110 / 190
上弦の章 帝国内乱
追憶の欠片 Ⅲ
しおりを挟む
ソフィーはある一件を経て、ボクに心を開くようになった。
それまでのソフィーは、まさに生き人形と呼ばれるであろう存在だったのだが、
「兄さん…………」
今ではとても愛嬌のある愛らしい妹となった。
声はそこまで抑揚のない雰囲気ではあるが、行動や仕草などと言った動作に急激な変化を起こした。
ソフィーにとって、いやボクにとってもであるが、あの一件はよっぽど重要な事だったのだ。
まあ、これでソフィーが本当の家族となった訳ではあるし、ボクとしては嬉しい。
と、そんな風にボクは椅子に座りながらソフィーを視界の中心に捉えながら考え事をしていると、
「ウフフッッ…………ソフィーの特等席」
ソフィーは座っているボクの両足の上に座り、微笑んでいた。
「ソフィー、ちょっと恥ずかしいよ」
妹とは言え、やっぱりソフィーは女の子。しかも最近仲良くなったばっかりだ。
服越しではあるが、触れあうとなんと言うか、緊張してしまう。
「兄妹だから何も恥ずかしいことはないよ…………?」
ソフィーは一度ボクの足から降りると、振り返ってすぐにボクの胸に飛び込む。
フワッと甘い香りがボクの鼻を刺激した。
「ソフィーにとって兄さんは一番大切な人…………それはソフィーと兄さんが死ぬまで、ううん。死んだあとだって、永遠に思い続ける…………………」
スン、スン、とボクの胸元に顔を埋めて匂いを嗅ぐ。
「兄さんの匂い、兄さんの所々に出る仕草、兄さんの言葉遣い、兄さんの趣味、兄さんの特技、兄さんのソフィーの頭を撫でてくれる優しい手、兄さんの好きな食べ物、兄さんの日課、兄さんの全部、全部、全部が好き。兄さんは…………」
と、ソフィーは少し言うのを躊躇うようにしてから、
「こんなソフィーを…………受け入れてくれる?」
一つ、
「うん」
「好きでいてくれる……………………?」
二つ、
「もちろん」
「ずっと、ずっと…………一緒にいてくれる?」
三つ、とボクに問う。
「当たり前だよ」
それらの一言一言に、間髪いれずボクは答えた。
それが誠意だと思ったから。
対してソフィーはボクの返事を聞く度、ピクッ、ピクッと反射的に体を動かした。
「ソフィーはこんなにもボクの事を思ってくれている、拒むわけないじゃないか。それにボク達はもう、本当の家族でしょ?」
ボクはツインテールに結われたサラサラな銀の髪を綺麗だと思いつつ、頭頂部を撫でてやる。
「嬉しいっ………………兄さん!」
ソフィーは喜びの声と共に背中に腕を回して精一杯ボクを抱き締めた。
華奢な細い腕からは信じられないほどの力で少しばかり息が苦しくもあったが、それだけ思いが強いのだろう。
普通の家庭にとって当たり前かもしれない光景をようやく手に入れた気がする。
こんな家だから余計にそう思えてきた。
「幸せだよ兄さん。これが家族愛、それよりも兄妹愛なのかな…………」
ソフィーはボクを見上げた。
白い頬には赤みが帯びていて、目は嬉しそうにトロンとしている。
そして、
「好き………………………………」
ソフィーは目を閉じて、ボクの口に自分の唇を重ねた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
アベルとソフィー。
それぞれの言ってることの本質をよく観察すると、この先のルート分岐の時への布石になるかも?
それまでのソフィーは、まさに生き人形と呼ばれるであろう存在だったのだが、
「兄さん…………」
今ではとても愛嬌のある愛らしい妹となった。
声はそこまで抑揚のない雰囲気ではあるが、行動や仕草などと言った動作に急激な変化を起こした。
ソフィーにとって、いやボクにとってもであるが、あの一件はよっぽど重要な事だったのだ。
まあ、これでソフィーが本当の家族となった訳ではあるし、ボクとしては嬉しい。
と、そんな風にボクは椅子に座りながらソフィーを視界の中心に捉えながら考え事をしていると、
「ウフフッッ…………ソフィーの特等席」
ソフィーは座っているボクの両足の上に座り、微笑んでいた。
「ソフィー、ちょっと恥ずかしいよ」
妹とは言え、やっぱりソフィーは女の子。しかも最近仲良くなったばっかりだ。
服越しではあるが、触れあうとなんと言うか、緊張してしまう。
「兄妹だから何も恥ずかしいことはないよ…………?」
ソフィーは一度ボクの足から降りると、振り返ってすぐにボクの胸に飛び込む。
フワッと甘い香りがボクの鼻を刺激した。
「ソフィーにとって兄さんは一番大切な人…………それはソフィーと兄さんが死ぬまで、ううん。死んだあとだって、永遠に思い続ける…………………」
スン、スン、とボクの胸元に顔を埋めて匂いを嗅ぐ。
「兄さんの匂い、兄さんの所々に出る仕草、兄さんの言葉遣い、兄さんの趣味、兄さんの特技、兄さんのソフィーの頭を撫でてくれる優しい手、兄さんの好きな食べ物、兄さんの日課、兄さんの全部、全部、全部が好き。兄さんは…………」
と、ソフィーは少し言うのを躊躇うようにしてから、
「こんなソフィーを…………受け入れてくれる?」
一つ、
「うん」
「好きでいてくれる……………………?」
二つ、
「もちろん」
「ずっと、ずっと…………一緒にいてくれる?」
三つ、とボクに問う。
「当たり前だよ」
それらの一言一言に、間髪いれずボクは答えた。
それが誠意だと思ったから。
対してソフィーはボクの返事を聞く度、ピクッ、ピクッと反射的に体を動かした。
「ソフィーはこんなにもボクの事を思ってくれている、拒むわけないじゃないか。それにボク達はもう、本当の家族でしょ?」
ボクはツインテールに結われたサラサラな銀の髪を綺麗だと思いつつ、頭頂部を撫でてやる。
「嬉しいっ………………兄さん!」
ソフィーは喜びの声と共に背中に腕を回して精一杯ボクを抱き締めた。
華奢な細い腕からは信じられないほどの力で少しばかり息が苦しくもあったが、それだけ思いが強いのだろう。
普通の家庭にとって当たり前かもしれない光景をようやく手に入れた気がする。
こんな家だから余計にそう思えてきた。
「幸せだよ兄さん。これが家族愛、それよりも兄妹愛なのかな…………」
ソフィーはボクを見上げた。
白い頬には赤みが帯びていて、目は嬉しそうにトロンとしている。
そして、
「好き………………………………」
ソフィーは目を閉じて、ボクの口に自分の唇を重ねた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
アベルとソフィー。
それぞれの言ってることの本質をよく観察すると、この先のルート分岐の時への布石になるかも?
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる