【完結】私にだけ当たりの強い騎士様と1メートル以上離れられなくなって絶望中

椿かもめ

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12.事故のあと

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 知らない間に少女を抱き込んだかと思えば、すぐに道端へと身体をひねる。馬車はそのまま何事もなく真横を通過していった。

「だ、大丈夫ですか!?」

 硬直が解けた私は焦燥感の入り混ざった声で危機一髪を免れた二人へと駆け寄る。後ろを歩いていたら1名の騎士も同様に彼らの側へと走った。

 コルネリウスに抱かれた少女は彼の胸から抜け出し、倒れた身体を起こす。そして涙を目にいっぱい溜めて泣き喚いていた。

 コルネリウスはというと、その場で倒れ込んだまま背中を丸めていた。見る限り外傷もなく、頭をぶつけたように見えなかった。けれど、よく見れば若干震えているようで。

「っ、コルネリウス様!」

 そこでようやく手首の拘束具の副作用を思い出した。
 急いでコルネリウスの顔を覗き込めば、上気した顔に潤んだ瞳──完全に発情の効果が現れており。

 このままではないけない。

 咄嗟にそばにいた騎士に少女を任せ、「コルネリウス様の怪我の治療をしてきます」と告げる。焦っていたのだろう、私のあまりの気迫に騎士は「……は、はいっ」と首を何度も振って了解の旨を伝えてきた。

「……っ、移動しましょう。ごめんなさい、頑張って立ってください!」

 私の言葉にコルネリウスは頭をこくりと振る。私も肩を貸したが、流石の精神力でほとんど自分で起き上がった。彼の手を掴み、私は急いでその場を離れて人の少ない場所を探す。

 辿り着いたのは薄汚れた路地裏だった。

「……っくそっ、はぁっ、っ、はぁ」

 頬を紅潮させたコルネリウスは荒い息をつき、苦しげに眉間の皺を深めた。人がそばにいる状況から抜け出さなければと思い、急いで引き連れて来てしまった。
 反射的に繋いだ手は異常に熱く、俯く顔は艶やかで。色気に満ちたその表情を見ているだけで、私の胸は勝手に早鐘を打ってしまうほどだった。

「と、とりあえずこんな路地裏じゃ、いつ人がくるか
分かりません……どこか人から隠れることのできるとこ……宿とか近くにあれば──」

「……はぁ、無理だ。すまないっ」

 コルネリウスは短く謝ったと思えば、突然繋いだ私の手を引き寄せる。ぐっと近づいたその距離に、顔の近さに、私は狼狽を通り越して固まってしまう。そして気がつけば──。

「……んっ!」

 唇に温かいモノが触れた。柔らかいそれがコルネリウスの唇だと理解するのに数秒を要した。彼はその分厚い舌で強引に私の唇をこじ開けたかと思えば、中へと差し込んでくる。にゅるりと初めて味わう感覚に背中が震え、腰が砕けそうになった。

「……んんっ!」

 ぐちゅぐちゅと唾液の混じる音が路地裏に響く。青空の下、日中からこのような淫猥な行いをしていることに後ろめたさを感じる。けれど口内を蠢く熱い舌が心地よくて、甘い快楽へ流されていく。

 彼の舌は歯列をなぞり、口腔内を暴れ回った。抱きしめるように強引に腰を引き寄せられば、腹に熱く固いものの存在を感じた。それが何か理解した途端、顔から火が出る思いだった。
 
 発情による興奮で、頭に血が昇っているコルネリウスはほとんど理性を保ててはいないようだった。ぐりり、と怒張を押し付けられ、熱い口付けに翻弄され続けることしかできない。

 だが突如コルネリウスは、ふと、我に帰ることができたのか私の肩を突き放した。小さく悲鳴をあげて後退した私に向かって「すまないっ」と苦しげに言う。

 それを見て、本能的に彼をどうなかしなければという使命感に駆られた。

 昨日、私が発情で苦しんでいたところをコルネリウスは助けてくれた。あのどうしようもない圧倒的な飢餓のような苦痛に人の身で抗うことなどできるはずもない。それを我慢するなど正気の沙汰ではないということを身をもって実感しているのだから。

 私は喉を鳴らして唾を飲み込み、覚悟を決める。

 彼は自分の身を挺して少女を守った。発情するかもしれないと分かっていても、事故を前にしたら自然と動いてしまう人なのだ。そんな人間を放っておくほど、私も鬼畜ではない。

「じっとしていてください」

「……っ、なにをっ」

「私も初めてで上手くできるかは分かりませんが、頑張ってみます」

 脂汗を流しながら動揺するコルネリウスをよそに、私は彼の下腹部を前に居座る。すでに衣服の上からでもわかるほどに性器は勃起しているようだった。震える手でズボンの前をくつろげ、下着をずらせば。

「……っ!」

 初めて間近に見た男性の象徴は、思わず悲鳴を上げたくなるほどの衝撃的なものだった。先端から透明な汁がたらたらと溢れる陰茎は全体的に赤黒く、空を向き反り立っている。

 とりあえず片手で包み込めば、熱く、びくびくと脈打つのを感じた。とろりとあふれ出る先走り液が私の手に垂れてくる。頭上から「くっ」と息を漏らすコルネリウスのため息が聞こえた。

 私は友人との猥談で耳にした知識を総動員しながら、ゆっくりと手を上下に擦り始めた。汁の粘着質な音を気にすることなく、強弱をつけて腕を振る。ぬちぬちと湿った音は次第に大きくなっていき、比例してコルネリウスの欲望も体積を増していった。

「きもちいですか?」

 普段、腕の運動をすることのない私はこれだけで息を切らしてしまう。問いかければ、コルネリウスは額に汗を滲ませながら悔しそうにそっぽを向いた。
 その様子を見て、やり方が間違っていないと確信した私は恐る恐る彼の屹立に顔を寄せた。そして口を開いて先端を咥える。
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