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女教官
しおりを挟む「ゴミがっ! 遅いぞ、もっと早く動け!」
「痛い……サーイエッサー!!!」
ここはレクリスタの町にある冒険者ギルドの訓練所。
迷彩服を着た巨乳で金髪の女は、ムチを振るいシンジを叩き罵声を浴びせる。
見た目は美人だが恐ろしく、周囲の人は彼女の事を女教官と呼ぶ。
女教官の名前はアシュリー、25歳。
そして今は特別訓練という名の虐めが行われている。
「お前みたいな駄目な奴が私は気に食わないんだよ!」
「痛ぃぃ 痛ぃ 辞めて下さいアシュリーさん……」
「何度言えば分かる! 呼ぶ時は【教官】といえと、言っているだろうがっ!!! お前みたいなゴミが、私の名前を口に出すな!」
何度も何度もムチで叩かれ、身体から出血するシンジ。
彼は冒険者ギルドでハンターになった時から、アシュリーに眼を付けられ、こうして訓練と称してストレス発散の為の虐めを、毎日行われている。
「ほらっどうしたゴミ? もう動けないのか?」
「はぁはぁ……」
「使えないクズがっ!!! 今日はここまでにしてやる。 明日また虐めてやるからな」
「うぅ……」
「返事はどうした!!! ありがとうございます、だろうが!」
「あ、ありがとうございます……」
「ふんっ!」
鬱憤を晴らした女教官は金髪の髪をなびかせて、この場を去っていく。
後に残された傷だらけのシンジは痛みに耐えながら立ち上がる。
「くそっ、何で俺ばかり、こんな目に……ぐすっ」
悔しさと痛みに涙してしまう。
何故か分からないが女神様の言う通り、シンジは、この世界では女性に嫌われている。
「女神様の言った事は本当だったのか……」
彼は女神様に転移させられた時に、言われた言葉を思い出す。
どこにいても、何をしても女性から愛される事はないと……
その言葉を思い出して、苦しみや辛さが彼を支配していく。
「そうだ……女神様は俺にスキルを与えたとも言っていた……」
スキルは女神様より頂ける祝福であり。
この世界では絶大な力となる。
スキルを持っている人は少ないのだ。
だが、肝心なスキルが、一体何なのか分からない。
それが判明しない事には使いようがない。
「死のう……せめて最後に教会で女神様に挨拶して死ぬか」
覚悟を決めたシンジは教会へと向かう。
◆◆◆
教会は神に祈る神聖な場所で、シンジ以外は誰もいない。
あまり人が集まる場所ではなく、お祈りを捧げたりする時ぐらいしか人が来る用事がないのだ。
彼は祭壇へと上がり女神様の像に祈りを捧げる。
「女神様申し訳ありません! 俺は今から死のうと思います……」
片膝を付き、目を閉じて手を合わせて祈る。
すると、女神様の像が輝きを発して、シンジを光が包み込む……
「目を開けなさい!」
「えっ!?」
彼が目を開くと、そこには女神様が立っていた。
髪は神々しいほど輝き、色白くスレンダーな身体。
1枚の白い布を身に纏った穢れ無きお姿。
まさに女神である。
「女神様、どうして女神様が?」
「あなが教会で祈りを捧げたら、この神の間に来れるようになっているのです」
神の間と呼ばれる薄暗い空間。
何人たりとも、人が足を踏み入れる事の出来ない場所。
しかし、シンジだけは特別。
女神様に選ばれているから、彼は入る事が出来たのだ。
「すみません。 俺死のうと思って挨拶に来ました」
「ええ! 全部分かっていますよ、見ていましたから!」
神はこの世界を全部見通す力があり、誰が何処で何をしているのか、全ての状況を把握している。
もちろんシンジが女教官に虐められて、死を決意した事も理解しているのだ。
「駄目死んではいけません! 貴方には与えたスキルがあれば、アシュリーを好きなように出来ますよ」
自殺を辞めるように促し、スキルについての全貌を語る……
「私が与えた【命令】は相手が人なら、誰でも貴方の言う事を聞かせる事が出来ます」
【命令】のスキルは人にだけ有効で、魔物や動物等には意味をなさない。
どんな人間もシンジの命令には逆らえない。
「その力を使って貴方の嫌う、全ての女性を犯しなさい!」
「そんな事していいんでしょうか?」
「構いません! 私の愛する優しいシンジを虐げる者には罰を与えてやりなさい」
女神様から愛されているシンジは特別なのだ。
基本的に彼は優しい人間なのだが、優しい人程、怒った時は恐ろしい。
だが彼だけは女神様から何をしても許される。
どんな行いも許される……これから行われるであろう彼の罪は、全てにおいて神から裁かれる事はない。
「ふふふ、大丈夫よ! どんな女も貴方の思い通りなのだから、好きな様にしなさい」
「はい! 女神様ありがとうございます」
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