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4.ルシアの不思議な夢 ※
しおりを挟むよくないことをしている自覚はあって、本当はそこでやめればよかった。
でも一度触り始めると、ルシアの手は止まらなくなった。
甘いアロマの香りはどことなくディランの香りに似ている気がして、さっきまでディランが触れていた感覚や抱きかかえられた時に感じた匂いを思い出して手を動かすととても心地よくて、そこを何度もさする。
お腹の奥が急激に疼いて、きゅうと締まる。何かをとても求めている気がして、ディランのを想像するとそれが正解だというように体の奥から蜜が溢れ出してぞくぞくした。
快感を得られると書物に書いてあった花芽らしき場所を触ると体がびくりと震えてお腹がひくひくとした。
好きな場所を見つけると止まらなくなって、そこにたくさん刺激を与えていると好奇心で胸の先を撫でてみた。すると花芽に触れた時とはまた別の気持ちよさを感じてルシアは足を擦り合わせた。すごく気持ちいい。
そこからはもう何も考えずに尻と胸を触って自分を高めた。中はとろとろになって念のためタオルを下に敷いていじり続けると、タオルにとろとろとした液をたくさん溢してしまった。
気持ちが昂ってくるとお腹が刺激を欲し始めてルシアはすぐにディランの肉竿を思い出した。きっとあれを欲しているのだとすぐにわかって、ルシアは中に突き入れてもらう妄想をした。
中まで入れてたくさん奥まで突いてもらって余裕のない顔で吐息を吐いて、中にあの大量の白濁を放ってもらう。
お腹の中にたくさん。
そんな想像を何度もすると気持ちは簡単に最高潮に達してルシアは体をぎゅっと縮こまらせて震えた。
「んぁ…」
気持ちいい。強くそう思った瞬間、体から力が抜けて脱力する。心臓がどくどくと音を立てていて、足の間から大量の愛液がこぼれ落ちた。
初めての自慰はとても気持ちよかった。しかし不思議だった。
今まではほとんど性欲のようなものを感じたことはなかったのに、25歳になってから突然そういった欲求が湧くなんて。
ルシアは張り付く下着を抜き取るとタオルや脱ぎ捨てた夜着に包んで無造作にサイドテーブルに置く。新しい夜着だけを羽織るとルシアは布団の中に潜り込んだ。
いけないことをしてしまった気がして、全て忘れてしまいたくて、ぎゅっと目を瞑る。寝よう寝ようと思うほど、今ディランが何をしているのか気になって、その夜はなかなか寝付けなかった。
アロマがルシアの鼻腔をくすぐる。ディランの姿が薄れゆく意識の中また頭に過ぎる。
それにしても、なぜルシアはアロマの香りがディランの香りと同じだとあんなにすぐにわかったのだろうか。
なかなか寝付けなかったせいか、その日は眠りが浅かったようで鮮明な夢を見た。
寝る前にあんなことをしてしまったからかもしれない。
ルシアはベッドの上で横になっていて、ディランがルシアの上に乗っかってくるのだ。そしてルシアの夜着に手をかけてまずは上半身だけ丁寧に脱がすと、ルシアの豊かな胸を見て微かに顔を緩める。
そして初めにルシアの唇にキスをして、頬や首筋、鎖骨の間に唇を落とすとゆっくりと離れて、ディランはその大きな手でルシアの胸をやわやわと揉み始めるのだ。
初めは楽しむように優しく揉んで、そのうち、ルシアの胸の柔らかさを堪能するように指の一本一本をいろんな風に動かして柔らかい胸に沈めたり、胸にぷるぷる振動を与えて桃色の蕾が震えるのを眺めたりして、やらしく揉み始める。
そうして熱心に胸に触っていると急に片手でベルトを外してスラックスの前を開けた。
そこから見える下着越しのディランの股間部分はなぜか妙に前に突き出すように尖っていて、何が入っているのだろうと思っていると下着が降ろされて得体の知れない生物が飛び出した。
初めは何かわからなかったが、そのうちそれが数年前に見たきりだったディランの雄だということに気づいた。
少し見ていなかっただけなのにこんなに立派になったのかと、そう思うくらいそこは堂々とした男らしいものに成長していて、じっと見ていると下腹部がジンジンし始めてルシアの秘部が徐々に湿ってくる。
ディランの、ということよりも、とても立派な男性のものを見た衝撃が強くて大人になるとこんなに大きく立派になるのだと感心するのと同時にあれが中に入ったらどれだけ気持ちいいのだろうと腰が揺れた。
「ディラン…」
「今日は薬の効きが悪いですね」
そう呟くとディランは優しくルシアの頭を撫でた。少し冷たいその手が心地よくて目を細めるとディランは静かに呟く。
「明日からはもう少し量を調節します」
「ん…?」
「何も考えないでぼんやりしていて。全て夢なので、明日の朝には忘れています」
「…ん」
夢にしては妙にリアルなような。
でもそうか。夢でないとありえない。
だって、ディランがルシアの胸の前でおもむろに肉竿を扱き始めたのだから。
初めからかなり興奮していたようで、少し上下に扱いただけで先端からはたらたらと雫が垂れて今にも吐き出しそうなほど張り詰める。
ディランもそう長くは持たないことをわかっていたようで、すぐに手を早めると顔を顰めて微かに吐息を漏らし始める。
いつも涼やかな顔をしているディランの余裕のない吐息はとても色っぽくて甘ったるくて、もっと聴いていたかったのに、ディランはルシアを舐め回すようにじっくり見つめながら肉竿を扱くとすぐに気持ち良さそうな顔をして我慢することなくその先端をルシアの胸に向けた。
欲望に満ちた熱っぽい瞳でルシアを見下ろすと肉竿の先を擦り付けてディランはたくさん溜め込んでいたものを吐き出した。
びゅっと音がしそうなほど勢いよく真っ白い粘液が何度も飛び散ってルシアの体にかかった。
特に胸に向かってかけられて胸に乗り切らなかった飛沫や飛びすぎた白濁はルシアの首筋や顎、肩にかかった。
上半身がディランの精液でべたべたに汚れて、あたりが雄の香りに包まれる。
ディランはたくさん出た精液をルシアの胸に塗り広げると、ルシアの胸を両側から押し上げて、深い谷間を作ると出したばかりなのにゆるく勃ち上がっている若々しく元気な肉竿を挟み込んだ。
ディランが出した白濁のおかげで滑りは良く、ぬるぬると動かすとディランの顔は歪んで、腰を動かす速度が上がって行く。
とても気持ち良さそうに腰を振り始め、ルシアの胸を使って自慰に耽るディランはとてもいやらしかった。
でも、ただ快感を得るために自慰をしているのではなく、ルシアのことを熱っぽい瞳で見ながら腰を振って、ルシアの体で快感を得ることに興奮する様子を見ていると嫌な気はしなくて、その行為に見入ってしまう。
普段クールなディランが欲望のままに自身の肉竿をルシアの胸の間に挟んで腰を振るという映像は予想以上に衝撃的で、ルシアの体は興奮して濡れていった。
もう一度出して欲しい。
出している時の気持ち良さそうな顔が見たい。ディランがルシアに向ける欲情した顔がもっと見たい。
そう思っているとルシアの胸の谷間に挟まっている肉竿はどんどん硬くなる。ルシアの深い胸の谷間を太く大きな肉竿がぬるぬると移動する。
とてもやらしくて、でもディランの肉竿だと思うと嫌な気持ちはしなくてルシアは見入ってしまった。
もう出そう。ディランの肉竿がとても辛そう。そう思って見ているとディランは動物のように衝動的に早く腰を振ってルシアの体に肉竿を押し付けた。
なんて獣っぽくていやらしいんだろうとそう思った瞬間に、ディランは小さく声を漏らして、ルシアの体の上で白濁を吐き出した。
びゅっと勢いよく先端から飛び出すとルシアの顎にぶつかり首筋に飛沫が飛び散る。1回目と同じかそれ以上の量がディランの立派な肉竿の中から飛び出して行ってルシアの首元に撒き散らされた。
ディランからほのかに甘い香りが漂うのを感じてルシアはその匂いに酔いながらぼんやりとしていた。
ディランはまた吐き出した白濁をルシアに塗りつけ始めた。ふにふにと揉んでは丹念に白濁を肌に刷り込むように塗り付け、桃色の蕾をたくさん可愛がる。
初めはたいしたことのない刺激だったのにディランから漂う甘い香りを嗅いでいたら、とてもそういう気持ちになってきて、足をすりすりと擦り合わせていたら腰がわずかに浮く。
「そのまま足と下腹部に力を入れて」
耳元で囁かれて言われた通りにすると気持ちいい気がしてぎゅっと力むと合わせるようにおっぱいを揉まれて胸の先をたくさん可愛がられた。
「だめ…いっちゃ…ぁっ…」
「上手」
胸への刺激が強くなった瞬間、ルシアの体が痙攣した。頭が真っ白になって、何も考えられなくなる。ただただ心地よくてぼんやりしていると足の間がとてもよく濡れていることに気がついて、また絶頂を迎えてしまったのだと言うことに気づいた。
そんな、1日に何度もしてしまうなんて。
それも夢とはいえディランの前で。あまりにも恥ずかしくて横を向いて枕に顔を埋めるとディランは可愛かったですよ、と告げた後、恥ずかしがるルシアをそのままにしてせっせと事後処理を始めた。
事前に用意してあったらしい蒸しタオルを手に取って汚れたルシアの肌を優しく拭い始めた。
胸元の白濁を全て拭いとると足を掴んでベトベトに濡らしてしまった股も拭かれる。そこにタオルがあたる感覚がして、ルシアは枕を掴んで顔に押し付けた。
なんて夢を見てしまっているのだろう。破廉恥すぎる。
顔を真っ赤にして枕に顔をうずめているとディランは手際よく全てを拭き終えてルシアに夜着を着せると、いまだに悶えているルシアを転がしながらルシアが濡らしてしまったベッドシーツも新しいものに変えてくれた。
ルシアに布団をかけて、まるで何もなかったかのように元の状態に戻すとベッドの縁に座り、また優しく頭を撫でた。
「アロマの効きが少し悪そうなので明日からはもっと強いものに変えます。ああ…あと、もう少ししっかりとした服を買ってきます。ないとは思いますけど外であんな事をしたら、見てしまった人の目を全てくり抜かないといけなくなりますから」
そう告げられ思わず枕をずらしてディランの方を見る。冗談で言っているとは思えない真剣な顔をしていてゾッとした瞬間、ディランはルシアの唇に口付けた。
「ではまた明日の夜に。おやすみ、僕のルシア」
とても衝撃的な夢。
その時は夢の内容をはっきりと覚えていたのだが、次の日起きる頃には記憶は朧げになり、ほとんど覚えていなかった。
そして、その日以降そういった夢を見ることは一切なかった。
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