断罪のアベル

都沢むくどり

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新月の章 鮮血ヲ喰ライシ断罪ノ鎌

契約労働者アベル その4!

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「ヒャハハハァァァァッッッッッ!!!」

「逃がすなァァァァァァ!!!」

「身ぐるみ剥がせェェェェェ!!!」

 かつては白色だった擦り切れたみすぼらしいシャツ、刃こぼれした牛刀。

 何日も風呂に入っていないのか、小蠅が体の周りをブンブンうるさい羽音を立てながら、飛んでいる。

 人数は約六人。他にもどこかに潜伏している可能性があるので油断はできない。

 ならすべきことは限られてくる。

「おいおい、俺はただの旅人だ。奪ったところで大していいもんとれねぇよ」

 両手を挙げ、戦意が無いことを示す。

「キヒャヒャ! それでもお前は俺たちにとって最高のエモノなんだよォォォ!!!」

「しばらく誰も通りかからなかったしィィィィ!!!」

「その剣を売りさばいてカネに変えられるしなァァァァァァ!!!」

「おとなしく渡せェェェ!!!」

 話の分からない人たちのようだ。

 ズカズカと大股で迫ってくる。

 退路を塞がれているため、帰ろうにも帰れない。

「はぁ…………」

 やるしかないのか…………。

 剣を抜き、体勢を低くする。

「くたばれェェェェェェェェェェ!!!」

 大柄な賊が大振りな一撃を放った。

 すぐさま抜刀していた剣で身を守ると、ガギキキッと金属音を立てて火花が飛び散る。

「こんのガキャァァァァァァ!!!」

 防がれた事に腹を立てたのか今度は連続で振り回す。

 だが無駄なことだ。確かに奴の腕力は強い。けどな………。

「隙だらけなんだよ」

 牛刀を受け流し、剣で小手に向かって思い切り振り下ろす。

 痛みに耐えかねて牛刀を手放した瞬間に左手で牛刀を奪い、

 後ろに回り込むと同時に膝裏とすねを頑丈な剣で殴打する。

 いくら大柄な男でさえも、間接は弱い。

 うめき声をあげながら膝立ち状態になる頃を見計らって




 首を跳ね飛ばした。



 斬られた傷口から滝の如く鮮血がほど走る。

 血の雨が俺や残りの賊たちに降りかかった。

「ア、アニキッッ…………………! ヒィィ!!!」

 一番近くにいた賊が悲鳴を上げる。

 目にかからないよう、反射的に目を閉じたのだろう。

 それがそいつの不幸だった。

 ゆっくりと目を開けて最初に目に映った光景は、

 血だまりの中に膝立ちの状態のまま、動かなくなった、かつてのボス。

 いや、周りは一同にボスのに視線を向けている。

 だがこの一人の賊の最大の不幸。

 それは、目の前に目を見開いたボスのがそいつを見つめていたからだ。
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