異世界で【スキル作成】を使って自由に生きる!

ぺったんこ

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オレっ娘

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「すまねえな! 金を持ってない奴は泊められないぜ」

 一文無しの俺は宿の亭主に断われ、別の寝床を探すことになった。
 異世界の奴に情はないのだろうか……もちろん俺も持ち合わせてはいないが。
 仕方ない他を探すか……

 人の行き来の激しい大きい通りを抜けて、しばらく歩くと公園のような広場を見つけた。
 そこではテントを張って暮らしている人達がいた。

 身なりが悪くボロボロの服を着ている人や、革鎧を着けた者が多い。
 俺も人の事は言えないが、ここにいる奴らは金がないのだろうか?

 うーーーーん、どうしたものか……?

 誰かのテントに泊めてもらうのは確定として……
 だけど、むさ苦しい男となんて一緒に寝たくない。
 贅沢な悩みだけど、これは俺のプライドが許せない。

 女がいないか探していると、ちょどいいタイミングでテントの中から赤髪で短髪の女が出てきた。
 引き締まった身体が魅力的でボウイッシュな顔つきをしている。
 
「よし! この女にしよう!」

 さっそく俺は声をかけるために女に近づく。
 女はコチラに気づいて顔をしかめる。

「なんだよ! オレに何かようかよ?」

 あんまり歓迎されてないな。
 それに、まさかのオレっ娘だった。
 良いな! 俺がいた地球にはオレっ娘いなかったから珍しい。
 さらに、この女に興味が湧いてきた。

「金が無くて泊まる所がないから、泊めて欲しい」

「嫌だ! オレだって金無いんだ。 お前の面倒なんてみてる余裕無いんだよ!」

 お前にお金が無いのは分かっていた。
 この程度の事は予想出来てたから問題ない!

 【スキル作成】さえ使えば何でもやりたい放題なのだ。
 
 ……俺の切り札を見せてやる!!!

「泊めてくれるなら……好きな物、好きなだけ食わせてやる」

「く、食いたい!!! と、泊まってけよ!」

 非常にチョロかった。
 楽勝な相手で良かった。

 相当腹が減っていたのだろう、幾らでも泊まっていいと言われた。
 金が無いとは思っていたが、ここまで効果があるとは……

 お邪魔して女のテントに入るが、中はほとんど何もない。
 最低限の生活用品と服、剣だけだった。

 とりあえずお互いに自己紹介した。
 女の名前はサーシャで俺と同い年の16歳。

「サーシャは何で貧乏なんだ?」
 
 率直な疑問を口に出してしまった。

「うぅぅ、それは……」

 痛い所を突かれたかのような表情をするサーシャ。
 言いたく無いなら言わなくてもイイや。
 不味い話だと困る。
 無理に聞いたせいで、助けないといけないとか嫌だ。

「まぁ~いいや! 飯でも食うか」

 【スキル作成】を発動して、スキル作る。
 どんなのがいいか悩むな。
 料理が出来るスキルとか作っても、材料が無ければ意味ないし。
 
 そのまま出来たての料理を出せるスキルがいいな……よし決めた。

 【ネットショップ】……地球から、あらゆる物を取寄せできるスキル。
……俺が勝手に作ったスキルだから、お金を支払わなくても、タダで取り引きできる。

 【スキル作成】の凄い所はデメリットなしのスキルを作り出せること。
 チート……これぞチートスキルの為せる業。

「で? 何が食べたい?」

「な、何でも食いたい!」

 サーシャに好き嫌いは無いみたいだ。
 じゃあ適当な物でも出すか……ここはベタに、豚骨ラーメン、カレーライス、タコ焼き、ハンバーガー等のB級グルメにしてみた。

「す、すげ~美味そう! セツナってアイテムボックス持ちだったんだな」

 【アイテムボックス】って、そんな凄いのか?
 領主の娘のエルメスも、そんな事言ってたな。

「持ってる奴が居るって聞いた事は有るけど、実際に見たのは初めてだぜ! お前って凄い奴なんだな」

 褒められて悪い気分はしないが、爺ちゃん神様から貰ったスキルだから、自分本来の力じゃないから自慢できない。
 だけど神様に感謝はしてる。
 よく俺の我儘を聞いてくれた。

「なぁ~もう食べていいか? 我慢できねえ!」

「おお、いいぞ好きなだけ食え!」

 自前のスプーンとフォークで豚骨ラーメンを食べ始める。
 お箸じゃないと厳しいだろうと思っていたが、スパゲティを食べる時の要領で上手に食べている。

「チュル~~~。 美味い! 美味いぞコレ! 癖があって美味い!」

 初めて食べるラーメンを気に入ってくれたようだ。
 チュルチュル啜る姿が可愛い。
 
「美味ーーーい!!! なんだよ、この茶色いの! めっちゃうめぇぇーーーげほげほ」

 カレーライスを頬いっぱいになるまで詰め込んだせいで、喉につまり咽ている。
 可哀想なのでスキル、【ネットショップ】でコーラを俺とサーシャの2人分出してやった。
 
「カァーーーたまんね!!! 何だよコレ!? こんな美味い飲み物初めてだ!」

 俺も炭酸飲料は好きだから、よく分かる。
 
 お互いに食べ終わり、あるお願いをしてみる。

「なー俺の頼み聞いてくれないか?」

「金以外なら何でもいいぞ!」

 今何でもいいって言ったな!
 そのセリフ取り消すなよ!
 あと別に金なんて要らない!
 俺が欲しいのは唯一つ……

「サーシャの今履いてるパンティーが欲しい」

「ば、馬鹿かお前は!!! 無理だ! 絶対に無理!」

 やはり断られたか。
 しかし今回は何も手段を考えて無かった。
 でも欲しい、サーシャの生パンティーが欲しい。
 俺は絶対に諦めない。
 欲しい物は必ず手に入れてみせる。

 明日朝もう一度言ってみよう。
 気が変わってるかもしれない。
 パンティーくれるかも、しれない。
 俺は明日に希望を抱き早目に眠る事にした。


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