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第一章:隔離された村
第一章:隔離された村 5
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こちらの胸中を察したのだろう、千賀子さんは通路の奥の方を指差して言葉を続ける。
「あちらに、男性用と女性用の浴場がございます。これでも、改装するべき部分は、しっかり改装しているんですよ。客室の方も、元は教室だった部屋ではありますが、ちゃんと寝泊まりに不便ないようご準備してございます」
「へぇ……、学校に浴場作ったんだ」
感心と呆れの入り交じる呟きを、桜がこぼす。
「それじゃ、早速部屋の方に案内してあげよっか。一応、客室は一階と二階両方にあるけど、どうせなら二階の方が良いだろうと思ってそっちに用意しといたよ。あ、もちろん男女別ね。一緒が良いって言うんなら、一部屋にすることもできるけど」
パンッと気合いを入れるように手を合わせて、流森さんは捲し立てるように喋りながら階段へ向かい歩き始めた。
「いえいえ、さすがに男女一緒はまずいので、別々にしてもらえるのは助かります」
愛想の良いにやけ顔を浮かべながら、部長がその後ろに並ぶ。
千賀子さんと碧さんはここから先の案内は流森さんに一任するつもりらしく、振り向いた俺に笑顔で手を挙げてみせるだけだった。
通路同様、赤い絨毯の敷かれた階段を上り、二階へ足を運ぶ。
よくよく壁を眺めてみると、白ではなくて薄紫に塗られていることに気付いた。
たぶん、藤の花をイメージしているのかもしれない。
「ほい、到着。こことその隣がきみたちの泊まる部屋だよ」
二階中央付近で足を止め、流森さんは俺たちに身体を向けてきた。
「元々は、五年生の教室だって言ってたかな」
そんな説明をしながら、流森さんは入口のドアを開けて中へ入るよう促す。
「部屋の作り自体はどこもほとんど同じだから、部屋割りに特にこだわる必要はないと思う」
部長を押し退け先陣を切るように、桜が中へ入っていく。
その背中を追うように、俺や蓮田も部屋へと入った。
「うわ、畳だ」
スリッパを脱いで部屋の中央まで進んだ桜は、室内をぐるりと見回し目を丸くする。
広さは、普通に教室と同じだろう。照明もよくある細長いタイプの蛍光灯だ。
窓も以前のままのようで、前と後ろにベランダへ出るための硝子ドアがあり、その他には小窓が二つ付いている。
過去の名残を残しているのは、一見してその程度か。
桜が言ったように、床には一面畳が敷かれており、入り口部分は小さいながらスリッパの脱ぎ履きをするためのスペースと段差が作られていた。
当然というか、小学校時代の備品はどこにもない。
正面にあったであろう黒板も撤去され、今は新に塗り直された壁があるだけ。
部屋の真ん中には長テーブルと座椅子が置かれ、お茶請けも用意されていた。
「へぇ、二人で使うにはちょっとスペースが広いけど、寝泊まりする分には悪くないね。テレビも付いてるし、値段を考えたらリーズナブルな方じゃない?」
肩にかけていたバッグを足元に置き、部長は室内に飾られた小物類を眺めて回る。
「……まぁ、そうですね。山奥のお寺とかで、雑魚寝させられるよりはマシです」
窓の外に見える葉桜とその向こうの田園風景を一瞥して答えると、桜は座椅子へと座り込む。
「こっち、あたしたち使います。部長たちは隣の部屋使ってください」
移動が面倒なのだろう。背もたれにのし掛かりつつ告げる桜に、俺と部長は頷いた。
「あ、ここエアコンとかあったんすね」
視線を上げた先に近代的な機器を発見し、俺は隣に立つ由奈さんに声をかけた。
「あちらに、男性用と女性用の浴場がございます。これでも、改装するべき部分は、しっかり改装しているんですよ。客室の方も、元は教室だった部屋ではありますが、ちゃんと寝泊まりに不便ないようご準備してございます」
「へぇ……、学校に浴場作ったんだ」
感心と呆れの入り交じる呟きを、桜がこぼす。
「それじゃ、早速部屋の方に案内してあげよっか。一応、客室は一階と二階両方にあるけど、どうせなら二階の方が良いだろうと思ってそっちに用意しといたよ。あ、もちろん男女別ね。一緒が良いって言うんなら、一部屋にすることもできるけど」
パンッと気合いを入れるように手を合わせて、流森さんは捲し立てるように喋りながら階段へ向かい歩き始めた。
「いえいえ、さすがに男女一緒はまずいので、別々にしてもらえるのは助かります」
愛想の良いにやけ顔を浮かべながら、部長がその後ろに並ぶ。
千賀子さんと碧さんはここから先の案内は流森さんに一任するつもりらしく、振り向いた俺に笑顔で手を挙げてみせるだけだった。
通路同様、赤い絨毯の敷かれた階段を上り、二階へ足を運ぶ。
よくよく壁を眺めてみると、白ではなくて薄紫に塗られていることに気付いた。
たぶん、藤の花をイメージしているのかもしれない。
「ほい、到着。こことその隣がきみたちの泊まる部屋だよ」
二階中央付近で足を止め、流森さんは俺たちに身体を向けてきた。
「元々は、五年生の教室だって言ってたかな」
そんな説明をしながら、流森さんは入口のドアを開けて中へ入るよう促す。
「部屋の作り自体はどこもほとんど同じだから、部屋割りに特にこだわる必要はないと思う」
部長を押し退け先陣を切るように、桜が中へ入っていく。
その背中を追うように、俺や蓮田も部屋へと入った。
「うわ、畳だ」
スリッパを脱いで部屋の中央まで進んだ桜は、室内をぐるりと見回し目を丸くする。
広さは、普通に教室と同じだろう。照明もよくある細長いタイプの蛍光灯だ。
窓も以前のままのようで、前と後ろにベランダへ出るための硝子ドアがあり、その他には小窓が二つ付いている。
過去の名残を残しているのは、一見してその程度か。
桜が言ったように、床には一面畳が敷かれており、入り口部分は小さいながらスリッパの脱ぎ履きをするためのスペースと段差が作られていた。
当然というか、小学校時代の備品はどこにもない。
正面にあったであろう黒板も撤去され、今は新に塗り直された壁があるだけ。
部屋の真ん中には長テーブルと座椅子が置かれ、お茶請けも用意されていた。
「へぇ、二人で使うにはちょっとスペースが広いけど、寝泊まりする分には悪くないね。テレビも付いてるし、値段を考えたらリーズナブルな方じゃない?」
肩にかけていたバッグを足元に置き、部長は室内に飾られた小物類を眺めて回る。
「……まぁ、そうですね。山奥のお寺とかで、雑魚寝させられるよりはマシです」
窓の外に見える葉桜とその向こうの田園風景を一瞥して答えると、桜は座椅子へと座り込む。
「こっち、あたしたち使います。部長たちは隣の部屋使ってください」
移動が面倒なのだろう。背もたれにのし掛かりつつ告げる桜に、俺と部長は頷いた。
「あ、ここエアコンとかあったんすね」
視線を上げた先に近代的な機器を発見し、俺は隣に立つ由奈さんに声をかけた。
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