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新月の章 鮮血ヲ喰ライシ断罪ノ鎌
閑話 とある詩人の創作日記 捌
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馬を置き去りに、私は走る。
馬は付いてこない。当然だ。
わざわざ死地に身を置くはずがない。
火を嫌う動物なら尚更な事。
まあ、遠くで待ってくれているだろう。
今は詩を作る事に集中したい。
しかし何とも煙たい物だ。
咳をするとバレたときに厄介なので、布を口元にくくりつけながら、地をはって移動する。煙は上へ行く。
なら下を通れば良い。
少しずつ、少しずつ村へ近づいていく。
すると、金属と金属がぶつかり合う音がするではないか!
これは、剣撃音!?
炎からバチバチと大きな音が鳴るが、高い金属音はきちんと聞こえる。
もう少し近くへ行かねば。
と、思っていたところに村の中へ落雷が落ちる。
ヒッ!?
思わず小さな悲鳴をあげてしまうが幸い誰もいなかった。
た、助かった。
あれは自然な雷と言うよりは人為的な魔術だろう。
これ以上は危険な気もするが、全ては詩のため。ここまで来て下がるなどもっての他だ。
私は雷の落ちた場所へ向け、急いだ。
道には死体が転がっている。老若男女問わず無惨に殺されていた。
槍で貫かれた男。服を破られ、見るからに犯された後に殺された女性や少女。
これが人のなすことなのか。吐き気がする。
だが、だからこそ我々のような詩人がいるのだ。
惨状を、悲劇を、愛や偉業を後世に伝えるために。
その為なら、どんなことでも詩にして書き留めようではないか。
私の心の中で詩を書くための好奇心が、道徳や情を超越した。
書きたい、書きたい、ただひたすらに書きたい。
そして、現場にたどり着く。
最初に見えたのは甲冑を纏った集団と、ひときわ豪奢な衣装に身を包んだ男が私に対して背を向ける位置にいた。
な!? あれは貴族ではないか!!
賊ではない、正真正銘の貴族。
その貴族がみすぼらしい格好で仰向けに倒れている者の喉元に剣を刺す。
ピクピクと苦しがるその者を見ながら、何やら笑い声を上げていた。
それからこちらを振り返り、歩き始めた。
く、来るな!
今の私は大きなタルに身を隠して、ちょうど穴が開いた部分から向こうを覗いている。現在見つかってはいないだろうが、このままだと確実にバレる。
クソッッッッ! まだ終わる訳には!!
けれど、貴族は止まった。
私の思考も止まった。あり得ぬ光景が写る。
それは、死体から血が動きだし、先程喉元を貫かれた男に集まっていたからだ。
馬は付いてこない。当然だ。
わざわざ死地に身を置くはずがない。
火を嫌う動物なら尚更な事。
まあ、遠くで待ってくれているだろう。
今は詩を作る事に集中したい。
しかし何とも煙たい物だ。
咳をするとバレたときに厄介なので、布を口元にくくりつけながら、地をはって移動する。煙は上へ行く。
なら下を通れば良い。
少しずつ、少しずつ村へ近づいていく。
すると、金属と金属がぶつかり合う音がするではないか!
これは、剣撃音!?
炎からバチバチと大きな音が鳴るが、高い金属音はきちんと聞こえる。
もう少し近くへ行かねば。
と、思っていたところに村の中へ落雷が落ちる。
ヒッ!?
思わず小さな悲鳴をあげてしまうが幸い誰もいなかった。
た、助かった。
あれは自然な雷と言うよりは人為的な魔術だろう。
これ以上は危険な気もするが、全ては詩のため。ここまで来て下がるなどもっての他だ。
私は雷の落ちた場所へ向け、急いだ。
道には死体が転がっている。老若男女問わず無惨に殺されていた。
槍で貫かれた男。服を破られ、見るからに犯された後に殺された女性や少女。
これが人のなすことなのか。吐き気がする。
だが、だからこそ我々のような詩人がいるのだ。
惨状を、悲劇を、愛や偉業を後世に伝えるために。
その為なら、どんなことでも詩にして書き留めようではないか。
私の心の中で詩を書くための好奇心が、道徳や情を超越した。
書きたい、書きたい、ただひたすらに書きたい。
そして、現場にたどり着く。
最初に見えたのは甲冑を纏った集団と、ひときわ豪奢な衣装に身を包んだ男が私に対して背を向ける位置にいた。
な!? あれは貴族ではないか!!
賊ではない、正真正銘の貴族。
その貴族がみすぼらしい格好で仰向けに倒れている者の喉元に剣を刺す。
ピクピクと苦しがるその者を見ながら、何やら笑い声を上げていた。
それからこちらを振り返り、歩き始めた。
く、来るな!
今の私は大きなタルに身を隠して、ちょうど穴が開いた部分から向こうを覗いている。現在見つかってはいないだろうが、このままだと確実にバレる。
クソッッッッ! まだ終わる訳には!!
けれど、貴族は止まった。
私の思考も止まった。あり得ぬ光景が写る。
それは、死体から血が動きだし、先程喉元を貫かれた男に集まっていたからだ。
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