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上弦の章 帝国内乱
??? フレデリカの訪問 6
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フレデリカは命からがら部屋の外へ出たのだが目の前には、
「おや、お帰りになりますか?」
部屋の中でのことを知らぬ存ぜぬといった感じでサイモンが待機していた。
それを見てフレデリカは心中で、
(絶対聞いてたでしょ、今!!)
と、ソフィーに向けられぬ怒りの矛先を危うくサイモンにぶつけるところだったが、
(…………いかんいかん。こういうときこそ深呼吸。落ち着け、落ち着け…………)
すんでのところで気を静める。
「えぇ、当主から行動の権利を頂いたから、私達はこれから独自に動ける訳じゃない? だから、これからのことについて即急に対処するためにも、そろそろおいとまさせてもらうわ」
(魔導師足るもの、理性を失っては負けになっちゃう…………ここは我慢よ)
「そうでございますか、ではソフィー様に代わり…………フレデリカ様。ヴァルトの今後をよろしくお願い致します」
サイモンはソフィーの行動が想定内のようで、特に落胆の色も顔に出ず、ただ事実を受け止めた。
「……………………」
(主に忠実な下僕。でも、この人には決定的に足りない部分が今この場で見つかった。それは主を諌める抑止力。ソフィー・ヴァルツァーの動きを予測しといて何も口に出さない傍観者。でもまぁ、当主があの様じゃどうしようもないか……………………)
フレデリカは諦観した。
(あの子は、おとなしそうに見えて、こと兄に関することだけはかなりの激情家。でも力だけ持ってても誰も心から付き従わないわね。だって今のあの子、赤ん坊が強大な力を持って暴れているような物だもの)
ソフィーの言動を推察するとフレデリカ曰く、精神が未熟らしい。
フレデリカ自身も精神的に成熟したとは言い難いが、フレデリカ本人はそう思っていなかった。
「どうかされましたか?」
サイモンはフレデリカの顔をじっと見つめる。
「お顔色が優れないようですが………?」
(どの口がそれを言うのよ!)
先程の衝撃でまだ胃が痛むフレデリカは、もう帰りたかった。
「だ、大丈夫だから。もう、行くわね」
フレデリカはすたすたと歩いて、ラベンダーの花々を通りすぎる。
サイモンは付いてこなかった。
フレデリカの不機嫌な様子を肌で感じ取ったのだろう。
ただ、フレデリカの後ろ姿を見つめるサイモンは、
「これからの事はともかく、これでソフィー様の思惑通りになりましたか…………」
と、呟いた。
「おや、お帰りになりますか?」
部屋の中でのことを知らぬ存ぜぬといった感じでサイモンが待機していた。
それを見てフレデリカは心中で、
(絶対聞いてたでしょ、今!!)
と、ソフィーに向けられぬ怒りの矛先を危うくサイモンにぶつけるところだったが、
(…………いかんいかん。こういうときこそ深呼吸。落ち着け、落ち着け…………)
すんでのところで気を静める。
「えぇ、当主から行動の権利を頂いたから、私達はこれから独自に動ける訳じゃない? だから、これからのことについて即急に対処するためにも、そろそろおいとまさせてもらうわ」
(魔導師足るもの、理性を失っては負けになっちゃう…………ここは我慢よ)
「そうでございますか、ではソフィー様に代わり…………フレデリカ様。ヴァルトの今後をよろしくお願い致します」
サイモンはソフィーの行動が想定内のようで、特に落胆の色も顔に出ず、ただ事実を受け止めた。
「……………………」
(主に忠実な下僕。でも、この人には決定的に足りない部分が今この場で見つかった。それは主を諌める抑止力。ソフィー・ヴァルツァーの動きを予測しといて何も口に出さない傍観者。でもまぁ、当主があの様じゃどうしようもないか……………………)
フレデリカは諦観した。
(あの子は、おとなしそうに見えて、こと兄に関することだけはかなりの激情家。でも力だけ持ってても誰も心から付き従わないわね。だって今のあの子、赤ん坊が強大な力を持って暴れているような物だもの)
ソフィーの言動を推察するとフレデリカ曰く、精神が未熟らしい。
フレデリカ自身も精神的に成熟したとは言い難いが、フレデリカ本人はそう思っていなかった。
「どうかされましたか?」
サイモンはフレデリカの顔をじっと見つめる。
「お顔色が優れないようですが………?」
(どの口がそれを言うのよ!)
先程の衝撃でまだ胃が痛むフレデリカは、もう帰りたかった。
「だ、大丈夫だから。もう、行くわね」
フレデリカはすたすたと歩いて、ラベンダーの花々を通りすぎる。
サイモンは付いてこなかった。
フレデリカの不機嫌な様子を肌で感じ取ったのだろう。
ただ、フレデリカの後ろ姿を見つめるサイモンは、
「これからの事はともかく、これでソフィー様の思惑通りになりましたか…………」
と、呟いた。
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