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第一章:隔離された村
第一章:隔離された村 4
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しかし、あくまでも努力はしていると感じるだけで、やはり宿泊施設として見た場合の違和感は拭えない。
「何か、旅館としては微妙だよな?」
由奈さんや碧さんに聞こえないよう、俺は小声で桜へ話しかけた。
「うん。何かセンスの悪い、豪邸崩れみたい」
「……確かに」
悪気のない様子で言ってくる幼なじみに苦笑しながら、俺はずっと最後尾を歩いていた蓮田へ振り返る。
「蓮田はどう思う?」
問われて、微かに顎を上げる後輩。
「何がですか?」
「この旅館の第一印象とか」
「……特には」
チラッと目だけを周囲に這わせて、蓮田がそれだけを告げる。
「なるほど」
つまりは、興味無しということか。
無駄に広い玄関を上がり――因みに、下駄箱は学校で使用されていた物を再利用していた――、碧さんの案内で通路を進む。
おそらく偽物だろうが、壁には等間隔で様々な絵画が飾られている。
「未央ちゃーん、お客様が到着したわよー!」
通路を少し進んだ先。
学校だった頃は事務員室として使われていたと思しき部屋の前で、碧さんは立ち止まる。
スライド式のドアを開け碧さんが中へ呼びかけると同時に、若い女性の声が返ってきたのがわかった。
中で何やらやり取りをする気配がした後、今度は内側からドアが開けられる。
出てきたのは、赤いシャツにジーパン姿の若い女性と、白髪の目立つ高齢の女性。
「どうもどうも、お待ちしてました!」
元気の良い声でミスオカ研メンバーを見渡してきたのは、赤い服を着た方の女性だった。
「今年最初のお客さんかぁ。みんな高校生なんだって?」
「はい。今日から四日間、よろしくお願いします」
部長が軽くお辞儀をしたため、俺たち三人もそれに倣う。
「こちらこそ。あたしは流森美央。ここの従業員だよ。呼ぶときは、未央ちゃんって呼んで良いからね」
陽気な性格なのか、流森と名乗った女性は笑みを絶やすことなく喋ると、後方に立つもう一人の人物へ首を曲げた。
「こちら、村長の奥様。ある意味、ここの女将みたいな人かな」
「女将だなんて、そんな大層な肩書きありませんよ」
紹介されたその人物は、目尻に皺を寄せながらやんわりと微笑んだ。
「こんにちは、皆さん。わたくし、梅木千賀子と申します。この度は、こんな辺鄙な場所までわざわざ御越しいただいて、ありがとうございます」
落ち着いた口調で挨拶をすると、千賀子さんは深々と腰を折って頭を下げた。
「ここ、変な宿屋でしょう? うちの主人が娯楽で営んでいるだけのものだから、泊まりに来るお客様は大抵苦笑いをしながら帰っていかれるのよ」
口元に手をやりながら上品に笑う千賀子さんに、俺はふと気になっていたことを訊ねてみた。
「あの、ここって風呂とかちゃんとあるんですか?」
元は小学校だったという建物だ。普通に考えたら、そんな設備があるはずがない。
まさかプールが風呂になっているとか、そんなオチは無いと願いたいところだが。
「ご安心してください。お風呂はちゃんとご用意してありますから」
「何か、旅館としては微妙だよな?」
由奈さんや碧さんに聞こえないよう、俺は小声で桜へ話しかけた。
「うん。何かセンスの悪い、豪邸崩れみたい」
「……確かに」
悪気のない様子で言ってくる幼なじみに苦笑しながら、俺はずっと最後尾を歩いていた蓮田へ振り返る。
「蓮田はどう思う?」
問われて、微かに顎を上げる後輩。
「何がですか?」
「この旅館の第一印象とか」
「……特には」
チラッと目だけを周囲に這わせて、蓮田がそれだけを告げる。
「なるほど」
つまりは、興味無しということか。
無駄に広い玄関を上がり――因みに、下駄箱は学校で使用されていた物を再利用していた――、碧さんの案内で通路を進む。
おそらく偽物だろうが、壁には等間隔で様々な絵画が飾られている。
「未央ちゃーん、お客様が到着したわよー!」
通路を少し進んだ先。
学校だった頃は事務員室として使われていたと思しき部屋の前で、碧さんは立ち止まる。
スライド式のドアを開け碧さんが中へ呼びかけると同時に、若い女性の声が返ってきたのがわかった。
中で何やらやり取りをする気配がした後、今度は内側からドアが開けられる。
出てきたのは、赤いシャツにジーパン姿の若い女性と、白髪の目立つ高齢の女性。
「どうもどうも、お待ちしてました!」
元気の良い声でミスオカ研メンバーを見渡してきたのは、赤い服を着た方の女性だった。
「今年最初のお客さんかぁ。みんな高校生なんだって?」
「はい。今日から四日間、よろしくお願いします」
部長が軽くお辞儀をしたため、俺たち三人もそれに倣う。
「こちらこそ。あたしは流森美央。ここの従業員だよ。呼ぶときは、未央ちゃんって呼んで良いからね」
陽気な性格なのか、流森と名乗った女性は笑みを絶やすことなく喋ると、後方に立つもう一人の人物へ首を曲げた。
「こちら、村長の奥様。ある意味、ここの女将みたいな人かな」
「女将だなんて、そんな大層な肩書きありませんよ」
紹介されたその人物は、目尻に皺を寄せながらやんわりと微笑んだ。
「こんにちは、皆さん。わたくし、梅木千賀子と申します。この度は、こんな辺鄙な場所までわざわざ御越しいただいて、ありがとうございます」
落ち着いた口調で挨拶をすると、千賀子さんは深々と腰を折って頭を下げた。
「ここ、変な宿屋でしょう? うちの主人が娯楽で営んでいるだけのものだから、泊まりに来るお客様は大抵苦笑いをしながら帰っていかれるのよ」
口元に手をやりながら上品に笑う千賀子さんに、俺はふと気になっていたことを訊ねてみた。
「あの、ここって風呂とかちゃんとあるんですか?」
元は小学校だったという建物だ。普通に考えたら、そんな設備があるはずがない。
まさかプールが風呂になっているとか、そんなオチは無いと願いたいところだが。
「ご安心してください。お風呂はちゃんとご用意してありますから」
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