許される日はない

谷川ベルノー

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許される日はない

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 国一番の実力を持つ両親の愛情を一身に受け続けて育った少女リヨーシン・ツヨーイ・ノ・ヨーンは、昨日の家族旅行で起きた衝撃的な出来事を友人のトーモ・ズットー・イッショーニに話していた。
 その話の内容というのが。



「………………えっ! …………えっ? ………………えええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ────────!? 家族旅行先で、婚約者のウワッキー・スルン・デスデー伯爵が知らない女とイチャついてたああああああああぁぁぁぁぁぁぁ────────!?」
「………………うん………………そうなの………………」
「他に付き合っている女がいたくせに、愛しているのも結婚するのも生涯お前だけってことを今の今まで言ってたってこと!? リヨーシンの愛を裏切って踏み躙った最低最悪な屑野郎じゃないっ!!」
「………………とても優しい人なんだって………………信じて………………たのに………………」
「………………それで、どうなったの………………? 」
「決まってた婚約は、当然だけど破棄。あのムカつく顔に魔法を思いっきり浴びせたかったんだけど────────」
「けど? 何か問題でもあったの?」
「──────問題というかなんというか。えぇっと」



『伯爵様! これはいったい、どういうことですか!?』
『ちっ、ちちちち違うんだ! こっ、こここここれは…………その…………だな…………』
『あら? どちら様? 伯爵様のお知り合い? わたし達、今デート中なのですけれど』
『………………デ………………デデ………………デ………………デ………………デ………………デデデデデデデデデデートオオオオオオオォォォォォォ────────!?!? デートって、親しい男女が一緒にイチャイチャしながらお出かけするあのデート!?!? デェ・トーンっていう名前のイベントに参加中ですだとか、デエトンという料理を食べてる途中という意味じゃないのですよね!?』
『…………えっ、えぇ…………デェ・トーンという名前のイベントに参加中でも、デエトンという料理を食べてる途中でもありませんので、そのデートであっておりますが…………それが、どうかしまして?』
『酷いっ! 酷いですわっ!! わたくしという婚約者がいながらっ! 浮気をしていたなんてっ!!』
『…………あの、わたし「一生お前を愛し続ける」とか「共に人生の旅路を歩もう」とか色々と言われたのですが…………?』
「そっ……………そんなっ……………そんなっ……………そんな愛の言葉の数々まで……………うっ……………うぅっ……………うわああぁあぁああああぁああああぁあああぁあああぁ──────────────!!」



(………………ウワッキー伯爵が浮気してた相手。怒りの火に火薬を投げて更に火竜の油を注いで連続爆発させるような発言しまくってるけど、凄い天然なだけなのよね? 神経がアイアンドラゴンの鱗と同じ成分ででも出来ているというの………………?)


「……………………半狂乱になったお父様とお母様が、勢い余ってゴキャリって殺っちゃわないように止めるので精一杯だったわ………………」
「…………あ、あららら。それは大変だったわねぇ…………」


 引退したとはいえ、二人は元王国一の騎士と魔法使い。
 その二人の愛娘へ最低最悪の裏切りをしたとなれば、今後の人生は地獄すら生温い日々となるだろう。




 事実、その後のウワッキー・スルン・デスデー伯爵の末路は──────────────うん、言うまでもない。

 浮気どころか生きていることを後悔するような目に会い続ける毎日を送る破目となったのであったとか。

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