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第二章:悪霊の目覚め
第二章:悪霊の目覚め 24
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「あるよ。例えば、そうだなぁ……雪女の話とかもその一つだね」
「雪女? あの?」
「そう。山小屋にいた男を自分と出会ったことを喋らないという条件で見逃したけれど、男はそれを破ってしまうってやつね。でも、この伝説にはいろいろなバージョンがある。東北地方なんかじゃ、各県ごとに話にばらつきがあったりするし、岐阜県にはユキノドウという怪物が、雪女に姿を変えて現れるなんてのもある。ネットを使って雪女伝説で検索すれば、それなりに詳しく調べることができるよ」
「今ネット使えませんけど……」
「うん、それは仕方ないね」
呻く桜に笑顔を返し、部長は全員を一瞥する。
「なんにせよ、こんな村の中だけで話の内容が食い違うのは興味深い。過去にどんな経緯で枝分かれしたのか、誰か詳しく知る人いないかな?」
「家の母親なら詳しいかもしれないよ。確か、父親が村の言い伝えを研究だかなんかしてた人らしいから」
竜久さんが横から答え、それから困ったように頭を掻く。
「ああ……でも、今は話できる状況か微妙だな。碧さん死んでショック受けてたし」
「それは仕方ないですよ。義理とは言え、自分の娘が殺されたら誰だって鬱ぎ込みます。でも、そうですか。千賀子さんのお父さんが、村の言い伝えを調べてた人だったっていうのは良い情報ですね」
「役に立てたならなによりだけど。えっと……悪いんだけど、そろそろ失礼しても良いかな?」
満足そうに告げる部長に苦笑して、竜久さんは部屋の時計を確認する。
「はい。足止めをしてしまって、すみませんでした」
「いや、別に良いよ。兄貴と違って、年中暇してるようなもんだしさ。また何か聞きたいことがあったら、教えてあげるよ。わかる範囲で良ければね」
軽く手を挙げてそう言い残し、竜久さんは部屋を出ていく。
「確かあの人、昇って人と一緒でまともに仕事してないって話だったよね。性格的にはまだマシな感じするけど、ちょっと拒絶反応出ちゃうかも」
足音が遠ざかるのを確認してから、ポツリと桜が呟いた。
「いわゆるニートってやつかな。まぁ、その辺りは人それぞれの事情や考えがあるだろうからね。でも、そんな悪い人ではなさそうじゃない? 思ったよりはまともそうだしさ」
「部長、それ何気に失礼ですよ。否定はしないっすけど」
あっけらかんと告げてくる部長を横目に俺は言うと、残っていたお茶を飲み干す。
それから、
「あ……」
不意にある光景を思い出し、置きかけた湯呑を持ったまま動きを止めた。
「どうしたの雄治?」
そんな俺を怪訝そうに見る幼なじみに一瞥をくれ、頭に蘇ったシーンを言葉にする。
「そう言えば、碧さんが殺されていた神社の社殿、開いてたなって」
「社殿? あの、鍵の掛かった建物がかい?」
「はい」
真っ先に食い付いてきた部長に頷きを返しつつ、先を続ける。
「遠くからだったのではっきり見たわけじゃないんですけど、社殿の中に納めてあった白い像みたいなのが壊されてたんですよ。あれ、何だったんだろう。神像みたいなやつなのかな」
「ああ、そうかもしれないね。ああいった場所には、像やお札とかが納められていることが多いから。へぇ、それが壊されてたわけ?」
「そうです。女の人の形してる像だったような気もしますけど、ちょっとその辺は曖昧ですね。で、それを見た渡辺さんがすごい驚いたような顔をして……」
「雪女? あの?」
「そう。山小屋にいた男を自分と出会ったことを喋らないという条件で見逃したけれど、男はそれを破ってしまうってやつね。でも、この伝説にはいろいろなバージョンがある。東北地方なんかじゃ、各県ごとに話にばらつきがあったりするし、岐阜県にはユキノドウという怪物が、雪女に姿を変えて現れるなんてのもある。ネットを使って雪女伝説で検索すれば、それなりに詳しく調べることができるよ」
「今ネット使えませんけど……」
「うん、それは仕方ないね」
呻く桜に笑顔を返し、部長は全員を一瞥する。
「なんにせよ、こんな村の中だけで話の内容が食い違うのは興味深い。過去にどんな経緯で枝分かれしたのか、誰か詳しく知る人いないかな?」
「家の母親なら詳しいかもしれないよ。確か、父親が村の言い伝えを研究だかなんかしてた人らしいから」
竜久さんが横から答え、それから困ったように頭を掻く。
「ああ……でも、今は話できる状況か微妙だな。碧さん死んでショック受けてたし」
「それは仕方ないですよ。義理とは言え、自分の娘が殺されたら誰だって鬱ぎ込みます。でも、そうですか。千賀子さんのお父さんが、村の言い伝えを調べてた人だったっていうのは良い情報ですね」
「役に立てたならなによりだけど。えっと……悪いんだけど、そろそろ失礼しても良いかな?」
満足そうに告げる部長に苦笑して、竜久さんは部屋の時計を確認する。
「はい。足止めをしてしまって、すみませんでした」
「いや、別に良いよ。兄貴と違って、年中暇してるようなもんだしさ。また何か聞きたいことがあったら、教えてあげるよ。わかる範囲で良ければね」
軽く手を挙げてそう言い残し、竜久さんは部屋を出ていく。
「確かあの人、昇って人と一緒でまともに仕事してないって話だったよね。性格的にはまだマシな感じするけど、ちょっと拒絶反応出ちゃうかも」
足音が遠ざかるのを確認してから、ポツリと桜が呟いた。
「いわゆるニートってやつかな。まぁ、その辺りは人それぞれの事情や考えがあるだろうからね。でも、そんな悪い人ではなさそうじゃない? 思ったよりはまともそうだしさ」
「部長、それ何気に失礼ですよ。否定はしないっすけど」
あっけらかんと告げてくる部長を横目に俺は言うと、残っていたお茶を飲み干す。
それから、
「あ……」
不意にある光景を思い出し、置きかけた湯呑を持ったまま動きを止めた。
「どうしたの雄治?」
そんな俺を怪訝そうに見る幼なじみに一瞥をくれ、頭に蘇ったシーンを言葉にする。
「そう言えば、碧さんが殺されていた神社の社殿、開いてたなって」
「社殿? あの、鍵の掛かった建物がかい?」
「はい」
真っ先に食い付いてきた部長に頷きを返しつつ、先を続ける。
「遠くからだったのではっきり見たわけじゃないんですけど、社殿の中に納めてあった白い像みたいなのが壊されてたんですよ。あれ、何だったんだろう。神像みたいなやつなのかな」
「ああ、そうかもしれないね。ああいった場所には、像やお札とかが納められていることが多いから。へぇ、それが壊されてたわけ?」
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