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上弦の章 帝国内乱
ダリアこそが世界を照らすの♪ 2
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顔を上げた少女ことパンドラは、
「ルンルンルン♪」
と、謎の音律を口ずさむ。
こいつ、何人殺したんだろう?
彼女の目はどう観察しても常軌を逸した瞳だった。
そして、何よりもソフィーと比べると表情の変化が激しい。
パンドラ、俺と同じ元ヴァルトの人間か。
「まぁ、カインが出てこないならひっぱりだすしかないよね♪ そう言うことだからアベル君♪ 死んで♪♪」
カレンに見られるかもしれないが、こいつを相手に力の出し惜しみなんてしていられない。
あれをどうにか発動しないと…………。
「『鮮血を喰らいし……断罪なる鎌よ……』」
手の甲に禍々しい紋様が浮かび上がる。
「『盟約に従い……我に力をっっ!!』」
虚空が歪み、そこに手を入れると肉で作られたような棒状の柄に三日月型の刃が付いた鎌が引き抜かれる。
「へぇ♪ 短期詠唱で発動したんだ♪」
パンドラは拍手をするが、
「でも、あの頃の方がもっと禍々しい見た目だね♪」
拳を前に構える。
近接格闘の構えだった。
「『散った者の血を代償に発動せよ…………! 霧血ノ暴蛇!!』」
左手の紋様と鎌から一斉に血が吹き出し、俺はその中に溶け込む。
接近戦は奴にとって相当自信があるのだろう。
現に、先程の怪力染みた異様な力、こちらの武器を見た上で拳を突き出す徒手空拳の構えが物語っている。
なら、正面からではなく死角から音を立てずに奇襲する戦法が得策だと俺は判断した。
即座に後方に退き、気配を殺しながら背面に行くように移動する。
だが、
「アハッ♪ 君の考えることなんて見え見えなんだよ!」
パンドラはこちらの位置を正確に割り出したのか、霧の中を一直線に駆けながら俺に近づいていく。
「チッ!」
横に薙いだ鎌を簡単にかわし、パンドラは足払いをした。
それはただの足払いではなく、当たった時に足首の骨が折れる音がしたが。
せめてもの牽制に鎌を降り下ろすが、その前に突進をまともに受けて地面に叩きつけられる。
力の差は明白だった。
「君の鎌ってさぁ♪ 確かに強いけど間合いの中に入られたら素手に不利だよね♪」
「…………」
俺は無言で立ち上がる。
「痛いよね♪ 速く贄血ノ治癒を使ったらどうかなっ♪」
「それをしたらお前が後悔することになるんじゃないか?」
「良いんだよ♪ むしろアタシとしては君に技法を使ってもらった方が都合いいから♪ 遠慮せずに使いなよぉ♪ どっち道君はアタシに勝てないんだからさ♪」
都合がいい?
相手を有利にしてなんの都合が良いんだ。
パンドラは懐から特殊な装飾を施した短剣を取り出す。
「ただ、すぐに殺すのは勿体無いから、少し遊んであげるよ♪」
その切っ先を迷うことなく腕に刺した。
血は流れ、地に落ちる。
「『鮮血を喰らいし…断罪なる鎌よ♪』」
「!?」
その詠唱は、俺のと全く同じ物だった。
「『盟約に従い……アタシに力をっ♪』」
虚空に手を突き入れ、引き抜かれると、俺のより小振りながらそれは断罪の鎌だった。
「やっぱりアタシのだと失敗だぁ。でも遊びだしいいや♪」
そう言い、風切り音をブンブン立てて鎌を軽く素振りする。
俺は覚悟した。
もしかしたら今日、俺は死ぬだろうと。
「ルンルンルン♪」
と、謎の音律を口ずさむ。
こいつ、何人殺したんだろう?
彼女の目はどう観察しても常軌を逸した瞳だった。
そして、何よりもソフィーと比べると表情の変化が激しい。
パンドラ、俺と同じ元ヴァルトの人間か。
「まぁ、カインが出てこないならひっぱりだすしかないよね♪ そう言うことだからアベル君♪ 死んで♪♪」
カレンに見られるかもしれないが、こいつを相手に力の出し惜しみなんてしていられない。
あれをどうにか発動しないと…………。
「『鮮血を喰らいし……断罪なる鎌よ……』」
手の甲に禍々しい紋様が浮かび上がる。
「『盟約に従い……我に力をっっ!!』」
虚空が歪み、そこに手を入れると肉で作られたような棒状の柄に三日月型の刃が付いた鎌が引き抜かれる。
「へぇ♪ 短期詠唱で発動したんだ♪」
パンドラは拍手をするが、
「でも、あの頃の方がもっと禍々しい見た目だね♪」
拳を前に構える。
近接格闘の構えだった。
「『散った者の血を代償に発動せよ…………! 霧血ノ暴蛇!!』」
左手の紋様と鎌から一斉に血が吹き出し、俺はその中に溶け込む。
接近戦は奴にとって相当自信があるのだろう。
現に、先程の怪力染みた異様な力、こちらの武器を見た上で拳を突き出す徒手空拳の構えが物語っている。
なら、正面からではなく死角から音を立てずに奇襲する戦法が得策だと俺は判断した。
即座に後方に退き、気配を殺しながら背面に行くように移動する。
だが、
「アハッ♪ 君の考えることなんて見え見えなんだよ!」
パンドラはこちらの位置を正確に割り出したのか、霧の中を一直線に駆けながら俺に近づいていく。
「チッ!」
横に薙いだ鎌を簡単にかわし、パンドラは足払いをした。
それはただの足払いではなく、当たった時に足首の骨が折れる音がしたが。
せめてもの牽制に鎌を降り下ろすが、その前に突進をまともに受けて地面に叩きつけられる。
力の差は明白だった。
「君の鎌ってさぁ♪ 確かに強いけど間合いの中に入られたら素手に不利だよね♪」
「…………」
俺は無言で立ち上がる。
「痛いよね♪ 速く贄血ノ治癒を使ったらどうかなっ♪」
「それをしたらお前が後悔することになるんじゃないか?」
「良いんだよ♪ むしろアタシとしては君に技法を使ってもらった方が都合いいから♪ 遠慮せずに使いなよぉ♪ どっち道君はアタシに勝てないんだからさ♪」
都合がいい?
相手を有利にしてなんの都合が良いんだ。
パンドラは懐から特殊な装飾を施した短剣を取り出す。
「ただ、すぐに殺すのは勿体無いから、少し遊んであげるよ♪」
その切っ先を迷うことなく腕に刺した。
血は流れ、地に落ちる。
「『鮮血を喰らいし…断罪なる鎌よ♪』」
「!?」
その詠唱は、俺のと全く同じ物だった。
「『盟約に従い……アタシに力をっ♪』」
虚空に手を突き入れ、引き抜かれると、俺のより小振りながらそれは断罪の鎌だった。
「やっぱりアタシのだと失敗だぁ。でも遊びだしいいや♪」
そう言い、風切り音をブンブン立てて鎌を軽く素振りする。
俺は覚悟した。
もしかしたら今日、俺は死ぬだろうと。
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