異世界で【スキル作成】を使って自由に生きる!

ぺったんこ

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ダイヤモンド

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ゴブリンとの戦闘で剣を折られたサーシャは、何もする事が出来ずに住まいであるテントに一緒に戻ってきた。

 何故か分からないが重い雰囲気が流れていて、中々話しかけられない。
 そんなに大事な剣だったのだろうか?

「ぐすっ……この剣は、姉ちゃんから買ってもらった大事な物だったのに……ぅぅ」

 話しかけたわけじゃないが、唐突に語りだす。

「オレと姉ちゃんは家族が死んでから、二人で冒険者ギルドに行ってハンターになったんだ」

 ふーん、それは辛かったな……
 サーシャの話を聞き適当に相槌を打って、折れた剣を直すためのスキルを考える。

「姉ちゃんは優しくて、ハンターになった時に、この剣をプレゼントしてくれた。 それで一流のハンターになろうって約束したんだ……」
 
「ヘぇ~いい姉ちゃん」

 【スキル作成】を使い【修理修復】のスキルを作り出す。

【修理修復】……破損した箇所を作り直す。

「でも、あの日オレが勝手に、自分の身に合わない、でかいクエストを受けちまった。 そのせいでクエストに失敗してオレ達は高額な罰金を払うことになって……」

「ほうほう」
 
「全然お金なかったから、オレの代わりに姉ちゃんが……」

 たぶん、このスキルで直せると思うけど話が長過ぎて、いつのタイミングで剣を修復していいのか分からん。

「……姉ちゃんは奴隷になったんだ」

 奴隷になる事で罰金を払ったのか。
 
「だからオレは決めたんだ!」

 まだ続くのか……

「魔物を倒して、いっぱい稼いで奴隷になった姉ちゃんを買い戻すって」

「サーシャは偉いな」

 よくできた妹だ。
 
「だけど……ぐすっん。 この剣が折れちまったから……もう、戦えない。 魔物を狩れない……直す金もない、うえ~ん」

 泣き出してしまうサーシャ。
 実に可哀想。
 こんだけ貧乏で、頑張ってる姿を見てたら助けてやりたくなってきた。
 俺がタダで助けるなんて、有り得ないけどな……

「サーシャ、折れた剣を渡せ……」

「ぐすっ……ふぁい、ぅぅ」

 素直に渡してくれた剣に【修理修復】のスキル使う。
 折れた剣が光に包まれていき、徐々に直っていく。
 やがて完全な形に再生した剣を、サーシャに返す。

「……え……えぇぇ!? な、何で!?」

 全てはチートでどうにかなる。
 本当にこのスキルは万能すぎるな。
 
「何でだよ? どうやって直したんだ?」

「チートスキルを使った!」

 はぁ?って顔してるが本当のことだ。
 
 サーシャは修復された剣を振り回して試してる。
 嬉しいんだろうけど、狭いテントでは俺に当たりそうで危ないから辞めて欲しい。

「すっげー本当に直ってる!? お前やっぱり凄い奴だ!」

「とりあえず座れよ。 話したい事もあるし……」

「う……うん!」

 やっと、この女を攻略する糸口が見えたのだ。
 いや、それだけじゃない……最高のお宝を見つけてしまった。
 
 サーシャに姉がいるって話だが、要するに2人は姉妹という事だ。
 当初の予定ではサーシャのパンティーをGETするつもりだったが、気が変わった。
 ……俺は最高のパンティーを同時に手に入れたい!!!

 そうサーシャと姉の姉妹パンティーを!!!

 2つのパンティーの匂いを同時に嗅ぐという、この世で最も罪な行為。
 いやいや……最も誉れ高き行為をしたい!

 俺の全てを出し切って必ず手に入れてみせる。
 俺なら絶対に出来る。
 俺とチートスキルさえあれば……

「サーシャの姉ちゃんは俺が買ってやる! その変わり俺の女になれ!」

「そんな金、セツナが持ってるわけないだろう。 オレのテントに来たとき自分で言ってたじゃないか!」

 ああ、そうだ。
 俺は確かに一文無しだ。
 そのせいで宿にすら泊まれなかった。
 今も変わらず金はない。

 だけどな、よくよく考えてみれば、簡単に一瞬でお金を稼ぐ方法がある。
 その攻略方は【ネットショップ】のスキルだ。

 このスキルは地球にある、あらゆる物取り寄せる事ができる。
 しかもデメリットなしのタダで。

 このスキルで宝石を注文して、こっちの世界で売れば、元手無しで金儲けができるって寸法だ。

 問題は宝石を売る場所があるのか?

「宝石商ってあるか?」
 

◆◆◆


 サーシャに聞き出した宝石商へと1人で訪れた俺は、店の中へと案内され応接間へと入っていく。
 中には礼儀正しそうな紳士服を着た40代ぐらいの男がおり、丁寧な言葉で座るように促される。

 給仕の人がお茶を運び、俺の前に置いてくれる。
 好みとしてお茶より珈琲の方が好きだが、人の店で贅沢言うのも無粋だ。
 出された物は有り難く飲もう。

「ごくごく……うっっっま!?」

 この紅茶美味すぎる。
 香り高く、華やかなフルーティーな味わいに舌鼓する。
 しまった……ビックリして一気に飲んでしまった。
 もっと味わって飲みべきだったのに……

「ははは、気に入って貰えましたか? 最高級の茶葉を使ったストレートティーになります」

「美味しかった。 ありがとう」

「いえいえ。 それでは話に入らせて頂きます。 当店へお越し頂きありがとうございます。 私の名前はジュエルと申します。 お客様、売りたい物が有るとの事ですが、どのような品でしょうか?」

 話が早くて助かる。
 いちいち、まどろっこしい説明等聞きたくない。

「俺が売りたいのはコレだ」

 【アイテムボックス】がバレるの避ける為に巾着袋に前もって入れておいたルビー、サファイアをポケットから取り出して、テーブルに置く。
 
 この宝石は全部、【ネットショップ】で取り寄せた物だ。

「開けてみてもよろしいでしょうか?」

 頷いてみせると、巾着袋の中を確かめるジュエル。
 眼をカッと見開き、中の物に驚いている。

「これ程の物とは……一体コレをどこで手に入れたのですか?」

「俺の故郷の物でな……それ以上は秘密だ!」

 リアルな話だ。
 嘘偽りなく俺がいた地球産の物。
 
「素晴らしい! このルビーとサファイアの純度、それに綺麗に形造るカットの技術! なかなかお目に出来ません」

 さすが宝石商の人だ。
 一目でルビとサファイアを見抜きやがった。
 俺は宝石に詳しくないが、故郷の物をそこまで褒められたら嬉しくなる。
 
「で? 買ってもえるのか?」

 思案顔になるジュエルは少し間をおいてから口を開く……

「金貨200枚でどうでしょうか?」

 実際どれぐらいの価値があるか俺には判断がつかない。
 そこまで金が欲しいとは思わないが、今回はサーシャの姉を買うための必要な金額が分かっていないから、多めに欲しい。

 俺はポケットから、もう一つの巾着袋を取り出してジュエルに直接渡す。
 中を見るように促す……

「ソレが何か分かるか?」

「こ、こ、これは!?」

 巾着袋を開いて中を確認して驚愕している。
 コレの価値が果たして、幾らぐらいになるか楽しみだ。
 
「ダイヤモンド!? ……だと!」

 その通りだ……
 数多の宝石の中でも1番美しい物。
 ダイヤモンドカットの中で最も人気の高いブリリアントカットを使用……それにより魅力はダイヤの魅力を100%引き出し、まばゆいきらめきを生み出している。

 何故、女でもないのに男の俺がそんなに分かるかって、不思議だと思う。
 ダイヤモンドに【鑑定】スキルを使っているから、詳細内容が把握できる。

「う、美しいぃぃ! 私が見てきた、どの宝石よりも美しい!」
 
「ああ、そうだろう。 いくらで買ってくれる?」

「し、失礼しました。 取り乱してしまいました。 そうですね……」

 そう言って冷静を装い、落ち着きを取り戻したジュエル。
 額からは一粒の汗が流れ落ちる。
 内心では、まだ焦っている事が伺える。

「ふぅ~ルビー、サファイア、ダイヤモンド、全部合わせて金貨1000枚でどうでしょうか?」

「ああ、その金額で売却する」

「ありがとうございます。 直ちに用意させます」

「いい商談だった。」

「いえいえ、こちらこそ。 また何かあれば、是非私の店に売りに来て下さい」
 
 無事に商談が成立して、宝石を売却したお金を貰う。
 金貨1000枚もあれば奴隷を買えるとは思うが、一応帰ってからサーシャに確認しておこう。

 
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