殺すじゃない

谷川ベルノー

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殺すじゃない

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 男が少女に婚約してから、ある日のこと。

 男は血相を変えて少女へ勢いよく詰め寄った。


「いつだ! いつ僕が他の女性達と付き合っていることに気付いたんだ!?」
「えっ!! あなた浮気してたの!? しかも複数人!?」
「恍けるな! 僕を殺すって友人と一緒に相談しあっていたじゃないか!?」
「────────ひょっとして、それスライム団子のこと?」
「………………はっ?………………」
「イモモの粉で作るスライム団子の柔らかさは、みなごろしとはんごろしの二種類あるの。みなごろしはネッチョリではんごろしはもっちりした固さのことなんだけど。まさか、ソレのことを殺しの相談と勘違いしてるんじゃ」
「……」
「……」
「…………」
「…………」
「………………」
「………………」
「……………………よし、この話は無かったことにしよう」
「出来ないわよ」


 
 男の隠していた複数の女性との浮気は全て暴かれ、婚約は破棄になった。
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