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第一章:隔離された村
第一章:隔離された村 21
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「渡辺さんはこういう料理の他にも、デザートとかお菓子作るのも得意なのよ。わたしたちもたまにご馳走してもらってるの」
言いながら、由奈さんが俺たちの前に料理の盛られた皿を並べていく。
「うわぁ」
それを見ていた桜が感嘆の声を漏らした。
詳しいことはわからないが、こういうのを会席料理と呼ぶのだろうか。
俺たち四人の前に、それぞれ個別に皿が置かれていく。
予想していた通りと言うべきか、山の幸を使った品が目立つ。
最初に目についた天ぷらは、旬のたらの芽とコシアブラをメインに茄子やエビ等が一緒に盛られている。
マグロとタイ、それからカンパチにタコの刺身。その横にあるごま和えは、ゼンマイか。
「これは、近くの渓流で捕れたイワナだよ。こっちが村原産のローストビーフ」
料理の簡単な説明をしながら渡辺さんも皿を並べ、碧さんがその手伝いをする。
ご飯と汁物の碗が置かれ、最後に流森さんが手にしたのは中サイズ程の鍋だった。
それを最初にセットしたガスコンロに乗せる。
蓋がしてあるため中の確認はできない。
「それは何ですか?」
気になっているのは同じのようで、桜がコンロに火を点ける流森さんへ問う。
「スペシャルサービスの一品、すき焼きだよ。わたしも一緒に食べたいわ」
羨ましそうに言いながら、歯を見せて笑う流森さん。
「すき焼き? うわぁ、嬉しい!」
手を合わせて歓喜の声をあげる桜に、碧さんが横から箸を差し出す。
「喜んでもらえると、こっちももてなす甲斐があるわね」
つい先程のやり取りを思い返してしまうが、どうやらそのことを気にしている様子はなさそうだ。
もっとも、そう見えるように振る舞っているだけなのかもしれないが。
「すき焼きは大体十五分くらいすれば食べ頃になるから、それまではちょっとだけ我慢して」
「あの、良いんでしょうか? 格安で泊めてもらうのに、こんなご馳走……」
テーブルに並ぶ料理群と碧さんを見比べるようにしながら、部長が言う。
確かにそうだよなと、内心で俺も思った。
ただでさえ三泊四日の宿泊に対して、超格安料金で利用させてもらうと言うのに、食事までこれだけ豪勢に出されると嫌でも恐縮してしまいそうになる。
「全然問題ないわよ。あまり儲けることを考えてる宿じゃないし。本当なら、無料で宿泊させたって誰も文句言わないくらいなんだから」
「無料、ですか……」
呆気に取られるように呟く部長の横顔に、苦笑が浮かぶ。
これもまた、村長の財力とやらが成せる技と言ったところか。
「これだけ破格なサービスを提供できるなら、もっとお客さんが来てもおかしくなさそうなのになぁ」
「それは難しいわね。だって、知ってる人が少なすぎて口コミですら広まらないんだもの。孝介くんだって、由奈ちゃんからこの村のこと教えられるまで、名前すら聞いたことなかったんじゃない?」
「それは、確かにそうですけど」
少しだけ言い淀むようになりながら、部長が首肯する。
「でも、ホームページとか作らないんですか? それだけでも、興味もつ人が増えるとおもうんですけど」
テーブルでキーボードを打つジェスチャーをしながら、桜が言う。
しかし、碧さんはそれに肩を竦める仕草を見せ、首を横に振った。後ろで束ねた髪が、それに合わせるよう左右へ揺れる。
言いながら、由奈さんが俺たちの前に料理の盛られた皿を並べていく。
「うわぁ」
それを見ていた桜が感嘆の声を漏らした。
詳しいことはわからないが、こういうのを会席料理と呼ぶのだろうか。
俺たち四人の前に、それぞれ個別に皿が置かれていく。
予想していた通りと言うべきか、山の幸を使った品が目立つ。
最初に目についた天ぷらは、旬のたらの芽とコシアブラをメインに茄子やエビ等が一緒に盛られている。
マグロとタイ、それからカンパチにタコの刺身。その横にあるごま和えは、ゼンマイか。
「これは、近くの渓流で捕れたイワナだよ。こっちが村原産のローストビーフ」
料理の簡単な説明をしながら渡辺さんも皿を並べ、碧さんがその手伝いをする。
ご飯と汁物の碗が置かれ、最後に流森さんが手にしたのは中サイズ程の鍋だった。
それを最初にセットしたガスコンロに乗せる。
蓋がしてあるため中の確認はできない。
「それは何ですか?」
気になっているのは同じのようで、桜がコンロに火を点ける流森さんへ問う。
「スペシャルサービスの一品、すき焼きだよ。わたしも一緒に食べたいわ」
羨ましそうに言いながら、歯を見せて笑う流森さん。
「すき焼き? うわぁ、嬉しい!」
手を合わせて歓喜の声をあげる桜に、碧さんが横から箸を差し出す。
「喜んでもらえると、こっちももてなす甲斐があるわね」
つい先程のやり取りを思い返してしまうが、どうやらそのことを気にしている様子はなさそうだ。
もっとも、そう見えるように振る舞っているだけなのかもしれないが。
「すき焼きは大体十五分くらいすれば食べ頃になるから、それまではちょっとだけ我慢して」
「あの、良いんでしょうか? 格安で泊めてもらうのに、こんなご馳走……」
テーブルに並ぶ料理群と碧さんを見比べるようにしながら、部長が言う。
確かにそうだよなと、内心で俺も思った。
ただでさえ三泊四日の宿泊に対して、超格安料金で利用させてもらうと言うのに、食事までこれだけ豪勢に出されると嫌でも恐縮してしまいそうになる。
「全然問題ないわよ。あまり儲けることを考えてる宿じゃないし。本当なら、無料で宿泊させたって誰も文句言わないくらいなんだから」
「無料、ですか……」
呆気に取られるように呟く部長の横顔に、苦笑が浮かぶ。
これもまた、村長の財力とやらが成せる技と言ったところか。
「これだけ破格なサービスを提供できるなら、もっとお客さんが来てもおかしくなさそうなのになぁ」
「それは難しいわね。だって、知ってる人が少なすぎて口コミですら広まらないんだもの。孝介くんだって、由奈ちゃんからこの村のこと教えられるまで、名前すら聞いたことなかったんじゃない?」
「それは、確かにそうですけど」
少しだけ言い淀むようになりながら、部長が首肯する。
「でも、ホームページとか作らないんですか? それだけでも、興味もつ人が増えるとおもうんですけど」
テーブルでキーボードを打つジェスチャーをしながら、桜が言う。
しかし、碧さんはそれに肩を竦める仕草を見せ、首を横に振った。後ろで束ねた髪が、それに合わせるよう左右へ揺れる。
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