていく、甘くて刺激的な溺愛ラブストーリー。
【蒼き月の輪舞】 モブにいきなりモテ期がきました。そもそもコレ、BLゲームじゃなかったよな?!
黒木 鳴
BL
「これが人生に三回訪れるモテ期とかいうものなのか……?そもそもコレ、BLゲームじゃなかったよな?!そして俺はモブっ!!」アクションゲームの世界に転生した主人公ラファエル。ゲームのキャラでもない彼は清く正しいモブ人生を謳歌していた。なのにうっかりゲームキャラのイケメン様方とお近づきになってしまい……。実は有能な無自覚系お色気包容主人公が年下イケメンに懐かれ、最強隊長には迫られ、しかも王子や戦闘部隊の面々にスカウトされます。受け、攻め、人材としても色んな意味で突然のモテ期を迎えたラファエル。生態系トップのイケメン様たちに狙われたモブの運命は……?!固定CPは主人公×年下侯爵子息。くっついてからは甘めの溺愛。
悪役令息上等です。悪の華は可憐に咲き誇る
竜鳴躍
BL
異性間でも子どもが産まれにくくなった世界。
子どもは魔法の力を借りて同性間でも産めるようになったため、性別に関係なく結婚するようになった世界。
ファーマ王国のアレン=ファーメット公爵令息は、白銀に近い髪に真っ赤な瞳、真っ白な肌を持つ。
神秘的で美しい姿に王子に見初められた彼は公爵家の長男でありながら唯一の王子の婚約者に選ばれてしまった。どこに行くにも欠かせない大きな日傘。日に焼けると爛れてしまいかねない皮膚。
公爵家は両親とも黒髪黒目であるが、彼一人が色が違う。
それは彼が全てアルビノだったからなのに、成長した教養のない王子は、アレンを魔女扱いした上、聖女らしき男爵令嬢に現を抜かして婚約破棄の上スラム街に追放してしまう。
だが、王子は知らない。
アレンにも王位継承権があることを。
従者を一人連れてスラムに行ったアレンは、イケメンでスパダリな従者に溺愛されながらスラムを改革していって……!?
*誤字報告ありがとうございます!
*カエサル=プレート 修正しました。
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる