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第二章:悪霊の目覚め
第二章:悪霊の目覚め 13
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【4】
藤美壮へ戻ったとき、時刻はもう少しで午前八時になろうとしていた。
昇さんによって伝えられた情報は、既に流森さんの耳にも入っているらしく、俺と蓮田の姿を見るなり
「大変だったね」
と神妙な表情で声をかけてくれた。
「神社で碧さんが死んでるなんて言いながら、いきなり昇さん駆け込んでくるんだもん、わたしらも凄い驚いちゃったよ。あ、渡辺さんがいないから大したことはできないけど、食事はどうする? サンドイッチくらいならすぐ用意するよ」
「いえ、あの、部長たちは?」
気を遣ってくれる流森さんの好意を手で制すようにして一旦断り、俺は仲間のことを訊ねる。
「起きて部屋にいるよ。碧さんが亡くなったことも、昇さんの話聞いてたからわかってると思う」
「そうですか。じゃあ、俺たちも一度部屋に戻ります」
「わかった。お腹空いたら、いつでも言ってちょうだいね」
そう言って頷く流森さんの顔は、昨日に比べて冴えないように見えた。
いきなり身近な人物が死んだと聞かされれば、仕方ないのかもしれないが。
それでも初めて会ったときの快活なイメージが強く印象に残っているおかげで、少し戸惑ってしまう部分があった。
「わたしも、流森さんと一緒にできることはやっておかないとけないし、渡辺さんの車も戻して来なきゃ。これからみんなばたばたしちゃうかもしれないけど、用があるときは遠慮なく声かけて」
由奈さんに言われ、素直に頷いておく。
「行こうぜ、蓮田」
側に佇む後輩を連れて、俺は階段を上がり借りている部屋に向かう。
今現在、この中にいる従業員は流森さんと由奈さんの二人。後は客である俺たちだけだ。
それ故に、中は物音一つない静けさだった。
自分たちが歩く足音だけを響かせつつ、廊下を進み泊まっている部屋の前までやってくる。
てっきり女性陣の部屋に入ると思っていた蓮田もついてきたが、困ることでもないのでそのまま入り口を開けて中を覗いた。
「あ、おかえり」
「雄治!」
二つの声が俺を出迎えた。
部長は当然だとして、桜も男部屋へ来ていたらしい。
「ちょっと、大丈夫? 何があったの?」
こちらに近寄ってきた桜が、心配そうにおろおろしながら訊いてくる。
「殺人事件があったみたいで、碧さんが死んでた。ただ、俺たちも詳しくはわかんねぇ。今、村長とか枝橋さんがいろいろ調べてるんじゃないかな」
部屋に上がりながら答え、部長の側まで移動する。
「殺人事件? 事故とかじゃないの?」
背後から追いかけてくる幼なじみの声が強張る。
「ああ、事故とか自殺って感じじゃなかった。背中刺されてたし」
「嘘……」
ちらりと肩越しに桜を見ると、ショックを受けたように口元を手で隠し動きを止めていた。
あまり言わないでおいた方が良かったかと自分の失言を自覚するも、今更遅い。
というより、どうせ今より具体的な話がすぐに耳に届くことになるだろう。
「亡くなってる碧さんを見たの?」
言ってきたのは、部長だった。
「はい。藤守神社の鳥居で死んでるのを見つけて……」
発見したときの状況を脳内でリプレイし、無意識に眉に皺が寄る。
そんなこちらの心境を察してか、部長は短く頷いて言葉を制した。
「詳しくは知らないけど、漠然とした内容は聞いてるから大丈夫だよ」
話ながら、部長は手元の湯飲みを一度口に運ぶ。
「正直、目覚めたばかりの頭には、かなり衝撃が大きいニュースだったね」
藤美壮へ戻ったとき、時刻はもう少しで午前八時になろうとしていた。
昇さんによって伝えられた情報は、既に流森さんの耳にも入っているらしく、俺と蓮田の姿を見るなり
「大変だったね」
と神妙な表情で声をかけてくれた。
「神社で碧さんが死んでるなんて言いながら、いきなり昇さん駆け込んでくるんだもん、わたしらも凄い驚いちゃったよ。あ、渡辺さんがいないから大したことはできないけど、食事はどうする? サンドイッチくらいならすぐ用意するよ」
「いえ、あの、部長たちは?」
気を遣ってくれる流森さんの好意を手で制すようにして一旦断り、俺は仲間のことを訊ねる。
「起きて部屋にいるよ。碧さんが亡くなったことも、昇さんの話聞いてたからわかってると思う」
「そうですか。じゃあ、俺たちも一度部屋に戻ります」
「わかった。お腹空いたら、いつでも言ってちょうだいね」
そう言って頷く流森さんの顔は、昨日に比べて冴えないように見えた。
いきなり身近な人物が死んだと聞かされれば、仕方ないのかもしれないが。
それでも初めて会ったときの快活なイメージが強く印象に残っているおかげで、少し戸惑ってしまう部分があった。
「わたしも、流森さんと一緒にできることはやっておかないとけないし、渡辺さんの車も戻して来なきゃ。これからみんなばたばたしちゃうかもしれないけど、用があるときは遠慮なく声かけて」
由奈さんに言われ、素直に頷いておく。
「行こうぜ、蓮田」
側に佇む後輩を連れて、俺は階段を上がり借りている部屋に向かう。
今現在、この中にいる従業員は流森さんと由奈さんの二人。後は客である俺たちだけだ。
それ故に、中は物音一つない静けさだった。
自分たちが歩く足音だけを響かせつつ、廊下を進み泊まっている部屋の前までやってくる。
てっきり女性陣の部屋に入ると思っていた蓮田もついてきたが、困ることでもないのでそのまま入り口を開けて中を覗いた。
「あ、おかえり」
「雄治!」
二つの声が俺を出迎えた。
部長は当然だとして、桜も男部屋へ来ていたらしい。
「ちょっと、大丈夫? 何があったの?」
こちらに近寄ってきた桜が、心配そうにおろおろしながら訊いてくる。
「殺人事件があったみたいで、碧さんが死んでた。ただ、俺たちも詳しくはわかんねぇ。今、村長とか枝橋さんがいろいろ調べてるんじゃないかな」
部屋に上がりながら答え、部長の側まで移動する。
「殺人事件? 事故とかじゃないの?」
背後から追いかけてくる幼なじみの声が強張る。
「ああ、事故とか自殺って感じじゃなかった。背中刺されてたし」
「嘘……」
ちらりと肩越しに桜を見ると、ショックを受けたように口元を手で隠し動きを止めていた。
あまり言わないでおいた方が良かったかと自分の失言を自覚するも、今更遅い。
というより、どうせ今より具体的な話がすぐに耳に届くことになるだろう。
「亡くなってる碧さんを見たの?」
言ってきたのは、部長だった。
「はい。藤守神社の鳥居で死んでるのを見つけて……」
発見したときの状況を脳内でリプレイし、無意識に眉に皺が寄る。
そんなこちらの心境を察してか、部長は短く頷いて言葉を制した。
「詳しくは知らないけど、漠然とした内容は聞いてるから大丈夫だよ」
話ながら、部長は手元の湯飲みを一度口に運ぶ。
「正直、目覚めたばかりの頭には、かなり衝撃が大きいニュースだったね」
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