断罪のアベル

都沢むくどり

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上弦の章 帝国内乱

幕間 いちっ♪

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 無惨にも焼け落ちた建物の数々。

 かつては村の集落だったのだろう。

 入口だったと思わしき場所には、

『○○○ル村』

 と書かれたほぼ焼失した看板が月明かりに照らされていた。

 そんな村跡に雨が降り注ぐ。

 そして、

「ルン、ルン、ルン♪」

 陽気で場違いな鼻歌が村の中央から聞こえた。

 それは少女だった。紫色の服に自分の背丈以上の巨大な棺桶を背負いながら、その少女は泥を掘り起こす。

 黙々と、いやルン、ルン、ルン♪と奏でながら作業を続ける。

「あ、これだ♪」

 少女はようやく目当てのものを見つける。

 土の中に埋もれていた物。

 それは死体だった。

 骨と腐敗が進んだ皮しか残っていない、見るに耐えない死体。

「ざっと死後3週間くらいかな♪ それに……………………」

 少女は死体をよく観察し、一つの結論にたどり着く。

「血の出たらしき場所、血の痕跡は無し…………間違いない! カインだっ♪」

 少女は心の中から歓喜する。

 そのせいか声のトーンが一段高かった。

 それから掘っては見つけを繰り返し、手に入れた死体を棺桶の中に乱暴に仕舞い込む。

「さてと、ひとまず材料はこれくらいで言いとして……………………ここからの距離だとカインの思考的に帝都、もしくはその近くにいるね♪ そしてここにもう一度訪れるはず。一刻も早くカインを連れ戻さないと、この汚物にまみれた世界にカインが汚されちゃう。それに……………」

 ずぶ濡れになった自身を気にすることなく、言葉を続ける。

「実の姉は突如失踪、父親は何者かに殺されたあの子は今どうしてるのかな♪ ♪」

 少女は着々と動き出す、顔に影のある笑顔を貼り付けながら…………

「忌まわしいベルギウスとヴァルトは何がなんでも消さないと……………………」

 最後にぼそりとそう言った。



※※※※※※※※※※※※※※※※※

 『断罪のアベル』ではバトルを徐々に増やしていく方向性ですが、この作品の書き方としての最重要事項は登場キャラの心理模写です。

 アベル、ソフィー、今の話に出てくるこの子などは大分心に物事を抱えています。

 そしてルート分岐やバッドエンドはアベルの心境がその道標を変えるので是非お楽しみください。(次のルート分岐投票は少し先です)

 なお、上弦の章からバッドエンドは事前に明記しません。
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