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新月の章 鮮血ヲ喰ライシ断罪ノ鎌
白夜の箱庭 2
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わずかな時間、二人の間に沈黙が訪れる。
それはあたり一面の空間に同調するかのように。
やがて少女の方から口を開いた。
「あだ名のようなもので結構ですので何か名前を付けてください。そういうものがないと、話すときも不便でしょう? これからいろいろ聞きたそうな顔もしてますし」
「そうだな………」
名前…………。
案外時間がかかりそうな作業と思いきや、答えは一瞬で仕上がった。
「ノア………………。ノアでどうだ?」
名前にこれといった意味はない。二文字で響きもいいが、それを意図して作ったわけでもない。
カレンの苗字であるノスタルジアの語頭と語尾を合わせたという犬に名前を付けるような短絡的思考から名付けた名ですらない。
ただ少女を見て直感的に、本能的に、導き出された回答だ。
「ノア……。とても良い名です。ではこれからはノアと呼んでください」
ノア、と名前を付けられた少女は心底嬉しそうな表情をしていた。
その動作と同時に今までアベルとノア以外、何一つ動かなかった背景に変化が起きる。
風、生暖かいそよ風だ。その風に白い花びらが吹き飛ばされ、二人を中心にして周囲にゆっくりと飛び回り始めた。
さらに停止していたはずの巨大な歯車が、ゆっくりとだが動き始めた。
「なんだ!?」
「心配することはありません。この空間は長時間維持することが出来ない。ですので今回はここまでという時間の合図です」
少し驚いた俺を諭すノア。
「まだほんの少しだけ時間があります。なにか聞きたいことがあるのでしょう? 私に分かることで、一つだけなら答えますよ」
笑みを浮かべながら、手を後ろに回す。
「あぁ、じゃあ………」
聞きたいことは今のところ一つ。
「今まで白夜の箱庭に来たことがないんだが、この空間は何か条件を満たして連れて来られるのか?」
そもそも何故、ここに来たのかが謎だ。白夜の箱庭と呼ばれる名称も聞いたことが無い。まずは、それを確かめなければいけない。
「すみません、この世界は構築されたばかりでして………………。整理された情報が少なく、この白夜の箱庭を管理する私でもまだ、すべてを把握しているわけではないんです……………………」
と、申し訳なさそうに頭を下げてきた。
この世界に来る手がかりがあれば何か有益だと思ったが、
「分かった。残念だけどまた今度聞こう」
しょうがない。
「次にお会いする時までにはもっとお応えできるようになります。アハッ、また会えますよ、すぐにね」
「えっ」
すぐだけを大きくした意味深な発言の続きを聞こうとした途端、白夜の箱庭はノアを光源に眩い白光に包まれた。
それはあたり一面の空間に同調するかのように。
やがて少女の方から口を開いた。
「あだ名のようなもので結構ですので何か名前を付けてください。そういうものがないと、話すときも不便でしょう? これからいろいろ聞きたそうな顔もしてますし」
「そうだな………」
名前…………。
案外時間がかかりそうな作業と思いきや、答えは一瞬で仕上がった。
「ノア………………。ノアでどうだ?」
名前にこれといった意味はない。二文字で響きもいいが、それを意図して作ったわけでもない。
カレンの苗字であるノスタルジアの語頭と語尾を合わせたという犬に名前を付けるような短絡的思考から名付けた名ですらない。
ただ少女を見て直感的に、本能的に、導き出された回答だ。
「ノア……。とても良い名です。ではこれからはノアと呼んでください」
ノア、と名前を付けられた少女は心底嬉しそうな表情をしていた。
その動作と同時に今までアベルとノア以外、何一つ動かなかった背景に変化が起きる。
風、生暖かいそよ風だ。その風に白い花びらが吹き飛ばされ、二人を中心にして周囲にゆっくりと飛び回り始めた。
さらに停止していたはずの巨大な歯車が、ゆっくりとだが動き始めた。
「なんだ!?」
「心配することはありません。この空間は長時間維持することが出来ない。ですので今回はここまでという時間の合図です」
少し驚いた俺を諭すノア。
「まだほんの少しだけ時間があります。なにか聞きたいことがあるのでしょう? 私に分かることで、一つだけなら答えますよ」
笑みを浮かべながら、手を後ろに回す。
「あぁ、じゃあ………」
聞きたいことは今のところ一つ。
「今まで白夜の箱庭に来たことがないんだが、この空間は何か条件を満たして連れて来られるのか?」
そもそも何故、ここに来たのかが謎だ。白夜の箱庭と呼ばれる名称も聞いたことが無い。まずは、それを確かめなければいけない。
「すみません、この世界は構築されたばかりでして………………。整理された情報が少なく、この白夜の箱庭を管理する私でもまだ、すべてを把握しているわけではないんです……………………」
と、申し訳なさそうに頭を下げてきた。
この世界に来る手がかりがあれば何か有益だと思ったが、
「分かった。残念だけどまた今度聞こう」
しょうがない。
「次にお会いする時までにはもっとお応えできるようになります。アハッ、また会えますよ、すぐにね」
「えっ」
すぐだけを大きくした意味深な発言の続きを聞こうとした途端、白夜の箱庭はノアを光源に眩い白光に包まれた。
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