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上弦の章 帝国内乱
閑話 新月の詩 断罪の奏音(カレン視点)
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時系列はアベルが気絶してから目を覚ましてすぐです。
🌑🌑🌑🌑🌑🌑🌑🌑🌑🌑🌑🌑🌑
リトラル村の一件は終わり、療養中の私に代わってお母様が帝国議会に事情を話すと、そこでアベルを除く唯一の生き残りだった私は議会に召還された。
私は気絶前、気絶後の内容をある程度歪曲して、なおかつアベルの存在を隠した上で話した。
アベルの存在を伏せることにしたのは、彼が私と同じく気絶していて、ガレット家の人間がどうして死んだのかが不明だった点と、貴族間の変な勘繰りを避ける為だ。
そもそも、ガレット家はグランドル家の遠縁。
その人に殺されそうになったと言っても、むしろ不敬罪で私は処刑されてしまう。
だから、ガレット家に援軍を要請して、村で布陣している所を賊に襲われたと目の前の事情を聴取する担当官に言った。
賊相手に精鋭の騎士が負けるはずなんてないけど…………。
全ての聴取を終えた私は、追って沙汰を下すと宣告されて、部屋を出た。
身分がそんなに高くなくとも、グランドルの遠縁だ。
この事は今のグランドル家当主、ジークにも知らせは行くだろう。
「これからノスタルジア家はどうなるのかな…………」
重い足取りで帰路を歩く。
濡れ衣とか着せられないように注意しないと。
仮に沙汰が無くても、収入面の心配もある。
これでノスタルジア家は徴税権を持つ全ての村を失ってしまった。
財が無ければ自ずと家は途絶える。
それに、失った村の人達は帰ってこない。
「…………」
負の感情が溢れそうになったけど、私は頬を叩いて気を取り直した。
「私が潰されちゃダメ。ここでしっかりしないと」
と、活を入れた所に詩を歌っている人物が目に留まった。
この前のちょっと変わってる詩人。
ただ、詩の内容に眉を潜めた。
小さな村で起きた惨劇
賊は村人を無惨に殺し
村ごと炎で燃やし尽くす
そこへ降り立つ一人の旅人
喉を突かれて地に伏さばる
かすかに聞こえる誰かの声
死に行くはずの死に損ない
旅人ここに立ち上がる
正義の刃が出現し
死ぬはずだった者はこう呟く
さぁ、始めよう
断罪の時間だ
途絶えること無き断末魔
悪はそれにて消え去った
これはどこかの名も知れぬ者の話
彼は何処へ飛び立った
弱き者を助けるために
何処かの話か分からないけど、当時の悲惨な光景が思い起こされる。
「…………くっ」
気分が悪い。
詩人に見られる前に、私はその場を後にした。
後日、帝国議会の使者が訪れて衝撃的なことを宣告された。
「ガレットが持っていた封土の内5つの村をノスタルジア家の封土とする。今回の事は誰にも話すな。その方が御身のためだ」
理解できなかった。
「その、仰る意味が…………」
当主であるお母様も驚いていた。
なにより分割される意味が不明だ。
グランドルにとってそれは不利益なのに。
「この決定にはウリヤノフ議長、ジーク様のお二方から了承を受けている。二度は言わぬ。良いな」
「なっ!?」
帰る使者を遠目に私は呆然としていた。
ひょっとして、何かの政争に巻き込まれたのではないか、と。
🌓🌓🌓🌓🌓🌓🌓🌓🌓🌓🌓🌓🌓
本編の方がちょっと遅れているので、閑話のストックを先に出します。
( ノ;_ _)ノ
🌑🌑🌑🌑🌑🌑🌑🌑🌑🌑🌑🌑🌑
リトラル村の一件は終わり、療養中の私に代わってお母様が帝国議会に事情を話すと、そこでアベルを除く唯一の生き残りだった私は議会に召還された。
私は気絶前、気絶後の内容をある程度歪曲して、なおかつアベルの存在を隠した上で話した。
アベルの存在を伏せることにしたのは、彼が私と同じく気絶していて、ガレット家の人間がどうして死んだのかが不明だった点と、貴族間の変な勘繰りを避ける為だ。
そもそも、ガレット家はグランドル家の遠縁。
その人に殺されそうになったと言っても、むしろ不敬罪で私は処刑されてしまう。
だから、ガレット家に援軍を要請して、村で布陣している所を賊に襲われたと目の前の事情を聴取する担当官に言った。
賊相手に精鋭の騎士が負けるはずなんてないけど…………。
全ての聴取を終えた私は、追って沙汰を下すと宣告されて、部屋を出た。
身分がそんなに高くなくとも、グランドルの遠縁だ。
この事は今のグランドル家当主、ジークにも知らせは行くだろう。
「これからノスタルジア家はどうなるのかな…………」
重い足取りで帰路を歩く。
濡れ衣とか着せられないように注意しないと。
仮に沙汰が無くても、収入面の心配もある。
これでノスタルジア家は徴税権を持つ全ての村を失ってしまった。
財が無ければ自ずと家は途絶える。
それに、失った村の人達は帰ってこない。
「…………」
負の感情が溢れそうになったけど、私は頬を叩いて気を取り直した。
「私が潰されちゃダメ。ここでしっかりしないと」
と、活を入れた所に詩を歌っている人物が目に留まった。
この前のちょっと変わってる詩人。
ただ、詩の内容に眉を潜めた。
小さな村で起きた惨劇
賊は村人を無惨に殺し
村ごと炎で燃やし尽くす
そこへ降り立つ一人の旅人
喉を突かれて地に伏さばる
かすかに聞こえる誰かの声
死に行くはずの死に損ない
旅人ここに立ち上がる
正義の刃が出現し
死ぬはずだった者はこう呟く
さぁ、始めよう
断罪の時間だ
途絶えること無き断末魔
悪はそれにて消え去った
これはどこかの名も知れぬ者の話
彼は何処へ飛び立った
弱き者を助けるために
何処かの話か分からないけど、当時の悲惨な光景が思い起こされる。
「…………くっ」
気分が悪い。
詩人に見られる前に、私はその場を後にした。
後日、帝国議会の使者が訪れて衝撃的なことを宣告された。
「ガレットが持っていた封土の内5つの村をノスタルジア家の封土とする。今回の事は誰にも話すな。その方が御身のためだ」
理解できなかった。
「その、仰る意味が…………」
当主であるお母様も驚いていた。
なにより分割される意味が不明だ。
グランドルにとってそれは不利益なのに。
「この決定にはウリヤノフ議長、ジーク様のお二方から了承を受けている。二度は言わぬ。良いな」
「なっ!?」
帰る使者を遠目に私は呆然としていた。
ひょっとして、何かの政争に巻き込まれたのではないか、と。
🌓🌓🌓🌓🌓🌓🌓🌓🌓🌓🌓🌓🌓
本編の方がちょっと遅れているので、閑話のストックを先に出します。
( ノ;_ _)ノ
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