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魔導書について(学習)
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「じゃあ、ヘレン、魔導書に書かれている内容を教えてくれる?」
「すごいわよ、この魔導書。最上級魔法まで載ってる。例えば『リザレクション』。」
「なに、その魔法?」
「死んだ人を復活させることができる魔法。元の持ち主は、そこまでの魔法を極めたのね。ただし、実際に使えなかったようだけど。」
「そりゃそうさ、リッチだもん。聖魔法が使えるはずがない。」
「そうよね。あっ、それから全ての傷や欠損部位を治す『エクストラ・ヒール』もあるわよ。」
「それだけでも二人だと無敵だね。」
「そうでもないわよ。魔法無効のスキル持ちだと苦労しそうだわよ?」
「そっか、そうすると僕は物理攻撃を極めていき、ヘレンは魔法を極める方がいいようだね。」
「うん、その方向で。では、魔導書を自分のものとなるよう頑張ってみるわ。」
「やっぱり森の奥に行けば、スキルの強化とお金の両面で、一挙両得って感じかな?」
「ミーノ、ギルドへ行こう。私たちに丁度いい依頼があるかも?」
「レミーさんに聞いてみよう!」
ギルドへ行くと二人は、
「レミーさん、何か依頼がありますか?」
「あるわよ。ややこしくて塩漬けされた案件が、そりゃあいっぱい。で、これなんかどう?」
レミーさんに提示された依頼は、森の最深部の調査依頼であった。文字通り調査であるため、長期間必要となる。他のギルド員だと、余りにも拘束時間が長いため、非常に嫌がれていた。
「なるほど、この案件だと普通のギルド員だと躊躇するわね。」
「ああ、でも僕たちなら収納的スキルもあるし、なによりおうちもあるしね。野営が苦にならないしね。よし、この依頼を受けよう。」
レミーさんに、ミーノは、
「レミーさん、是非とも依頼を受けたいと思います。」
「ありがとう。この調査結果はギルド員への情報として重宝する筈だから。で、いつから行ける?」
「そうですね、食料や水、その他の必需品を買う準備として、2日もあれば。でもレミーさん?」
「な、何?」
「準備費用は出ますよね。勿論?で・す・よ・ね?」
「あんたたち、随分と強かになってきたわね。もうギルド員として十分よ。ほら準備金よ。」
レミーさんから渡された金額は100万Mで、2~3か月は生活できそうな金額であった。
「ありがとうございます。では準備に取り掛かろうかと思います。」
「行ってらっしゃい。成果を心待ちにしてるわよ。」
こうして二人は市場へと繰り出し、長期間の調査に必要と思われる物を購入していく。2日後、
「では準備も整ったので、行ってきます。恐らく、3か月はかかると思いますので、その間おうちの方の様子を見ていてくださいね。」
「いいわよ、定期的に様子を見ておくわ。」
「行ってきまーす!」
森へと旅立った二人であった。森へ着くと、
「ヘレン、森の最深部って、こっちでいいのかな?」
「そうね、東へ1か月ほど行ったところがそうらしいわよ?でも、道らしき道は、途中までしかないみたい。」
「そっか。そこから先は、僕たちでどうにかするしかないか。」
「ミーノの『土操作』で道を作りながら行けばいいんじゃあない?」
「そうだね、僕たちの調査結果を聞いても、道がなければ行けないしね。今後を考えると、ヘレンの言うとおりにした方がよさそうだね。」
ヘレンに言われた通り、道を作りながら最奥へと向かう二人である。が、そこは普通を知らないカップルである。
「ヘレン、道って、こんなもんでいいかな?幅4m位あればいいよね?」
「十分じゃあない?あと、雨でドロドロになるといけないから、ある程度は均していた方がいいかも。」
「そうすると『土操作』で路面を固めながらの方がいいよね。」
「いいんでない?良くわかんないけど。」
ミーノのスキルで、とても一般的とは言えない立派な道が出来上がっていく。この道こそ後々、【ミーノ街道】と呼ばれる道であることは、二人には知る由もなかった。
そうこうする内に2週間がたったころ、
「ヘレン、随分と奥地まで来たけど、敵らしい敵もいなかったね。」
「そうよね。レッサードラゴンくらいかな?強かったのは。」
「うん。後、スケルトンドラゴンも居たけど、ヘレンの聖魔法で一発だったしね。」
随分とチートになったようであるが、二人にはそれが如何に異常であることとは微塵も思っていなかった。
「よし、この辺りを拠点として、調査を開始しよう。」
「分かったわ。で、調査期間はどのくらいにする?食料や何かは余裕で2か月は行けそうだけど。」
「うーん、では2か月でいこう。」
「あんまり無茶はしたくないから妥当かな?」
「調査開始!」
二人は異常な速度で調査を開始した。勿論魔物や野獣に対しても無双して。
「ヘレン、あれから2か月過ぎたみたいだけど、調査結果って、こんなもんでいいのかな?」
「いいんじゃあない?」
「よし、帰ろう。では町まで『空間移動』。」
あっという間に町へと帰還した二人はギルドに向かい、調査結果を報告した。
「と、調査結果としてはこんなもんですけど?どうでしょうか?レミーさん?どうしましたか?」
「明日、またギルドに来て頂戴。ちょっと、頭が痛くなってきたから。」
「? はい、わかりました、明日来ます。」
何だか納得いかない二人であった。
「すごいわよ、この魔導書。最上級魔法まで載ってる。例えば『リザレクション』。」
「なに、その魔法?」
「死んだ人を復活させることができる魔法。元の持ち主は、そこまでの魔法を極めたのね。ただし、実際に使えなかったようだけど。」
「そりゃそうさ、リッチだもん。聖魔法が使えるはずがない。」
「そうよね。あっ、それから全ての傷や欠損部位を治す『エクストラ・ヒール』もあるわよ。」
「それだけでも二人だと無敵だね。」
「そうでもないわよ。魔法無効のスキル持ちだと苦労しそうだわよ?」
「そっか、そうすると僕は物理攻撃を極めていき、ヘレンは魔法を極める方がいいようだね。」
「うん、その方向で。では、魔導書を自分のものとなるよう頑張ってみるわ。」
「やっぱり森の奥に行けば、スキルの強化とお金の両面で、一挙両得って感じかな?」
「ミーノ、ギルドへ行こう。私たちに丁度いい依頼があるかも?」
「レミーさんに聞いてみよう!」
ギルドへ行くと二人は、
「レミーさん、何か依頼がありますか?」
「あるわよ。ややこしくて塩漬けされた案件が、そりゃあいっぱい。で、これなんかどう?」
レミーさんに提示された依頼は、森の最深部の調査依頼であった。文字通り調査であるため、長期間必要となる。他のギルド員だと、余りにも拘束時間が長いため、非常に嫌がれていた。
「なるほど、この案件だと普通のギルド員だと躊躇するわね。」
「ああ、でも僕たちなら収納的スキルもあるし、なによりおうちもあるしね。野営が苦にならないしね。よし、この依頼を受けよう。」
レミーさんに、ミーノは、
「レミーさん、是非とも依頼を受けたいと思います。」
「ありがとう。この調査結果はギルド員への情報として重宝する筈だから。で、いつから行ける?」
「そうですね、食料や水、その他の必需品を買う準備として、2日もあれば。でもレミーさん?」
「な、何?」
「準備費用は出ますよね。勿論?で・す・よ・ね?」
「あんたたち、随分と強かになってきたわね。もうギルド員として十分よ。ほら準備金よ。」
レミーさんから渡された金額は100万Mで、2~3か月は生活できそうな金額であった。
「ありがとうございます。では準備に取り掛かろうかと思います。」
「行ってらっしゃい。成果を心待ちにしてるわよ。」
こうして二人は市場へと繰り出し、長期間の調査に必要と思われる物を購入していく。2日後、
「では準備も整ったので、行ってきます。恐らく、3か月はかかると思いますので、その間おうちの方の様子を見ていてくださいね。」
「いいわよ、定期的に様子を見ておくわ。」
「行ってきまーす!」
森へと旅立った二人であった。森へ着くと、
「ヘレン、森の最深部って、こっちでいいのかな?」
「そうね、東へ1か月ほど行ったところがそうらしいわよ?でも、道らしき道は、途中までしかないみたい。」
「そっか。そこから先は、僕たちでどうにかするしかないか。」
「ミーノの『土操作』で道を作りながら行けばいいんじゃあない?」
「そうだね、僕たちの調査結果を聞いても、道がなければ行けないしね。今後を考えると、ヘレンの言うとおりにした方がよさそうだね。」
ヘレンに言われた通り、道を作りながら最奥へと向かう二人である。が、そこは普通を知らないカップルである。
「ヘレン、道って、こんなもんでいいかな?幅4m位あればいいよね?」
「十分じゃあない?あと、雨でドロドロになるといけないから、ある程度は均していた方がいいかも。」
「そうすると『土操作』で路面を固めながらの方がいいよね。」
「いいんでない?良くわかんないけど。」
ミーノのスキルで、とても一般的とは言えない立派な道が出来上がっていく。この道こそ後々、【ミーノ街道】と呼ばれる道であることは、二人には知る由もなかった。
そうこうする内に2週間がたったころ、
「ヘレン、随分と奥地まで来たけど、敵らしい敵もいなかったね。」
「そうよね。レッサードラゴンくらいかな?強かったのは。」
「うん。後、スケルトンドラゴンも居たけど、ヘレンの聖魔法で一発だったしね。」
随分とチートになったようであるが、二人にはそれが如何に異常であることとは微塵も思っていなかった。
「よし、この辺りを拠点として、調査を開始しよう。」
「分かったわ。で、調査期間はどのくらいにする?食料や何かは余裕で2か月は行けそうだけど。」
「うーん、では2か月でいこう。」
「あんまり無茶はしたくないから妥当かな?」
「調査開始!」
二人は異常な速度で調査を開始した。勿論魔物や野獣に対しても無双して。
「ヘレン、あれから2か月過ぎたみたいだけど、調査結果って、こんなもんでいいのかな?」
「いいんじゃあない?」
「よし、帰ろう。では町まで『空間移動』。」
あっという間に町へと帰還した二人はギルドに向かい、調査結果を報告した。
「と、調査結果としてはこんなもんですけど?どうでしょうか?レミーさん?どうしましたか?」
「明日、またギルドに来て頂戴。ちょっと、頭が痛くなってきたから。」
「? はい、わかりました、明日来ます。」
何だか納得いかない二人であった。
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